インパク会場

第二章 片思い


「そっか・・・。話してくれてありがとう。最近元気がなかったらから心配しとってん」
「・・・ちょっと待って。彗って名前だよね。それに星野彗?その子なら私知ってる。
お兄ちゃんの友達だもん。よく家に来るから、話くらいなら・・・」
「マジでっ!!」
キーンコーンカーンコーン・・・。キーンコーンカーンコーン・・・。
五時間目のチャイムが私の叫び声をさえぎった。
「やっばー♪移動教室だ」
雪は混乱している。私を置いて急いで走っていった。何かを考えている。イタズラ、子のような笑顔を残して―。 残された私は上の空だった。その授業中も一人でニヤけたり落ち込んだり・・・。希望を不安が交差していた。先生はそんな私を白い目で見ていたのは言うまでもない。

次の日―。
雪と相談した結果、雨に濡れていたあの生徒手帳を返しに行くことにした。 3年の廊下に行ったけど周りの目が気になって声をかけることができず、雪の制服を引っ張って無理矢理連れ戻した。
「なにすんの!!」
雪はキレたが、私は恥ずかしさと緊張で雪の肩を何十回もたたくことしかできなかった。 そんな私に
「どうすんの?そんなんだったら私・・・もう知らん。自分でどうにかし―いっ!!!」
その言葉で私は逆ギレした。
「どうして私の気持ちわかってくれらんの?・・・もう、いい!一人でどないかするわっ!!!」
その日はずっと・・・。雪とは口をきいてないまま放課後を迎えた。 ・・・雪には大口をたたいたものの、結局何もできなかった。 そしてゆっくり帰り出した。
そのとき、
「彗っておもしろ〜〜い♪」
「えっ???」
すると目の中に飛び込んできたのは愛しの彼といちゃつく髪の長いキャシャな女の子だった。

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