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兵庫県立神戸高等学校

2学期 始業式 式辞

県立神戸高等学校 校長  中野 憲二  


 長かった夏休みも昨日で終わり、いよいよ今日から2学期が始まりました。

 まずは大きな事件や事故がなかったこと、そして、皆さんとともにこうして2学期の始業式を行うことができることを本当にうれしく思います。

 2つお話しをします。

 1つは神高生としての活動の報告です。

 振り返るとあっという間の夏休みですが、結構、充実していたと言える人が多いのではないかと思います。

 先生方も生徒達も本当に忙しくしていましたし、本校生は、元気に勉強、部活動、学校行事に取り組んでいました。

 そんな本校生の頑張りを、全てではありませんが紹介します。

1 SSHの全国の生徒研究発表会があり、本校3年生の「効率の良いうちわの研究」が「生徒投票賞」を受賞しました。

2 部活動では、まず7月の壮行会で紹介した部ですが、

 (1) 山岳部は、全国総体で5位入賞を果たしました。全国での入賞は26年ぶりです。

 (2) ラグビー部女子では、福成さんがメンバーとなった近畿ブロックの合同チームが4位となりました。

 (3) かるた部は、長谷川さんが出場した全国総文で、兵庫県合同チームはベスト16となりました。

 次に、大会が続いていた部ですが、

 (4) 吹奏楽部が、神戸地区大会で金賞、県大会では銀賞となりました。

 (5) 合唱部は、

  ① NHK全国学校音楽コンクールの兵庫県大会で混声で金賞、9月3日の近畿ブロック大会に出場し、全国をねらいます。混声で金賞となったのは17年ぶりだそうです。

  ② さらに、全日本合唱音楽コンクール兵庫県大会に女声で出場し金賞、9月23日の関西合唱コンクールでは全国大会連続出場をねらいます。

 (6) バレー部女子2年生の仁科さんが兵庫県代表メンバーとして、来日したロシアのハバロフスクとの交流試合に出場しました。

 (7) 陸上部は、8月11日に88回目を数える伝統の神戸・兵庫・長田対抗陸上競技大会がユニバー記念陸上競技場であり、3位でした。

 (8) ラグビー部も伝統の、大阪の天王寺高校との定期戦、北野高校との定期戦(北野は合同チーム)があり、ともに本校が圧勝しています。

 その他、新チームに切り替わって、多くの部が頑張ってくれています。今後、まとまれば、アセンブリなどの機会に紹介できればと思います。

 また、行事もたくさんあり、

 ・シンガポールやマレーシアへの海外研修、国内では、東北ボランティアや、関東サイエンスツアー、東京キャピタルツアーといった研修にも取り組んでくれました。

 ・北野高校で堀川、奈良、膳所、彦根東と本校の6校で「即興型英語ディベート交流大会」があり、本校は2チームで参加し、1チームが11チーム中3位、2年生の山下さんがベストディベーター賞の1位に選ばれたりと活躍してくれました。

 ・総合理学科の説明会やオープンハイスクールでは学科の生徒の皆さんの工夫された説明、自治会を中心に、放送部、弦楽部、合唱部、箏曲部が頑張ってくれました。あとのアンケートを見ますと、生徒の皆さんの笑顔や丁寧な対応ぶりや活動、先生方の丁寧な施設案内が、非常に高い評価となっていました。おつかれさまでした。ありがとうございました。

 ・自治会はまた、体育大会や音楽会に向けて、夏休みの始めに合宿をしてフリートーキングを行い、企画や準備に取り組んでいます。もうしばらくすると成案が示される予定です。

 同じ神高生として、このような活躍、活動を共有してもらい、お互いに刺激を受けながらさらに頑張っていってくれることを期待します。

 2つめは、2学期は、それぞれ、次の段階に大きく進むためにギアを上げていく時期でもあるということです。

 それにあたって、少しお話しをしておきます。

 日本の新幹線は「SHINKANSEN」として、高速鉄道として世界をリードしていった技術です。フランス国鉄のTGVなどの他国の高速鉄道は、日本の新幹線開通をみてから構想されていったものです。

 この新幹線開通には2人のリーダーがおり、1人は十河信二国鉄総裁ですが、もう1人の島秀雄という、技術者としてリードしていった人のことを少し紹介します。なお、D51という有名な蒸気機関車がありますが、島さんは、その開発にも関わった人です。

 新幹線については、昭和34年に国会で予算を認められてから、昭和39年10月の東京オリンピックまでの5年半で開業しなければならず、工期の遅れや、事故は絶対に許されない状況がありました

 この課題に対して、島さんは「未経験の新技術は原則として使わない」という方針を貫いたとのことです。「新幹線」ですので、きっと先進的な技術が使われていったと思うのが普通ですが、意外なことです。

 逆に言えば、日本にそれまで蓄積されていた技術を集大成すれば、高速列車は十分に実現できる、との自信があったことになります。

 たしかに、他国では重大な事故を起こした高速鉄道もある中、日本の新幹線は開業以来50年以上、一度も重大な事故を起こしていません。海外には安全性のノウハウも含めて輸出されまでになっています。技術を応用し確実に実用化していくためには、失敗や挫折も含めて、いかにそれまでの蓄積が大切かということです。

 さて、3年生は、進路実現に向けてギアをあげていかねばなりません。これまでの1、2年生の学習、夏休みに頑張った学習の蓄積があります。2学期はそれが定着し、応用できるのかを確認していく時期でもあります。

 自分のポテンシャル、これまで頑張ってきた自分を信じて頑張って下さい。

 そして1,2年生は、1年半後、2年半後を見据えながら勉強でも、学校行事でも、部活動でも経験や力を蓄えていく大切な時期となります。

 自分だけで頑張るのではなく、周りも頑張っているということにも刺激を受けながら、それぞれ次のステップにつながる充実した学期になることを願って、始業式の式辞とします。

 


 

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2017.9公開

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