22.鏡を作ろう

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[目的]銀鏡反応を利用して鏡を作る。
[領域]化学:還元
[準備]水酸化ナトリウムNaOH水溶液 グルコースC6H12O6水溶液 硝酸銀AgNO3水溶液
アンモニアNH3水 ガラス板
[操作]
 ガラス板を底の浅い容器に入れ、水酸化ナトリウム水溶液とグルコース水溶液を混ぜたものをかける。さらにアンモニア性硝酸銀水溶液をかけて揺り動かし、銀が析出したらガラス板を取り出し水洗いする。
[留意点・工夫点]
ガラス板はスライドガラス、時計皿などがよい。時計皿を使用すると、凹鏡や凸鏡を作ることができる。
ガラス板は、使用前に洗剤でよく洗い、お湯(熱い純水がよい)を流しておく。洗浄後はガラス板の縁などを持つ。薬品を流す前にも純水(熱い方がよい)をもう一度流すと薬品がガラス面を均一に流れていく。
表面処理として、ガラス板を洗浄後10分程度塩化スズ水溶液につけておいて使用前に純水ですすぐ方法もある。
銀を付着させない面にあらかじめビニールテープなどを張っておくとよい。その場合、割り箸などを敷いておいたり、ビニールテープをガラス板より大きめにしてピンセットでつまむと取り出しやすい。
ガラス板の上に波紋ができないようにするため、ガラス板を入れる容器は大きめのものを使用し、容器の動かし方に注意する。大型のシャーレや発砲スチロールのトレイを使用するとよい。
水酸化ナトリウム水溶液の濃度は銀の析出速度に影響を与える。ゆっくり析出する方がきれいな鏡ができる。気温により異なるので、予備実験を行い0.1〜0.3mol/l程度にする。
アンモニア性硝酸銀水溶液が透明になったら、反応が終了する。塊状の銀ができない方がきれいに仕上がり、銀も無駄にならないので、硝酸銀水溶液の濃度は0.1〜0.3mol/l程度でよい。アンモニアの量も多すぎないようにする。
ガラス面に銀の薄い層が均一に何層も重なってできると、きれいな鏡ができる。そのためにはアンモニア性硝酸銀水溶液を数回に分けて加えるとよい。銀の析出が終了するたびに新たにアンモニア性硝酸銀水溶液を加える。
水洗後、銀面にアルコールをかけると早く乾く。ドライヤーを使用してもよい。乾燥後銀面にラッカースプレー等をふきつけておくと、銀の剥がれや酸化を防ぐことができる。
銀面に黒色ビニールテープを張った銀鏡を3枚作り、三角柱の形に組み合わせると、簡易万華鏡を作ることができる。
銀鏡反応とは銀イオンが還元されて銀の単体として析出することを利用して鏡を作る反応である。
グルコースは還元剤として使用する。
水酸化ナトリウムは銀の錯イオンの結合を不安定にし、銀を析出しやすくするために使用する。

[関連実験]単糖類・二糖類の性質 アルデヒド
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