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県西随想 ~県西歴史物語~


四季の県西


■春、夏、秋、冬。高校生活の移りゆく日々とともに、木々に囲まれた県西の美しいキャンパスは、季節ごとの表情を見せる。かつて『くさぶえ』という県西歌集が昭和30年代から40年代にかけて使われたが、その中にも掲載された「逍遥歌」(春夏秋冬1.2)では、「春はゆかしき梅の花 桜並木に逍遥さまよひて…」「夏は緑の陰ぞ濃き の下風に休らひて…」「秋は燈火に親しみて 叡智の果実このみ摘まんかな…」「冬こそ春のさきがけと 自治の我等に希望のぞみあり…」と、各季節を歌いだす歌詞である。作曲は下總皖一。校歌の作曲者である(作詞は国嶋晃)。この約10年、県西の四季を撮影してきたので、紹介しよう。
 ■正門の前には消防署(西宮市消防局瓦木消防署甲東消防分署)があった。昭和44年2月に開庁し、長く、県西の正門前で市民の安全を守る活動をされてきたが、今年、上ヶ原一番町に移転し、旧庁舎は11月から解体され、姿を消した。閉鎖された9月はじめ、御厚意で、私や高橋先生が屋上に上げていただき、「消防署から見えていた県西」を撮影させていただいた。消防車や救急車の車庫の天井にツバメの巣があり、毎年、前の道路を歩く市民や署員の方の目を楽しませていた。ツバメの住む消防署は掃除は大変だったが、西宮の消防の方にも人気があったとのことである。学校の目の前に消防車や救急車があるというのは、県西にとってもこの約半世紀、安心を与えていただいていた。県西の生徒や卒業生にとって、毎日通った正門の前の消防署である。訓練のランニングをする方、消防ホースを洗い乾かす方。季節の移ろいとともに、それは、「記憶」の中に残っているに違いない。

春・桜花爛漫
初夏から夏へ
やがて錦秋
憩いの広場の池には野鳥も時々、訪ねてくる。 そして銀世界。
消防署に住んでいたツバメの巣 消防署の屋上にあったスピーカー
正門前の消防署屋上から見る県西 

■この『県西随想~県西歴史物語』№44で、「県西の絵葉書」を紹介したが、最近、3年次生の保護者を介してあたたかい協力の申し出があり、県西の卒業生の杉原賢治さん(昭和28年卒。第5回卒業生。洋画家・版画家)から、この絵葉書(昭和30年10月。校舎落成記念)の不明分の絵葉書も含む完全版や、披露式典で杉原さんのご親族など来賓に配布された写真が寄贈された。これはそのうちの絵葉書の1枚で「構想図」とある。筆者は初めて目にするものである。当初は、正門入ってすぐ、今の憩いの広場の場所にプールを建設しようとしていたようである。クラブハウスも体育館もまだ無い。しかし、多くの樹木を配し、緑豊かなキャンパスを造ろうとしていたことがわかる。その後、繰り返す四季の移ろいの中で樹木は育ち、多くの方々の努力で緑豊かな現在の県西がつくられていった。
(石戸信也)

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