
県立神戸高等学校
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3学期 始業式 式辞
県立神戸高等学校 校長 中野 憲二
あけましておめでとうございます。
冬休みも終わり今日から3学期です。
まずは、無事に冬休みを終えて、こうしてみなさんと新年を迎え、そして始業式を迎えることができたことを嬉しく思います。
さて、新しい年がスタートしました。
戌は、十二支の11番目ということで、次のステップに移る準備段階のとしに当たる年というそうです。また戊戌(つちのえいぬ)ですから、世界史で習ったと思いますが、1898年9月、清朝の光緒帝のもとで戊戌の変法と言われた近代化路線を進めようとした康有為ら革新的官僚が、宮廷の保守派西太后によって弾圧されたクーデター事件、戊戌の政変から120年ということになります。
さて、ノーベル賞を受賞した方に山中伸也先生がおられます。神戸大学の医学部の出身で兵庫県にもゆかりがあるということで、県内でもよく講演をしていただいたり、神戸マラソンにも出場いただいたりしました。
その山中先生が、高校生向けの講演で使われた言葉は「人間万事塞翁が馬」です。みなさんも教科書で習っていますが、
むかし、とりで(塞)のそばに、占いの上手な翁が住んでいた。あるとき、その翁の大切な馬が、北の方に逃げてしまった。まわりが「お気の毒」となぐさめると、翁は「いや、これが福をもたらさないとも、限らない」と。
数ヶ月たって、逃げた馬が、とてもいい馬を連れて帰ってきた。まわりがお祝いの言葉を伝えると、翁は、「いや、これが災いを引き起こさないとも、限らない」と。
ある日、その息子が落馬して、太ももの骨を折った。まわりがお見舞いを伝えると「いや、これが福をもたらさないとも、限らない」と。
じきに、戦争になったが、翁の息子は、足が不自由だったので、戦争にかり出されずにすみ、生きながらえることができた。
という話です。
山中先生は、失敗しないと成功はできない。高く跳ぶためには低くかがむことが必要、苦しいときにはもう1歩だけ前に行くことを考えることが大事、と自らに言い聞かせて研究を進めてこられたそうです。
その山中先生は、授賞式の時に「自分にとってノーベル賞は今日でもう過去形になる」、「世界では、ノーベル賞を取ったとしても研究を進めていかなければ隅に追いやられてしまう」ともおっしゃっていました。
先生自らの経験、挫折経験も踏まえた、気持ちを切り替えながら常に前に進んで行くこと大切だ、というメッセージかと思います。
3年生は、これから2ヶ月という短い期間に、たくさん気持ちを切り替えていく経験をすることになります。最後まで諦めない心で、良い結果を自ら引き寄せていかれることを願っています。
今年もみなさんにとって、幸多き年になることを願って3学期始業式の式辞とします。
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2018.1公開