授業の流れ

学習・教材資料

中学校技術・家庭科(技術分野) 第2学年

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、生徒の生活圏でも店舗を中心に人との接触を減らし、より効率的に応対するためにAIやロボティクスなど自動化の技術が整備されはじめ、こうした技術が生徒にとって身近なものとなっている。反面、人との非接触が求められていることから、学校生活でのコミュニケーションの機会の減少が大きな社会問題となっている。
 そこで、こうした「コロナ禍における生活上の問題」について課題を設定し、モバイル型ロボット「ロボホン」を通して、D-2「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決」に取り組んでいく。
 本単元では、課題「ロボホンを使ってみんなを笑顔にしよう」をテーマに設定し、2体のロボホンを使った「漫才」のプログラムを作成する。4人1組で漫才の掛け合いのタイミング等を試行錯誤する中で、プログラミングアプリの基本的な操作やプログラムの情報処理の手順や構造について学ぶことができる。 また、作業の中でロボホンに搭載されている様々なセンサーに気づかせ、次時のD-3「計測・制御のプログラミング」の単元への円滑な接続を図る。 本校では、この後のD-3「計測・制御のプログラミング」にmicro:bitを活用する。(参考:R2micro:bitを利用した実践事例)
 プログラムの作成に使用したGIGA端末は、他にも漫才の台本作成、プログラムしたロボホンの撮影、発表スライドの作成など単元全体を通して活用した。

ロボホンでみんなを笑顔にしよう。 D-1「生活や社会を支える情報の技術」D-2「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決」

配布プリント

ソフトウェア・教材等

RoBoHoN(1台/2人)

ロブリック(プログラミングソフト)

※RoBoHoNがなくても、ロブリックを使うとロボホンへのプログラミング体験が可能(SHARP Webサイトへリンク)

中学校技術科のねらい

・情報を表現する特性や基礎的な技術の仕組みについて理解を深める。(知識・技能)
・問題を解決するシステムを考え、制作することができる。(思考・判断・表現)

学習指導案

【単元の流れ】※( )内の数字は時間数

【本時の学習】(4/5時間)
※マウスポインターを近づけると授業のポイントが現れます

単元計画

1 身近な社会生活等で利用されている情報の技術に関する基礎的な技術の仕組みを知る。(計1時間)

2-1 ロボホンの操作・接続方法を知り,プログラム通りに動作させる。

2-2 身近な社会生活等で利用されている情報の技術に関する基礎的な技術の仕組みを知る。(計1時間)

3 ロボホンを思い通りに動作させる簡単なプログラムを考え、作成をする。(計1時間)

4-1 身近な問題を解決するシステムを構築する。(本時)

4-2 情報を表現する特性や基礎的な技術の仕組みについて理解を深める。(計1時間)

5-1 問題を解決するプログラムの改善をする。

5-2 情報の技術に関する原理や法則を理解し、技術の見方・考え方に気づく。(計1時間)


学習活動

導入

1 前時までの学習内容を確認する。
・ロボホンの機能や操作方法の確認

展開

2 ロボホンを使い、コロナ禍での生活上の問題を解決するシステムの構想をする。
(1) 前時までに考えたプログラムについて考えを深める。
(2) ペアやグループで思考錯誤しながら問題と解決策を考える。
3 構想したものを参考に、プログラムを作成する。(試作する) (1)コンピュータでプログラムを作成する。
(2)機器をつなぎプログラム通りに動作したかを確認する。
(3)作成したプログラムを説明し合い、改善のアイディアを考える。

振り返り

4 システムを考え、プログラムを作成した感想を書く。


児童生徒の活動

作成したプログラム・生徒の作品

活動の様子

授業者の声


 今回、生徒の大好きな「漫才」とコロナ禍でのコミュニケーションという身近なテーマを設定したことで、どの子も夢中になって作業に取り組んでいたのが印象的でした。
 また、ロボホンが持つ人型の親しみやすいデザインがプログラミングのハードルを下げ、次の単元で使用するmicro:bitへ以前よりスムーズに移行することができたのがよかったです。
 こうした探求的な学びの場を設定した時にICTを活用すると、生徒が進んで課題を撮影し、発表スライドを作成、作成したデータをグループで共有するなど最大限に端末を生かす姿が見られました。
 今後も生徒が夢中になれる授業を実践していきたいです。

姫路市立飾磨中部中学校 前田 修児