学校長より
洲本高等学校 校長
越田 佳孝
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今日は、9月1日。2学期が始まりました。今日は「防災の日」です。1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災を教訓とするために1960(昭和35)年に岸信介内閣の閣議了解で始まりました。関東大震災は、マグニチュード7.9、震度6の規模で、死者・不明者14万2,807名、家屋全半壊25万4千件余、焼失した家屋は44万7千余という大災害でした。「防災の日」が制定されてから、1.17の阪神淡路大震災、3.11の東日本大震災と大きな災害が続き、9.1の「防災の日」が忘れ去られようとしています。こういう形での忘れ去られ方はある意味不本意ですね。いつの時代も「災害への備えを怠らない」との自戒は大切です。
「天災は忘れた頃にやって来る」とは寺田寅彦の言葉だそうですが、寺田寅彦のどの著作を見てもありません。誰が言い出したにしても、「災害」について思いを新たにするのは、「想定外」などという責任逃れの「言い訳」を二度と聞きたくないためには有益です。
このあと、表彰伝達があり、紹介しますが、夏休み中に、ソフトテニス部、陸上部は全国大会に出場しました。また、夏休みの後半には、来春に卒業を迎える仲間が、就職の準備に学校にきていました。私には、普段学校で見る姿と違って、凜々しく、しっかりしているように感じました。こうやって成長していくのです。頼もしい限りです。
それともう一つ私から紹介したいことがあります。みなさんに社会科を教えてくれている本校の 上谷 円 先生が、7月の後半に、東京のホテルで開かれた「全国定時制通信制教育70周年記念式典」で、「全国定時制通信制教育70周年記念功労者」として、松野文部科学大臣から表彰を受けました。これは、定時制通信制教育が誕生して70周年を記念して、高等学校の定時制通信制教育に対して顕著な功績のあった方々に対する表彰です。上谷先生は、みなさんもよく知っているように、いつも丁寧に指導をしてくれます。そして、自分のことを人前で話したりすることはほとんどありません。穏やかで、謙虚な先生という印象です。たぶんみなさんもそういう印象を上谷先生に持っていると思います。しかし、定時制通信制教育に対する情熱は熱いものがあります。みなさんは、こういう素晴らしい先生たちから日々指導を受けているのです。このことは、誇りに思ってよいことです。
本当に力のある人、本当に強い人は、自分の持っている「能力」や「強さ」を誇示したりしません。そういうことをする必要がないからです。その反対に、むやみやたらに自分の「能力」や「強さ」を誇示したがる人もいます。自分に自信がないからです。自分が他人からどう思われているかが気になって仕方がないのです。「自信」とは、毎日、自分がしなければならないことを地道にこなしていく中からしか生まれません。地道に少しずつ自分が出来ることを増やしていく。そのことが「自信」につながります。
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