化学教育兵庫サークル 第24号


研究会の内容

  1. 期日・場所・参加者

    期 日:平成9年6月14日(土)14時00分〜17時30分
    場 所:神戸大学 発達科学部
    参加者:北川(御影),中澤(須磨東),内田(東洋大附属姫路),安岡(御影),浅井(尼崎西),谷口
        (尼崎稲園),土井(東播工),水野(明石城西),今濱(赤塚山),池野(小野),吉田(川西),
        中西,小林(神戸大学大学院生),鈴木(東書)
    
    〔順不同,敬称略〕

  2. 巻頭言

    「理科離れ」に思うこと
    武庫川女子大学附属高校 芝崎 眞光

     世の中では,「理科離れ」とか「理科嫌い」という言葉が氾濫し,何とか生徒たちを理科の世界に
    取り戻そうとする感があります。でも,本当に子供たちは理科が嫌いなのでしょうか。先般も,私の
    勤めている学校で銀鏡反応の実験をさせましたところ,生徒たちは嬉々として実験をし,どうすれば
    銀の定着がよくなるかを授業中だけでなく放課後までも多くの生徒が遅くまで残って温度条件,触媒
    条件,濃度など自分たちで場合分けし,その結果たった1p2程の小さい鏡だけれどきれいな鏡を,そ
    れはそれは大切そうに,手を切らぬように縁を磨いて1枚ずつ持って帰りました。
     「卒業記念に鏡を持って帰ろうか」この一言だけで,子供たちの心は動くのです。
    そして,動き出したら,それこそ止めることもできないくらい進み始めます。子供たちの心の中に「理
    科を愛する心」は生まれたときから根付いているのだと思います。
     「理科嫌い」を作る問題点は,子供たちによるものではなく,実験を多くさせると講義時間が減少し,
    受験に響くと責められるのではということ。それに実験によって,もし事故が起きれば・・・やっぱり
    その責務から逃れられない事にもあるのではないでしょうか。もしそうなら,今の世の中では実験を減
    らそうという先生が増えてもおかしくはありません。
     でも,だから実験をしないのか,それでもやるぞという仲間に多く出会え,心から喜んでいます。
     でも,実験には常に危険がつきものです。教師のたゆまぬ努力と,その心を大切にはぐくむ教育界
    の支援がなによりもたいせつですネ。
  3. 連絡など

     ・「おもしろビデオ」VTR機器購入と第1回撮影計画について
    
     ・「青少年のための科学の祭典神戸大会」出展依頼について
    
     ・「青少年のための科学の祭典神戸大会」実行委員会報告
    
     ・「21世紀に向けてのライフスキル」と「自然環境問題や情報
       環境問題等の高等教育における位置づけ」のアンケート依頼
    
     ・夏休み中にspring8の見学会を予定
       夏休み中は動いておらず内部に入れるので,理化学研究所の
      方から説明を受けることができます。
       日程は,8月初旬の予定です?
    
     ・8月の通常の研究会はありません。
       各自で研究会等に参加していただき9月,10月の研究会で報
      告してください。「化学の招待」等へ積極的に参加して下さい。
    
    
  4. 研究協議

    @ 電気化学に関する教科書記述の再点検(安岡)

     「化学と教育」の記事から。イオン化列と電気分解について,現行の教科書の記述
    に無理があるということで,話題になった。電気化学については,これから教科書の
    内容も大きく変化しそうである。
    
    A 「クロスカリキュラムとその運営」研究会(第18回ChEC研究会)の参加報告(北川)
     学校をあげて,全教科で取り組むのは難しいが,化学の授業の中でも是非取り上げ
    ていきたい内容だと思います。
    
    B 「観察実験指導力向上講座」を受講して(小西)
     ・アルコールによるペットボトルロケット
     ・椅子の脚ゴムを利用した,水蒸気による空き缶つぶし
     ・チオ硫酸ナトリウムによる,液体−固体の潜熱の体験
    以上3つの実験をやって見せていただいた。どれも簡単なので是非授業でやってみた
    い実験である。
    
    C 気体の圧力と体積(北川)
     100(ml)ガラス製注射器とヘルスメーターで測定し,きれいな双曲線グラフになる
    。これも是非授業でやってみたい実験である。
    
  5. 報告その他

    @ NSTA(National Science Teachers Association)の参加報告(安岡)

    A ChEC Hyogo化学教育兵庫サークル」MALAYSIA通信 第八号(栗岡)

    B 「ChEC Hyogo化学教育兵庫サークル」MALAYSIA通信 第九号(栗岡)

    C ケニアのナイロビよりChECの皆様へ(瀧川)

  6. 第20回研究会のご案内

    期 日:平成9年2月22日(第四土曜日)14時00分より
    場 所:神戸大学発達科学部会議室
    内 容:「STS教育と中教審の総合的な学習活動
                  −高等学校における課題−」
    講 師:野上 智行 神戸大学発達科学部教授
    
     今後の教育の方針を探れるよい機会だと思います。お知り合いの先生方にも声を
    かけてお誘いあわせのうえ,参加しましょう。
    
  7. 第20回研究会のご案内

    期 日:平成9年2月22日(第四土曜日)14時00分より
    場 所:神戸大学 発達科学部 会議室
    内 容:講演会(講師 野上智行)
        「STS教育と中教審の総合的学習活動」
    
  8. 第21回研究会のご案内

    期 日:平成9年3月8日(第二土曜日) 13時30分より
    場 所:神戸大学発達科学部(旧教育学部)
        教室については当日正門を入ったところに案内板を置き連絡します。
        【住所】神戸市灘区鶴甲3丁目11番
          阪神御影,JR六甲道,阪急六甲のいずれかにより,神戸市バス36系
          等鶴甲団地行きに乗車して発達科学部教育学部前にて下車。
    
  9. 編集後記

     遅ればせながら,新年おめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。こ
    の度,私は生徒の試合と重なり研究会に参加できませんでした。参加できなくてもそ
    の時の情報を選られ,また,次回には何の気兼ねもなく参加できる会の雰囲気を素晴
    らしく思います。
     また,マレーシア通信,ナイロビ通信を読む度に,海外から日本を見ることの大切
    さ,それによる視野の広がりを感じます。私も一度経験してみたいと思います。
     本年も,会員の先生方のご健康とご活躍をお祈りいたしております。
                                     T&T
    

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