[目的] | タンパク質特有の性質を、卵白やゼラチンなどを使って調べる。 |
[薬品・材料] |
| 卵白 ゼラチン 塩化ナトリウム 水酸化ナトリウム 硫酸(または塩酸) 硝酸 酢酸鉛 硫酸銅(U)(または塩化鉄(V)) エタノール(またはアセトン) ニンヒドリン 赤リトマス紙 |
[操作] |
a. | 成分元素の検出 |
1) | 卵白水溶液やゼラチン水溶液に水酸化ナトリウム(粒)を入れ穏やかに加熱し、発生してくる気体に湿らせた赤リトマス紙を近づける。 |
2) | 1の溶液を冷やした後、酢酸鉛水溶液を少し加え変化を見る。 |
b. | 変性 |  |
| 卵白水溶液に、アルコール、酸、重金属を加え、加熱することによる変化を観察する。 |
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c. | 呈色反応 |
・ | ビウレット反応 |
| 卵白水溶液やゼラチン水溶液に水酸化ナトリウム水溶液と硫酸銅(U)水溶液を加える(青紫色)。 |
・ | キサントプロテイン反応 |
| 卵白水溶液やゼラチン水溶液に濃硝酸を加えて加熱し(黄色)、冷却してから水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性にする(橙色)。 |
・ | ニンヒドリン反応 |
| 卵白水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱し、ニンヒドリン水溶液を数滴加えて温める(赤紫色)。 |
[留意点・工夫点] |
☆ | 卵白水溶液の作り方 |
| 卵白に5倍の量の水を加え、塩化ナトリウムを少量ずつ白濁が消えるまで加える。(30mlに1g程度)あるいは5倍の体積の1mol/lの塩化ナトリウム水溶液に溶かす。残った卵白グロブリンを除去するには茶こしなどでこすとよい。市販の卵白アルブミン粉末を水に溶かして作ってもよい。 |
☆ | ゼラチン水溶液はゼラチンを少量の水に浸した後、水を加えてかき混ぜながら透明になるまで加熱する。加熱するのに電子レンジを利用すると便利である。 |
☆ | 卵白水溶液・ゼラチン水溶液共に冷蔵庫内で保管する。 |
☆ | ビウレット反応の硫酸銅水溶液は1、2滴でよい。入れすぎると水酸化ナトリウムと反応して水酸化銅の青白色沈殿ができる。 |
☆ | キサントプロテイン反応では水酸化ナトリウムの代わりにアンモニア水を用いてもよい。 |
★ | 実験後、タンパク質がこびりついてブラシで洗っても取れないときは、界面活性剤の洗浄液に浸けておくとよい。 |