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科目「日本の文化」第2回構想委員会審議経過
平成18年5月11日(木)
構想委員会議事録(審議経過)のHP公開について
・構想委員会の審議経過について、高校教育課のHPにその内容をアップロードすることについて、承認を得た。
・審議経過と同時に、事業の実施要項や構想委員会の名簿についてもアップロードする。
単位数、科目の目標、具体的な単元構成、教材のイメージについて
○事務局および幹事会からの提案
・単位数は2単位とする。単元は大きく分けて、生活文化、伝統文化、地域文化とそれに加えて、現代の日本について外国人に伝えるという観点から国際交流という分野も考える。
・外国人が、日本の現代の科学技術や現代の生活について興味があることも考慮し、「世界の中の日本」という、発信型の大単元にする意味合いで、国際交流の分野を“Japan Now”という名称にした。
・教材については、各単元4ページを基本として作成する。実際教材は多くの方々に、別々に作成いただくことになるので、ある程度形式を決めておく必要がある。たとえば、後半の2ページを使ってプリント学習が可能になる。その説明が前半の2ページということである。
○委員会での意見
単元構成について 単元構成(案)はこちらから
・内容構成の考え方として、兵庫県の5つの地域ごとをベースにしてはどうか。
・地域の取り扱いは、伝統文化と地域文化の単元でやりたい。日本の文化が地域にどう根付いているかについて子供達に伝えたいからである。伝統文化の分野では日本の文化について考えたい。地域文化の分野で、兵庫県独自のものを全国のものと並行して考えていきたい。特に郷土の文化は消えつつある。便利になればなるほど、地域性は薄れている。だからこそ、生徒にはいいものを見せてやりたい。映像で生徒に見せることも効果的である。
・地域ごとで分けるとすれば、ひとつの地域の中での関連性を考えることになる。地理でいえば系統地理と地誌の違いということか。科目全体の性格を考えれば、系統地理的な構成の方がよいのではないか。例えばやきものであれば、まずやきものがあって、具体的にあげていく中でそれぞれの地域が取り上げられる。生徒にはその方が理解しやすいのではないか。
・兵庫県は5つの顔があり、生徒たちにはまず兵庫県をベースにしたものから始めるのが良いのではないか。全県の高等学校での使用を考えて、どの地域を取り上げても、兵庫県のことがわかるような内容である必要がある。
・身近なところ(地域文化)から入るというのもひとつの手法である。伝統文化の分野でも、身近な地域文化を取り扱うことはある。全体から入っていても、実際の授業では地域のことを導入にするのではないか。
・地域文化の単元は全て触れるのではなく、先生方で選択すればよいのではないか。姫路城にしても、住んでいる場所でその持つ意味が異なる。学習者の感じる地域は意外に狭い。
・外国人にどのような文化を紹介したり、説明したりできるのかと考える。また海外に行ったときにどのような日本文化を紹介できるのかと考える。授業をすることで、こんな文化がある、こんな文化を紹介できるということを生徒に意識させることができるのではないか。英語で紹介、というのは難しそうだが、生徒が自分たちで考えればいいことであって、辞書を引きながら考えるのも勉強である。
・体験というのも、生徒にどうやって体験させればよいのかと考える。折り紙ならまだしも、能や狂言、太鼓など、どうやったら生徒に体験させられるのだろうか。そのためにだけ講師を呼ぶのか、ということまでも考えてしまう。
・体験については、地域のボランティアとして登録しているような所もある。それが不可能であれば、映像教材を見せるだけでもよい。こうあらねばならないというものではない。
・内容によっても異なる。体得することが大切なものもあれば、見るだけで終わってもよいものもある。地域の資源がどの程度かということにもよる。座布団一枚持ってきても、どちらが表かということを生徒は知らない。ほんのちょっとしたことでも体験の材料になる。
・高等学校には特別非常勤講師制度という、学校の教師だけでは扱えないことを教えていただく制度を実施している。地域の人的な資源を活用するということであれば、そのような資料も入れていけばよいのではないか。
“Japan Now”について
・“Japan Now”という名称は、なかなか面白いのではないか。月並みなものではなく、ひとつぐらいはこういうものがあってもいいと思う。
・この科目では、伝統的なものを取り上げるのもいいし、現代の日本を取り上げるのもいい。全体構成としてはこれでよい。庭園ということになれば、同じ庭園でも、日本人の考え方と、外国人のとらえ方では異なる。“Japan Now”で取り上げて、どこが異なるのかということを考えれば、日本人のアイデンティティを考える上で有効ではないか。
・“Japan Now”に上がっているのは、日本の特殊性である。ひとつの文化に対するとらえ方のニュアンスの違いを表現できればいいのではないか。人形浄瑠璃にしても、日本人にとっては伝統的なものであるが、外国人とっては新たなテクノロジーの基礎と見える場合もある。
・外国人から日本を見ると、まず現代社会、“Japan Now”から入る。ところが、いたるところに自分にはわからない伝統的なことがたくさんあることに気づく。単元の順番は“Japan Now”が前のほうがよいのではないか。
・教材は教師が持っていて、生徒へはプリントにして配布するので、順番はどちらでもよい。
地域の文化施設の活用について
・地域文化については地元の施設の視聴覚教材を積極的に活用したいと考える。県立歴史博物館と提携するという意見もある。
・県立歴史博物館では、「歴史ステーション」の愛称で、所有する資料のインターネットでの情報公開を進めている。昨年度は兵庫の祭りを取り上げた。この機会に高校教育の教材としてコンテンツを利用することも検討すべきである。
・地域文化の教材資料として、県立歴史博物館や文学館から、インターネット上で活用可能な情報を得ることが可能である。そこから積極的にアイデアをふくらませられるように取り組んでいくのが良いのではないか。
教材開発委員会について
○事務局からの提案
・単元の内容についてある程度決定したので、これをもとにそれぞれの分野のご専門の先生や造詣の深い先生方、すでに授業実践をされている先生方を、委員の先生、幹事の先生に推薦いただく。その後推薦いただいた方々を、事務局でまとめた後、案として第3回構想委員会に報告させていただく。その後本委員会で了承を得て、教育長から正式に委嘱したいと考えている。