学校長より
洲本高等学校 校長
越田 佳孝
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2週間余りの春休みが終わりました。今年の冬は寒かった分、桜は誇らしげに咲きそろっています。しかし、今日はあいにくの空模様でいまにも散りそうです。今日から新しい年度が始まります。今日の午後に定時制入学式があり、新入生16名が入学してきました。
皆さんは、昨年1年間、私がこうして皆さんと話す機会をとらえて話してきた内容を覚えていますか? それは、洲本高校の定時制で「学ぶ」ことの大切さです。洲本高校の定時制は、「学ぶこと」の大切さを知っている者たちの、「学ぶこと」に対する熱意が創り上げた学校だということです。今日の入学式でも新しい一年生に話しました。本校の教育は、第二次世界大戦後洲本市内に広がった「働く青年のために夜間学校をつくろうという」という二十歳にも満たない少年たちの運動で始まったのです。それは、「学びたい」、しかし、もろもろの事情で働かなければならない。そういう少年たちの「学び」にたいする渇望の声。学ぶことの本当の楽しさ、すばらしさを知るものたちの真摯でひたむきな魂の叫びでした。洲本高校の定時制の課程を作り上げてきたのはそういった先輩たちだったのです。
ですから、まず皆さんがしなければならないことは、しっかりと学校に来るということです。次に、学校に来てしっかりと学ぶということ。そして、その学んだ成果をいかして将来の仕事につなげていくことです。その三つこそが、まず、みなさんがしなければならないことです。何人かの人は覚えているでしょう。いろいろな事情で学校に来ることを控えていただかなければならなくなった時に私が言った言葉を。「こんなことのために学校に来ることができなくなるようなことはするな!!」と。学校、洲本高校の定時制こそが、皆さんが思いっきり、なんの遠慮もせずに話したりできる「場所」であり、洲本高校の定時制に来ている時こそが皆さんが気兼ねせずにくつろげる「時間」なのです。社会へ出て、働くようになれば、今のようにはいかないでしょう。そのことは皆さんも分かっているはず。そういう大切な場所、時間が「今」であることをしっかり心にとめておいて下さい。
洲本高等学校の定時制では、始業式・終業式には校歌とともに応援歌を歌います。なぜ応援歌も一緒に歌うのか考えたことはありますか。先ほど話したように、洲本高等学校の定時制は皆さんの人生にとって、大切な場所であり、時間であるからです。だから、校歌を、そして定時制応援歌をしっかり歌うのです。こういう学校は県下にはありません。それは誇りに思ってよいことです。校歌、応援歌をしっかり歌った、そのことが何十年後かの皆さんを一つに結びつけるもの、これを「紐帯」といいますが、になるのです。今日の入学式で新しい16名の一年生を迎えました。皆さんは先輩として、洲本高校の定時制のよさをしっかり伝えていきましょう。彼等が誇りを持って皆さんと同じように校歌・応援歌を歌えるようにしていきましょう。それが私たちの願いです。ともに頑張りましょう。
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