但州丸日記 トロール漁業実習6月17日(月)

 今日は舞鶴で海上自衛隊の基地見学をさせていただきました。

 自分は、交通艇でガイドをしていただいた港務隊の遠藤一等海尉の「上司として、部下の命を危険に晒すような命令をしなくてはならないことが、残される家族や親戚のことを考えると辛い」との言葉が強く印象に残っています。

 他者に責任を押し付けることは至極簡単なことです。恥ずかしながら、自身も少々心当たりがあります。そのような人間が危機に陥った際、助けてくれる人がいるだろうか、いや、いない。責任感のない人にはついていきたくないと思うのが性であると思います。

 遠藤さんは「平素から勉強し、向上心を欠かさないことが大切だ」ともおっしゃっておりました。指揮官先頭という言葉があるように、一歩先に立ち、率先して模範を示すことの出来る人だからこそ、生命に関わる重大な命令を下すという重さ、その責任について誰よりも考えられるのだろうと思いました。

 自分も日々の生活の中で進歩を欠かさず、誰かの上に立つに相応しい人間となれるように頑張りたいと思います。

 多くの体験を通して、日常生活の中では得難い貴重な知見を得ることができ、充実した一日となりました。

 夕食は、旧海軍のレシピ帳を基に再現した料理が食べられるレストラン松栄館で、シチューハンバグ(煮込みハンバーグ)を食べました。ナイフを通すとほろりと崩れ、牛肉本来の味わいとデミグラスソースが混ざり合い、大変美味でした。舞鶴に訪れる際には、ぜひとも味わっていただきたいお店です。

 今日でトロール実習の半分の日程が終了しました。これからの予定としては、能登半島地震によって新たに追加された調査地点での操業が控えています。震災復興の助力ができること、大変な栄誉であると思うと同時にプレッシャーも感じています。残りの日程も気を抜くことなく、実習生一同、一致団結してこの航海を乗り越えたいと思います。

 

新藤 龍志