授業の流れ

学習・教材資料

中学校技術・家庭科(技術分野) 第2学年

  情報の技術の見方・考え方を働かせた実践的・体験的なハンドソープディスペンサー開発を通して、 生活や社会で利用されている情報の技術についての基礎的な理解を図り、それらに係る技能を身に付け,情報の技術と生活や社会、環境との関わりについて理解を深めるとともに、生活や社会の中から情報の技術に関わる問題を見いだして課題を設定し解決する力、 よりよい生活や持続可能な社会の構築に向けて,適切かつ誠実に情報の技術を工夫し創造しようとする実践的な態度を育成することをねらいとしている。
 本単元では、今年導入されたGIGAスクール端末とLEGO Spikeプライムを利用し、「コロナ禍を乗り切る技術」を題材にして、生徒が設定した課題「手を洗う場合に、列に並ぶことで密になること」「スイッチ等に触れることでウイルス感染が心配されること」を 解決するソープディスペンサーの開発を行うこととした。
 課題を設定する際に、省エネや環境についての視点を加え、「C エネルギー変換に関する技術(動力の伝達)」と「D 情報の技術(計測と制御)」の統合的な問題解決を目指した。

コロナ禍を乗り切る技術(開隆堂) ~統合的な課題解決を目指して~ D-3情報の技術「計測と制御」(関連:Cエネルギー変換の技術)

配布プリント

〇生徒用シート Word   PDF

ソフトウェア・教材等

LEGO SPIKEプライム(1台/4人)

中学校技術科のねらい

・計測・制御の仕組みを理解し、簡単なプログラムの制作、動作の確認及びデバッグ等ができる。(知識・技能)
・安全・適切なプログラムの制作、動作の確認及びデバッグ等ができる。(知識・技能)
・入出力されるデータの流れをもとに解決策となる計測・制御システムを構想し、情報処理の手順を具体化することができる。(思考・判断・表現)
・制作工程表に基づき、設計と実際の動作を確認しながら、合理的な解決作業を考えることができる。(思考・判断・表現)
・自分なりの新しい考え方や捉え方によって、解決策を構想しようとしている。(主体的に学習に取り組む態度)
・自らの問題解決とその過程を振り返り、よりよいものとなるよう改善・修正しようとしている。(主体的に学習に取り組む態度)

学習指導案

【単元の流れ】※( )内の数字は時間数

【本時の学習】(3/5時間)
※マウスポインターを近づけると授業のポイントが現れます

単元計画

1 計測・制御の仕組みを理解しよう(計1時間)

・身の回りの機器と計測・制御のしくみについて知る。

2 情報処理の手順とプログラムを理解しよう(計1時間)

・コンピュータを用いた計測・制御のしくみについて知る。

3・4 身近な生活の中でコロナ感染症を予防する技術として、グループでの協働実験を通して、プログラムや機構の工夫を考え、最適なソープディスペンサーを開発することができる。(計2時間)

・課題の設定
・設計・製作
・評価・改善

5 よりよい生活の実現に向けて、計測・制御の技術を活用しよう(計1時間)

・自らや将来の課題と照らし合わせ、計測・制御の技術を活かす方法を考える。


学習活動

導入

1 学習活動
(1)これまでの学習を振り返る。
(2)本時の目標を確認する。
「最適な機構を使用して、ソープディスペンサーを開発する。」
(3)役割の確認(グループ学習3~4名)をする。

展開1

2 「グループによる課題検証」
・LEGOの組み立て(動力の伝達)グループとプログラミング(環境の視点)グループに分かれて「動力の伝達」を3種類検証する。
・考えた工夫点をワークシートに記入する。
point!
「Cエネルギー変換の技術」で学んだ動力の伝達の学習を振り替えり、
ポンプを力強く押す機構を探らせる。
 

展開2

3 「共有した検証結果をもとに、ソープディスペンサーを開発」
・トライアンドエラーで挑戦する。

・最適な動力の伝達方法とプログラミングを共有する。

・完成したものを実演しながら、プレゼンを行い、動画に残す。

振り返り

4 学習を振り返る。
・本時の振り返りをする。

・次時の課題を確認する。


児童生徒の活動

作成したプログラム・生徒の作品

活動の様子

授業者の声


 「生徒に最適化を考えさせる授業」構成にするため、昨年度の実践をベースに、課題を「最適なソープディスペンサー製作」に変更しました。また、記録や情報共有にGIGA端末を活用しました。
 生徒は製作の中で、「液の量」「人感センサーの取り付け位置」「強度」について当初の想定と比較し妥当かを検討する姿が見ることができました。他班の情報を参考にグループで試行錯誤する姿は、グループとしての最適化をめざす姿であり、昨年度よりも課題を自分事として捉えられた授業だったと思います。
 課題は、今後の授業展開です。単元の終末に、より最適化したソープディスペンサーづくりを再度行わせるか、同じセンサーや機構を使い、各自の課題を解決する新たなロボットを作成させるか等、複数の展開が考えられます。生徒の実態、授業数等を考慮し、より学びの大きい授業展開となるよう検討していきたいです。
 GIGA端末を活用したまとめ活動は、既習学習を簡単に想起することができ大変有効でした。また、班で撮影した作品のプレゼンテーション動画はいつでも見返すことがででき、生徒の個別評価にも大いに役立ちました。
 今後も、GIGA端末を積極的に活用し、生徒の情報活用能力を育成していきたいと思います。

西宮市立浜脇中学校 羽田 基宏