授業の流れ
学習・教材資料
本単元では、日本の音楽や演奏で使われる楽器の音色に親しんだり、日本の音階の音を使って旋律をつくったりする。旋律づくりでは、音の動きや反復を生かして、思いや意図を持ってまとまりを意識した
旋律をつくることができるようにする。
本時では、「Scratch3.0」を利用し、旋律をつくる。「Scratch3.0」では、旋律をプログラムするとコンピュータが自動で演奏してくれるため、演奏や読譜な苦手な児童にとっては無理なく音楽づくりの学習に取り組むことができ、意欲の向上に繋がる。
また、何度も再生できる良さがあり、プラグラムの組み方を変え、旋律のつながりを様々に試すことができる。個人で作成した旋律をペアで組み替えながら繋ぎ合わせることで、より納得する旋律をつくるための試行錯誤の過程が生まれ、
学習のねらいである「まとまりのある旋律」について考えられるようになる。
本単元に、プログラミングの活動を取り入れることで、音楽づくりに興味を持ち、日本の音楽について理解を深めることができると考えている。
プログラミング教育のねらい
・プログラミングを用いて、試行錯誤しながら旋律の組み合わせを考え改善していく。(資質能力体系表 2イ①)
学習指導案
【単元の流れ】※( )内の数字は時間数
【本時の学習】(4/5時間)
※マウスポインターを近づけると授業のポイントが現れます
単元計画
1 日本の楽器に親しもう。(計1時間)
・「さくらさくら」を鑑賞し、琴の音色を味わい、日本の音階の特徴を感じ取る。2 5つの音で、旋律をつくろう。(計4時間)
・旋律のつくり方を知り、Scracthを使っで旋律をつくる。【旋律】(1)学習活動
導入
1 本時のめあてを確認し見通しをもつ。
めあて:「くり返しを使って、まとまりのある8小節のせんりつをつくろう」
※教師が繰り返しを使ったまとまりのない旋律を示すことで、どのように繰り返すかに思考を焦点化する。
展開
2 二人で旋律をつなげて8小節の旋律をつくる。
(1)どのような順番で旋律をつなげたらよいか考え、8小節の旋律をつくる。
(2)繰り返しをつかったまとまりのある旋律を聴いて、その良さを話し合う。
(3)導入で示した教師が作成した旋律を改善する。
(4)ペアで作成した旋律を評価・改善する。
(5)なぜその旋律の順番にしたのか、理由(思いや意図)をワークシートに記入する。
point!
・旋律カードを並べ替え、音の動きを視覚的に表示することで、旋律の流れをイメージさせる。
・くり返しを使ったまとまりのある旋律を全体で共有することで、くり返しを使う良さを考えさせる。
・教師が作成した旋律を改善することで、自分たちの旋律をより良いものにしようとする意識を高める。
振り返り
3 学習を振り返る。
・振り返りシートを記入する。
児童生徒の活動
作成したプログラム・児童の作品
活動の様子
授業後の児童の感想
振り返りワークシートより
・日本の音楽のつながりや、音に気をつけて楽しく旋律がつくれました。「ここは、少し変えたらいいんじゃない?」とお互いの意見を入れてできました。
・最初と最後がつながるようにして、真ん中が盛り上がるようにがんばった。最後を繰り返しにして印象に残るようにしようと、友だちとしっかり話し合うことができました。
・どうしたら滑らかなメロディになったり、盛り上がったり、二人の旋律がつながったりできるのだろうと考えながらプログラミングをしました。
・どうすればめあてに近づくのか、どうすれば印象的になるのか、相手がどう受けとるかというのを想像しながら取り組みました。
授業者の声
今までは、指定された5音を使って、子ども達がリコーダーで演奏し確かめながら旋律づくりをしていたため、演奏しながら旋律を確認するという2つの処理を同時にする必要がありましたが、Scratchの活用により、
イメージに近い旋律をつくることができたり自動演奏で聴いたりできるため、まとまりのある旋律をつくるという学習のねらいに迫ることができました。また、つくった旋律はクラウド上に保存し、ペアで並び替えたり繰り返しながら何度も聴いたりできるので、
子ども達は話し合いながら自分たちが納得するまでまとまりのある旋律をつくろうとしていました。
Scratchの音楽機能では音符は数字で表されるため、児童用ワークシートには階名ではなく数字を書くことで並び替えたときに判別がしやすかったです。
今後は、4年生だけでなく、3年生や5年生でもScracthを使って作曲してみたいです。
丹波市立西小学校 麻田 晴菜