校長挨拶

本校は、昭和 23年に県立福崎高等学校鹿谷分校として開校、昭和 49年に県立夢前高等学校として独立し、今年度は創立75周年、独立50周年を迎える歴史と伝統を誇る高校です。これまでに八千名を超える卒業生を送り出し、地域の高校として地域の方々とともに歩んできました。
校訓「誠実、健康、敬愛」の理念のもと、思いやりと寛容の心をもち、豊かな人間関係を構築する力と、国や郷土を愛し、伝統と文化を尊重する態度を備え、高い理想を胸に、主体的に国際社会に貢献できる人材を育成する、をスクール・ミッションとし、保育園・幼稚園、小中学生の皆さんとの交流や、地元企業等へのインターンシップ、国際交流や地域ボランティアなど、様々な場面で生徒は活動、活躍しています。
合言葉は、 Go ahead with your dreams! 青春航路を生徒達が思いや夢を胸に前進し続け、主体的に学び、様々な活動に挑戦し続けることができるよう、同窓会、PTA、地域、関係者の皆様方との連携を密にしながら、私たち教職員は生徒をサポートしていきます。
今後ともご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
式辞(令和6年度 卒業式)
厳しい寒さも和らぎはじめ、ここ万代が丘にも少しずつ春の到来を感じられる今日の佳き日、兵庫県立夢前高等学校 第51回卒業証書授与式を、PTA会長大川典子様をはじめ、多くのご来賓ならびに保護者の皆様のご臨席を賜り、挙行できますことは、私ども教職員にとりまして、この上ない喜びでございます。本当にありがとうございます。
第51回生64名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。これまで、本校の教育活動に格別のご理解とご協力を賜りました事、重ねて感謝申し上げます。
さて、今日まで卒業生の皆さんの高校生活を見てきましたが、文化祭や体育大会で、満面の笑みを浮かべ、力いっぱい取り組んでいる姿、友達・後輩を一心に応援している姿、そして校内や登校時の何気ない姿を目にしながら、ひとりひとりが、自分なりに精一杯、青春を謳歌し、成長してきた高校時代であったのだなと感じています。
また、皆さんは創立75周年独立50周年という本校の歴史のうえで大変大きな節目の年に卒業となりました。記念式典では来賓として、たくさんの卒業生にもご臨席いただきました。式典が終わり、その方々が会場を去られる時に、「夢前高校の生徒、私らの時とは全然違うわ。ほんまよーなったわ。」と言いながら、笑顔で帰られるのを見て、とてもうれしく、たくましく成長した皆さんを誇らしく思いました。
ところで、この一年を振り返ると、皆さんには校長講話を6回いたしましたが覚えているでしょうか。ある講話では「なぜ若者は悩むのか」という話をしました。18歳だと、まだ18%の人生経験と捉え、この先の長い人生で、自然に上手く生きていく力が付くから心配しすぎないようにと伝えました。
また別の講話では「成長」をテーマに、今までの自分になかったことに気づかせてくれるもの「人との出会い」、「本」、「歌」などについて話をしました。さらに出会いは「縁」。縁を大切にとも話しました。
縁でつながったその人を、大切に思わなければ、その人から大切に思われることはありません。良い人間関係を維持するには、時々メンテナンスも必要です。「寛容さ、思いやり」を持ちつつ、相手に対する心の持ち方や、自分の行動を時に顧みて、修正することです。
新年最初に、アメリカ合衆国の詩人、ロバート・フロストの詩を紹介しました。
タイトルは“The Road Not Taken”解説した詩の部分はTwo roads diverged in a wood, and I − I took the one less traveled by, And that has made all the difference.でした。人が選ばない道、もしかすると、今までの自分なら選ばなかったろう道を選んだ時、すべてが変わったという解説をしました。
これから生きていく中で、何度も道を選択し、その選択が人生を作っていきます。人生うまくいかないことも当然沢山あるでしょうが、自分の意志で道を選択していくことです。人間万事塞翁が馬。何がいいかは分からないものです。つらいことがあっても、トンネルは必ず抜けます。いつまでも続きません。これ以外も講話をしましたが、いつも皆さんの幸せと成長を強く願いながら話をしてきました。
最後に、この3年間は、楽しいことばかりでなく、悩んだり、人に言えないつらさを感じ続けたこともあったでしょう。しかし、今ここにいる皆さんは、そのような辛さに耐え続け、今日まで生きてきたということです。皆さんは、立派で価値のある人生を築いてきたのです。そしてこれからも必ず困難を乗り越え、価値ある人生を築くことができるのです。今日は、つらくても持ちこたえてきた自分を、頑張った自分を「自分はよくやった」と認め、ほめて巣立ってください。
もうすぐ夢前川は、優しい春風に包まれ、桜が咲くことでしょう。そして、この通いなれた通学路を、美しい夢前の風景を、いつか懐かしいと思い返しながら通り過ぎる日が来るでしょう。その時、皆さんは素敵な大人に成長していることと思います。
さあ、明日から新しい世界が皆さんを待っています。皆さんの心に「光」が満ちますように、皆さんの人生が幸せでありますように、心よりお祈りし、式辞と致します。
1学期始業式 校長挨拶
令和6年度がスタートしました。今年度は創立75周年、夢前高校としての独立50周年を迎える節目の年です。午後には本校最後の入学生を迎えることになります。 一年一年が二度とない、最後の一年となることを噛みしめて、大切に過ごしていって欲しいと思います。今自分が関わっていること、勉強、部活動、学校行事、クラスの友達との触れ合い、地域の方々との触れ合い、後輩たちとのつながりは大切です。今この瞬間は二度と戻らない大切な時間なのです。少しでも多く、よかったなと感じることができる、よかったなと振り返ることができる日々であって欲しいと思います。
今日は3つだけ伝えたいことがあります。
1 母校を誇りに思い卒業して欲しい
「夢高の誇りとは自分への誇りである」 誇りは自分で作るもの 夢高で頑張れた自分がいることが、自分への誇りと夢高への誇りになります。
2 人間性を豊かにする
人間性の1つに「人を大切にする心」があります。
校歌に「朋友よ 青春航路ともに究めん」とあるが、青春=うれしい、悲しい、楽しい、つらい、悔しい、などの思いがいっぱいあった、ということでしょう。こんな思いがいっぱいあったけど、でも友と共に過ごし、最後は良かったと思える。そんな青春を送って欲しい。
その青春において、お互いを大切に思う気持ちを持ち続けて欲しい。
心の優しさを決して忘れてはいけない。
3 良くなりたい「向上心」を大切に
人生100年時代 時間はある。
いっぱいチャレンジし、いっぱい失敗し、そこからつかむものがある。強さも生まれる。
最後に、あなたが安心して、幸せに生活したいと思っているように、隣に座っている生徒も、クラスのどの生徒もそう思っています。あなたの保護者が、あなたに幸せに夢高で過ごしてもらいたいと願っているように、友達の家族もそう思っています。だから、あなた自身があなたを傷つけたり、あなたが誰かに傷つけられたりすることがあってはならないのです。
夢高生全員が、安全で、安心して、心穏やかに毎日を過ごせるように、お互いに思いやりの心を持ち、お互いを大切にしていく心を決して忘れないようにして欲しいと思います。支えあって、笑顔や感謝のあふれる学校にしましょう。
夢高で、皆さんが少しずつでも成長してゆく姿を見ることができるのを楽しみにしています。
入学式 校長式辞
第53回入学式 式辞
夢前川の桜並木も咲き誇り、力強い春の息吹を感じる今日の佳き日に、本校PTA会長 岸田雅美様、同窓会長 浅田忠安様をはじめ、多くのご来賓、保護者の皆様のご臨席を賜り兵庫県立夢前高等学校第53回入学式を挙行できますことを、心よりうれしく思います。ただ今、入学を許可致しました56名の皆さん、入学おめでとうございます。保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
新入生の皆さんは、これからの高校生活に、大きな夢や希望で胸を膨らませていることと思います。ご家族をはじめ、これまで支えてくださった方々への感謝の心を忘れず、この夢前高校で充実した高校生活を送り、成長して欲しいと思います。私たち教職員は、皆さんの高校生活をサポートし、共に歩んでいきます。
本校は昭和23年に開校し、昭和49年に県立夢前高校として独立しました。今年度は創立75周年、独立50周年を迎える歴史と伝統を誇る学校です。校訓「誠実、健康、敬愛」の理念は、昭和、平成、令和の時代を超えて脈々と受け継がれ、8千名を超える卒業生そして、在校生の心に今なお息づいています。
さて、世界では、急速な科学技術の進展と共に、インターネット、スマートフォン、チャットGPTなるものが、あっという間に普及しました。現在、第四次産業革命の時代と言われ、ロボットや物が人工知能やインターネットと組み合わされ、様々な分野や事業で、そして製品として活用されています。18世紀の第一次産業革命から、わずか250年ほどの短期間での変化です。しかも、もう第5次産業革命に向かっているとも言われています。消費主義にも乗じてか、モノやサービス、価値観があっという間に変化するこの時代に、皆さんは社会という海原を、周りの景色をよく観察しながら、自分の決断で進む方向を決めなければならないのです。高校を卒業したら、自分の力を発揮して、自立して生きていくことになるのです。そのためには「生きる力」をつけていかなければなりません。付けていく「生きる力」は皆さん一人ひとり違うのですが、まずは得意なこと、好きなことを大切にし、行動に移すことでその力は伸びていきます。
その過程で、大切にしてほしいことを今日は2つだけ伝えます。1つは「向上心」です。うまくいかないこと、失敗は当たり前です。良くなりたいという向上心を持ち、あきらめずに取り組んだ経験が、あなたを成長させるのです。
2つ目は「豊かな人間性」です。いくら時代が変わろうとも、人を思いやる心や、感動する心の大切さは不易のものです。様々な友達、文化、芸術などと触れ合う中で、豊かな人間性を培ってほしいものです。
いよいよ、夢前高校での生活が始まりますが、皆さんはまだ若く、人生は始まったばかりとも言えます。時間がかかったり、回り道をしたり、立ち止まったり、やり直したりするでしょうが時間は十分にあるのです。あせらずに、今できることを、今できる力でやっていきましょう。
最後になりましたが、保護者の皆様にお願いがございます。高校の3年間は、人生の方向を決定する本当に大切な期間になります。多感な思春期のお子様にとって、悩みや苦しみが大きい時期でもあります。私たち教職員は、お子様が自らの未来を、自らの力で切り拓いていけるように、支援していきます。そのためには、学校と家庭の緊密な連携が欠かせません。どうかご支援、ご協力賜りますよう、お願いいたします。
新入生の皆さんの夢前高校での生活が、新たな出会いと成長に満ちたものになることを、そして、夢を抱いた青春航路を、仲間と共に前進する日々であることを、心より祈念して、式辞といたします。