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県西随想 ~県西歴史物語~


これまでの100年、これからの100年


■西暦2019年が明けた。謹賀新年。「1年の計は元旦にあり」という言葉がある。内外ともに多くの課題のある中、新年を迎えて県西の生徒諸君はどのような抱負を抱いただろうか。また、今年は県西100周年の年である。「教育は国家100年の計」という言葉もある。県西は新しい時代と環境の中で、しかし、温故知新で、「質実剛健」の校訓の通り、地道に、そして地に足をしっかりつけて、勇躍、発展してもらいたい。「これまでの100年」を振り返り教訓にもしながら、県西はさらに「これからの100年」という未来に歩みを進める。

校舎落成・県立移管記念(1955年) 県西の写真カード
(5回生・杉原賢治氏提供。8.7㎝×5.3㎝ 1955年)

■さて、1月4日(金)、兵庫県立芸術文化センターの神戸女学院小ホールで音楽科の3年次生(音楽科第34期生)の「卒業記念演奏会」が開催された。プログラムの内訳では、ピアノ演奏が25曲、ヴァイオリンが4曲、フルートが3曲、トロンボーン2曲、作曲2曲、クラリネット・オーボエ・マリンバ・打楽器曲が各1曲の40名である。3年間の県西での成長、学びの成果を見事に披露してくれた。感動と、前途への激励の拍手が鳴り響いた。
 ■ところで、上ヶ原の新校舎が完成したのは1955年(昭和30)。その年の10月1日の新築落成記念式典で県西の絵葉書や小さな記念カードが配布された。最近、卒業生から寄贈されたこの2枚の小さな記念カードには、現在のA棟(本館)が1979年にできる前の木造2階建ての校舎が写る。その1枚の上部には、小さな字で{Before you begin consider, but having considerd use dispatch.}とある。紀元前1世紀頃の古代ローマの政治家で、カエサルの部下の、豪華な庭園でも知られたガイウス・サッルスティウス・クリスプス(Gaius Sallustius Crispus,B.C.86-B.C.35)の言葉であろう。この格言は「始める前に熟考せよ、しかし始めたら迅速に」という意味と思われる。戦災や繰り返す移転を経て、県西が1950年11月から上ヶ原で新たな歩みを始め、校舎新築を進めたのは、まさにこの格言通りであったに違いない。だからこの言葉が記念カードに記されたのであろう。誕生して100年。そして新たな100年を刻み始める今年、私たちはどのような言葉を胸にすべきであろうか。


旧図書館 歌集「くさぶえ」 生徒会(1966年版)

■この「県西随想」は、50回にわたり、ホームページに連載してきました。長年ご覧いただき、感謝いたします。ありがとうございました。ローマ帝国の時代の新約聖書の四福音書のひとつ、「マタイによる福音書」を出典とする西洋のことわざに「新しい酒は新しい革袋に」というものがあります。いよいよ県西100周年です。(石戸信也)

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