55.アニリン・アゾ染料

[目的]ニトロベンゼンからアニリンをつくり、その性質を調べ、さらにアゾ染料を合成する。
[薬品・材料]
 ニトロベンゼン ジエチルエーテル アニリン フェノール 2−ナフトール
塩酸 硫酸 水酸化ナトリウム 二クロム酸カリウム さらし粉 スズ(粒)
亜硝酸ナトリウム 氷 木綿布
[器具]三角フラスコ 蒸発皿
[操作]
1)アニリンの合成・検出
 
2)アニリンブラックの合成
 
3)アゾ染料の合成(カップリング)
 
 
[留意点・工夫点]
ニトロベンゼン、アニリン、フェノール、2−ナフトールは毒性が強いので、注意する。
アニリンを合成するとき、ニトロベンゼンは、油滴がなくなるまで加熱する。
気体の発生が激しいとき、炎から離して加熱をやめる。
スズは表面積を広くする方(華状)が、合成がうまくいく。
未反応のスズ粒は、後で回収する。
水酸化ナトリウムを加えると乳白色沈殿ができ、さらに加えると、乳濁色になる。
アニリンはアルカリ溶液には溶けずに、黄色い油滴となって浮かんでくる。
液が冷えてからジエチルエーテルを加える。
アニリンブラックを染めるとき、二クロム酸カリウムの飽和水溶液を使うとよい。よく染まらない場合は再度アニリン塩酸塩溶液に入れ、二クロム酸カリウム水溶液にひたす。
氷は事前に充分用意しておく。
塩酸アニリンと亜硝酸は、充分に冷すこと。塩化ベンゼンジアゾニウムは、不安定な物質で反応液が、5℃以上になると分解する。亜硝酸ナトリウムを2、3回に分けて冷しながら加えると、分解しにくい。冷え方が足りないと、透明な液にならないので、淡黄色の濁った液になる。
2−ナフトールは溶けにくいので、なるべくつぶしておく。
染色する布は、あらかじめ湯または水で、のりを落としておく。
布上で染料の合成が起こらないと、うまく染まらないので、あらかじめ布に下づけの液をつけておく。
氷を入れる容器はプラスチックバットやサーモカップを利用してもよい。
染色に使った器具は、早めによく洗うこと。ピンセットの先など特に注意。ピンセットの代わりに割り箸を使うとよい。布を染色するときにプラスチック製の秤量皿を使うと安価なので取り替えやすい。
何種類か染色するときは、器具などが混ざり合わないように色テープを貼るなどしておくとよい。