兵庫県立洲本高等学校定時制
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学校長より

洲本高等学校 校長
 越田 佳孝

「平成27年度 学期始業式」
 

2週間あまりの心地よい春休みが終わりました。今年の冬は寒かった分、3月の終わりには一気に暖かくなり、桜は誇らしげに咲きそろい、いまや散り始めています。今日から新しい年度が始まります。今日の午後には、入学式があり33名の1年生が入学しました。

 

洲本高等学校の定時制は、淡路島の唯一の定時制高校です。その歴史は古く、太平洋戦争後の昭和2310月にさかのぼります。ちょうど今の高等学校という制度ができた年です。ですから、県下で一番古い定時制になります。また、それ以前にも歴史があるのです。その年の6月、洲本市の全面的な支援で、洲本市立幼稚園を間借りしてはじまった「夜間高校準備教育」です。625日から925日まで授業を行っていました。まだ学校の制度すらできていない時です。これはこの年の1月、「働く青年のために夜間学校をつくろうという」少年たちの運動が集めた約5,000人もの署名が洲本市を動かしたからです。学校のために「学び」があるのではなく、「学び」のために学校がつくられたという、「教育」と「学び」の本質を体現している学校がみなさんの学ぶ洲本高等学校定時制です。

 

このように定時制は「働く青少年に高等学校教育を保障する」という目的で設置されました。しかし、定時制発足以来68年、社会環境が変化する中、その目的も変化してきています。定時制の一番大きな行事である生活体験発表会の県大会出場者の原稿はそのことを語っています。それは、小中学校で自らの居場所や自分自身がしっくりとくる「学びの場」が見つからずに、なかなか学校に行くことができなくて、やっと見つけた自分自身が落ち着いて学べる場、安心して友だちとつながることができる居場所、それが洲本高校定時制だったと語ってくれている原稿です。このことは、学校のために「学び」があるのではなく、「学び」のために学校がつくられたという、「教育」と「学び」の本質を体現しているのです。

 

そういう変化に対応する、洲本高等学校定時制の取り組みをあらわすキーワードが「学び直し」です。この「学び直し」には二つの意味があります。一つは、小学校・中学校で「学び残してきた部分」を、高校生としての発達段階をも配慮して、もう一度学ぶということです。あと一つは、何らかの理由で一度は高校を離れた人に、再び学ぶ機会を提供するという意味です。そういう貴重な「学びの場」を提供することが、淡路島の唯一の定時制、洲本高等学校定時制に課せられたミッションです。

 

私がいつも言っているように、まず休まずに学校に来ましょう。そして授業をしっかり受けて学びましょう。さらには学んだ「成果」をいかし自らの将来への道筋をつけましょう。洲本高校の定時制の魅力は「できる」「わかる」「つながる」の3つで説明できます。休まずにも学校に来て、授業をしっかり受け、その成果を自らの将来へつなげていきましょう。


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学校のミッションとビジョン(4月)
・入学式式辞(4月)
・1学期始業式(4月)
・創立記念式(5月)

・1学期終業式(7月)

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