56.植物の葉による大気中のNOX(窒素酸化物)の吸収

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[目的]植物の葉がNOx(窒素酸化物)を吸収し、大気の浄化に関わっていることを実験により確認する。
[領域]化学:窒素の酸化物 アゾ化合物
生物:窒素同化
環境:植物による大気の浄化
[準備]各種植物の葉(5〜15枚) 50%トリエタノールアミン(CH2CH2OH)3N ザルツマン試薬 亜硝酸ナトリウムNaNO2 サンプル管(5ml程度) ろ紙 ポリエチレン袋 分光光度計(または光電比色計)
[操作]
 1)「大気中のNOxの測定」実験と同様にサンプル管を用意する。
 2)サンプル管を固定した袋に植物の葉を入れ(5〜15枚)、自動車の排ガスを充満させた後直ちに封をし、直射日光があたらないようにして10〜15分間放置する。対照実験として葉を入れないものも用意する。
 3)サンプル管を回収、「大気中のNOxの測定」実験と同様の操作を行い、NOxの濃度を求める。葉を入れた方のNOx濃度と、葉を入れなかった方のNOx濃度から葉によるNOxの吸収率を求める。すべての葉の総面積を求め、単位面積あたりの吸収率を求める。
[留意点・工夫点]
サンプル管は、ポリエチレン袋の奥に管口が奥の方を向くように、セロテープで固定する。
国立環境研究所での実験では大気汚染吸収速度はヒマワリ>トマト>アサガオ>トウゴマ >キュウリ>トウモロコシの順である。
浄化能力は常緑樹の方が落葉樹より優れている。(高木:ヤマモモ、カシ、クスノキ 中 木:イヌツゲ、マサキ、ネズミモチ 低木:オオムラサキ、シャリンバイ、サツキ など)
汚染物質の吸収は光合成と深く関係している。
二酸化窒素はよく吸収されるが、一酸化窒素、一酸化炭素などはあまり吸収されない。
その他の留意点・工夫点に関しては「大気中のNOxの測定」に準ずる。
[関連実験]大気中のNOx(窒素酸化物)の測定  硝酸と窒素の酸化物  アニリン・アゾ染料
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