41.アミノ酸の分析

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[目的]ペーパークロマトグラフィーによって食品中のアミノ酸を調べる。
[領域]化学:タンパク質
[準備]試料 ろ紙 ゴム栓 試験管 展開液 発色剤
[操作]
 1)試料を用意し、ろ紙にスポットをつけ展開させる。
 2)展開が終わったらろ紙を風乾させ発色剤を吹き付ける。
 3)ろ紙を加熱乾燥後、Rf値を計算しアミノ酸の種類を確認する。
[留意点・工夫点]
試料は醤油、スタミナドリンク、コンソメスープ、味の素、鰹節など。液体試料はそのまま使用し、固体試料は15gを水100mlに溶かしろ過して使う。
出し汁はいろいろなアミノ酸が混ざってうまみを作り出している。
アミノ酸の分離に用いられる展開液には多くの種類がある。そのうち次のものがよく使われる。
@)フェノール:水=80g:20g
A)ブタノール:酢酸:水=40ml:10ml:10ml
Aの展開液はRf値0.2〜0.3のアミノ酸の分離がわかりにくいが、Rf値の高いアミノ酸の検出には適している。@の展開液は一般に分離がよい。
発色剤は、ニンヒドリン0.2g/ エタノール100ml
ろ紙の加熱乾燥は90℃の乾燥器に5分間入れるとよい。ヘアードライヤーを使うのもよい。
Rf値は、温度、ろ紙の含有水分によって同じ展開液でも違ってくるので、標準アミノ酸対照を並べてスポットしておく必要がある。
ペーパークロマトグラフィーの操作法は生物「色素の分離」を参照。
タンパク質を加水分解すると構成アミノ酸の混合物が得られ、二次元ペーパークロマトグラフィーやイオン交換クロマトグラフィーなどの方法で、各アミノ酸を分別、単離することができる。
各種アミノ酸のRf値と色調(フェノール・水の展開液のもの)
アミノ酸Rf値ニンヒドリンでの色調
アスパラギン酸0.12青みがかった紫
シスチン0.13
グルタミン酸0.20
グリシン0.42赤みがかった紫
アラニン0.60
メチオニン0.83
ロイシン0.86赤みがかった紫
プロリン0.89

[参考文献]「生物の実験法」 石田寿老  佐藤重平 編 (裳華房)
[関連実験]タンパク質の性質
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