真夏の夜の幻影 (2/15)
作者:CROW
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薄暗い森、不気味な獣もとい東堂の叫び声、そして異常に明るい約2名・・・。 「なぁ、二人とも緊張感というものは無いのか?」 俺こと斎藤は前を行く陽気にゲームの話をしている杉沼と瓜生に話しかける。 「あたりまえやん。」「なめてんじゃねえ俺をだれだと・・・。」 二人とも口々に言う。 「全く・・・りゅう(東堂)も人騒がせな・・・・。」横を行く俺もグチをもらす。 (はぁ、りゅう・・・無事でいろよ・・・、じゃないと帰りの荷物持ちとテント畳み誰がやんねん。) 俺は東堂のことを心配しながらも少しずつ夜の森を探索する。 そのときだった。 「ん?なんだこれは?」「気のせいだ。」 結城と瓜生の会話が聞こえる。 なんだと思って駆けつけて見ると、そこにはなにかが荒々しくひきずられたような 跡がさらに森の奥の方へと続いていた・・・。 「何コレ?」そういいながら俺達はその跡を追ってさらに森の奥深くへと進む。 しばらく歩くとその跡の上に、東堂が先ほどまで着ていたジージャンが無残にも 引き裂かれていた・・・・その衣服には間違いなく血痕が残っていた・・・。 「なぁ、やっぱこれってりゅうのやんな?」 俺が皆に聞くためにクルリと後ろを向くとそこにはすでに誰もいなかった・・・。 「・・・・・・裏切ったな〜〜〜〜〜。」 多少怖い気もしたがしかたなくその跡を追って歩き続ける。 夜の匂いがしだいに濃くなっていくにつれて、先ほどまで感じなかった 獣達の視線を感じる・・・そう、 この島では森にだけ実はたくさんの獣達が生息しているのだ。 理由は良く知らないがなぜかこの獣達は森の中からは出て来ないのだ。 そのため幽霊騒ぎは起こるものの、獣達による被害は報告されていない。 そんなことを考えながら歩いていると急に俺は立ち止まることになった。 なぜか?そう俺が東堂を追ってこれた唯一の手掛かり、何かがひきずられた跡が いきなりプツンと、まるで雪原で突然足跡が消えているかのようにきれいさっぱりと 消えていたのだ・・・気味が悪いぐらいにプツン・・・・・と。 しかたなく俺は今まで追ってきた跡をもう一度たどり裏切り者達が待つテントへと 帰り始めた。 帰り道は何もなくすんなりと帰れたが、テントで待っていたのは非情な現実だった。 「あ、やっとたくさん(斎藤)帰ってきたな、はい。」 帰ってくるなり結城に渡された皿を見てみると、そこにはなんとまたワニ肉が大量にのっていた・・・。 |