36.硝酸と窒素の酸化物

[目的]一酸化窒素NO・二酸化窒素NO2の性質を調べてその違いを比較する。
[薬品]硝酸HNO3 銅片Cu 青色リトマス紙
[器具]ゴム栓付き気体誘導管 水槽
[操作]
1)硝酸を試験管にとり、色やにおいを調べる。
2)希硝酸と銅片を反応させ一酸化窒素を捕集し、溶液の色や発生した気体の色を見る。また水中で捕集した気体が空気にふれた時の変化を調べる。
3)濃硝酸と銅片を反応させ二酸化窒素を捕集し、溶液の色や発生した気体の色を見る。捕集した試験管に水を入れた時の変化を見る。青色リトマス紙でその液性を調べる。
<参考>
一酸化窒素・二酸化窒素の製法
[留意点・工夫点]
水上置換で捕集すると、水に溶けない性質を利用して一酸化窒素だけを集めることができる。
二酸化窒素は有毒であるから吸わないように注意する。室内の換気に注意する。
濃硝酸と銅の反応は、始めはゆっくりであるが次第に激しくなるので注意が必要である。反応が始まったまま放置しておくと反応が激しくなりすぎるので、そうなる前にビーカーに入れた氷水で試験管を冷やしたり、試験管の中へ冷水を加えたりして反応を抑える。反応が起こりにくい場合は少し暖める。
銅は金属粉を用いてはいけない。反応が激しく、危険である。
銅は銅線や銅板を必要な量だけ切って用いると、必要以上に有毒な気体を発生させることがなく、後始末も簡単である。
水上置換に使用するゴム栓付き気体誘導管のガラス管の先端は、短い方が操作しやすい。