46.大豆食品を作る |
| もくじへ |
| [目的] | 大豆の栄養を調べ、大豆を利用した食品について理解を深める。 |
| [領域] | 化学:タンパク質 糖類 コロイド 発酵
生物:タンパク質の構造とはたらき |
| 1. | 豆腐づくり |
| [準備] | 大豆 ミキサー 凝固剤 温度計 布 ガスコンロ | |
| [操作] |
| 1) | あらかじめ2倍〜3倍の水につけておいた大豆をミキサーでつぶし、同量の水を加え弱火でかき混ぜながら加熱し、あくを取り除きながらしばらく煮る。 | |
| 2) | 布を堅く絞り濾した液を鍋に入れ、弱火でかき混ぜながら加熱した後、凝固剤を加えて布を敷いた型に流し込み重しをしてしばらく置く。 | |
| 3) | 固まったら水にさらし、余分な凝固剤を取り除く。 |
| [留意点・工夫点] | ||
| ・ | 市販の豆乳でもできるが、その場合は豆腐づくり用の豆乳を使用しないと固まらない。2の操作から行う。 | |
| ・ | 大豆を水につけておく時間は、夏季は8時間、冬季は20時間ぐらいがよい。あらかじめよく洗っておく。 | |
| ・ | 1でできたものを呉(ご)という。 | |
| ・ | 2で絞った液が豆乳、布の残存物はおからである。 | |
| ・ | 豆乳を熱して表面にできるカゼイン膜が湯葉である。 | |
| ・ | 天然のにがりも市販されている。 | |
| ・ | 豆腐の型として牛乳パックの下部に穴をあけて利用してもよい。 | |
| ・ | 凝固剤の種類によりできる豆腐の量が変わる。1丁300gの豆腐を作る場合、10kgの大豆から塩化マグネシウムMgCl2では100丁、硫酸カルシウムでは120丁、グルコノデルタラクトン(GDL)だと170丁の豆腐ができる。硫酸カルシウムを使用すると固めの豆腐になる。 | |
| ・ | コロイドである豆乳ににがりを加えると塩析がおこり豆腐ができる。 | |
| 2. | 大豆の栄養を調べる | |
| [準備] | 豆乳 湯葉 ヴィスキングチューブ ジエチルエーテル 硫酸銅CuSO4水溶液
水酸化ナトリウムNaOH水溶液 ヨウ素ヨウ化カリウム水溶液 フェーリング液 | |
| [操作] |
| 1) | 脂質の確認 | |
| 乾燥させた湯葉にジエチルエーテルを加えてすりつぶしろ過する。ろ液をさらにジエチルエーテルで洗い、ジエチルエーテルを蒸発させて、残った液体を観察する。 | ||
| 2) | タンパク質の確認 | |
| 1でろ紙に残った湯葉を取り出して水酸化ナトリウム水溶液、硫酸銅水溶液を加えて色の変化を確認する。(ビウレット反応) | ||
| 3) | 糖類の確認 | |
| 豆乳をヴィスキングチューブに入れ純水に浸し、透析しておいた液にフェーリング液を加えて加熱する。糖類がセロハン膜を通って出ていたら青色の液が赤茶色に変化する。(フェーリング反応) | ||
| 4) | デンプンの確認 | |
| 水に浸しておいた大豆を切り、ヨウ素ヨウ化カリウム水溶液を数滴落とす |
| [留意点・工夫点] | ||
| ・ | 透析するのは、タンパク質を取り除いて糖類を取り出すためである。タンパク質はセロハン膜を通らない。 | |
| 3. | 納豆を作る | |
| [準備] | 大豆 稲藁 | |
| [操作] |
| 煮沸して雑菌を消毒しておいた稲藁に、蒸した大豆を包み、一昼夜以上保温する。 |
| [留意点・工夫点] | ||
| ・ | 市販の水煮やドライパックの大豆を温めて用いてもよい。 | |
| ・ | 稲藁は10cmくらいのものを50本くらい用意しておく。 | |
| ・ | 納豆菌は100℃でも死なないので、稲藁は数分煮ておく。 | |
| ・ | 挽き割り納豆を作る場合は、15分くらい炒り、8つぐらいに割って使用する。表皮を捨てるので、表面が多少焦げても構わない。小粒の大豆はそのまま炒って使う。 | |
| ・ | 保温する場合は湿度を保つために稲藁を濡れた新聞紙に包んだり、一部分をラップで巻いたりする。定温器がない場合、クーラーボックスや発泡スチロールに大豆とともに50℃くらいのお湯を入れたペットボトルを一緒に入れておくとよい。 | |
| ・ | 納豆菌は枯草菌の一種で、煮た大豆に繁殖し、タンパク質を分解してペプトン、ポリペプチドなどに変える。赤痢菌などに抗菌作用を持つ。 | |
| [関連実験] | タンパク質の性質 単糖類・二糖類の性質 コロイド溶液 |
| もくじへ |