北高は「難関大学から就職まで」

「北高プライド」

はじめに、本年１月１日の能登半島地震により被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復旧を、心よりお祈り申し上げます。 

さて、本校は去る２月２８日に第４９回卒業証書授与式を挙行致しました。私の30年を超える教員生活の中で、卒業生が校歌をあんなに大きな声で歌った卒業式は記憶にありません。心から感動しました。きっと３年間やり切ったという誇りが、自然にあの大声での校歌斉唱となったと思います。改めて卒業生を誇りに思うとともに、卒業生の北高に対する誇りを感じました。

振り返ると、４９回生はよく挨拶をしてくれて、進路にも部活動にも一所懸命取り組んでいた姿が思い出されます。その結果、進路において大いなる成果を収めてくれました。就職は第一希望に100%合格、短大・専門学校も100％、大学においては難関大学に果敢に挑み、多くの合格を勝ち取ってくれました。４９回生の並々ならぬ努力を称えるととともに、そのチャレンジ精神と誇りを在校生に伝えていきたいと思います。

本校は創立以来「誠実・規律・親愛・実践」の校訓を掲げ、地域・保護者・同窓会の皆様とともに生徒の成長を支え、地域に根ざした学校をめざして歩んできました。そして一昨年度創立五十年の節目を迎え、本年（令和６年）度は神戸北高等学校としては最後の新入生（52回生）を迎える重要な年になります。県立神戸甲北高等学校との発展的統合の取り組みも２年目に入り、令和７年度の北神戸総合高等学校（仮称）の新設に向けて歩みを進めていかなければなりません。

本校が唐櫃台の地に根ざして半世紀、12,000名を超える卒業生を送り出してきました。半世紀の歴史の中には雲が立ちこめることもあったと思われますが、卒業生の皆様のご努力、本校を支えてくださった地域の人々をはじめ多くの方々の思いと営みのお蔭様で、今の本校が在ることに深く感謝申し上げます。

そして北高は今、また雲の中に在るのかもしれません。３年後の唐櫃の地との別れや、新たなものを創り出す苦しみです。「雲外蒼天」、雲の外には必ず蒼天があります。それは、どんなに過酷な境遇もそこを乗り越えれば蒼い空が広がっているという意味です。

北高がこの雲の中から抜け出すには、生徒一人一人が自分を誇れるようになること、仲間を誇りに思えること、北高に誇りを持つこと、一言で表現すならば「北高プライド」を持つことだと考えています。卒業した４９回生のように…。

生徒一人一人が「北高プライド」を持てるよう、まず教職員が自ら「北高プライド」を持ち、軌を一にして貫校（唐櫃の地を去る）までの３年間を邁進していく所存です。

引き続き本校へのご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

令和６年４月１日　　　　　　　　　　　　

校長　大橋　勇

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