66.水を浄化する微生物たち

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[目的]下水の浄化に利用される活性汚泥中の微生物を観察し、さらにその浄化能力を確認する。
[領域]生物:微生物の観察
環境:水質の浄化
[準備]活性汚泥 牛乳 簡易水質検査器 pH試験紙(またはpH計) 検鏡用具
[操作]
 1)活性汚泥を顕微鏡で観察する。
 2)活性汚泥、純水にそれぞれ希釈した牛乳を加え2日程度おいた後水質を調べる。
[留意点・工夫点]
活性汚泥とは、有機物を分解する細菌とそれを捕食する原生動物、後世動物等からなる微生物の集合体である。下水処理場では有機物を餌とするこれらの微生物を汚水の浄化に利用している。
活性汚泥は下水処理場で分けてもらえる。申請書類を出す必要がある場合もあるので、事前に連絡をとること。
活性汚泥を保存する場合は暗所で穏やかにエアレーションする。通気量が多すぎると生物相が変化してしまうので注意する。入手後2〜3日以内に使用する。
浄化能力の確認には、容器に成分比率が記載されており、目視で水の透明度の変化が観察しやすいので牛乳を使用するとよい。使う牛乳は15倍ぐらいに希釈しておく。その他にはラーメンスープの希釈液(100倍程度)や米のとぎ汁も使用できる。いずれもCODが50〜100mg/lの範囲になるように調製するとよい。
活性汚泥と純水の量、それぞれに加える牛乳の量は同量とする。また、エアレーションの有無による浄化の差も観察するとよい。
実験の前後で色、臭い、透明度、生物相の変化を観察する。市販の簡易水質検査器(パックテスト)による検査やpHの測定もするとよい。
汚水の状態により出現する微生物   *は写真あり
 
 
 

[関連実験]顕微鏡の取り扱い方 淡水微生物の観察 水質調査 汚水の精製
[参考文献]日本下水道協会(1991)ハンドブック
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