化学教育兵庫サークル 第20号


研究会の内容

  1. 期日・場所・参加者

    期 日:平成9年2月22日(土)14時00分〜17時30分
    場 所:神戸大学 発達科学部
    参加者:北川(御影),中澤(兵庫),中林(兵庫),内田(東洋大姫路附属)
        安岡(尼崎稲園),安岡(神戸薬大),浅井(東播磨),中(鈴蘭台)
        千脇(山崎),清水(星陵),芝崎(武庫川女子大附属)
        寺岡(須磨友が丘),谷川(柏原),
        斉藤,中西,小林(神戸大学大学院生),服部(大日本図書)
        鈴木,鎌田(東京書籍),兵庫物理サークル
    
                            〔順不同,敬称略〕

  2. STSとは何か

     STSの名称の意味を的確に示す方法はないかと様々に考えたが,結論として,ジョン・
    ザイマンによる説明を採用することとした。ザイマンはSTSを次のように述べている。
        「科学の社会学」「科学の科学」「科学と社会」「科学の社会的責任」
        「科学論」「科学政策学」「社会的文脈における科学」「科学概論」
        「科学と技術の社会的関係」「歴史・哲学・科学社会学・技術・知識」等々,
        平面なものや手の込んだものもあるが,多くの異なった呼び名で通用する一
        つのテーマがある。私たちは,隠語的表現であるが,これをSTSと呼ぼう。
        これは「科学・技術・社会(Science, Technology  &  Society)を縮めたもの
        である。
     このSTSは確立されたものとは言えない。小川正賢も述べているように,「STSとい
    うのはまだ確立された概念ではない。STSにかかわる人々の間でも,STSとは何かとい
    う点に関するコンセンサスは得られていないし,あえてそうしようともしていないの
    が実情である。」もし,STSが科学論であるならば,それは「科学」と称されるものが
    人間社会に認知され始めたころから存在することになる。それをどこまで遡るかは科
    学史研究者の仕事のひとつとなる。
          
    
    
  3. 連絡など

     ・第21回研究会
       3月8日(土) 14:00より  
       神戸大学発達科学部にて実施。
     
     ・5月の研究会で東大の渡辺 正 先生の講演と協議を計画しています。渡辺先生
      は,教科書の「電気分解」の記述・内容について以前より疑問をもたれたいまし
      た。先生のご意見により教科書の内容が変更される見通しです。
    
       ・栗岡先生(現在 マレーシア大学)が,3月14日に一時帰国されます。滞在期
      間は約1ヶ月の予定です。その期間に一度集まって,マレーシアの話などを聞き
      ませんか。
    
  4. 講演会について

       講演会は兵庫物理サークルと合同で計画しました。とても興味深く, 考えさせられるお話でした。   

  5. 研究協議

    講演会の後,兵庫物理サークルの方と研究協議を行いました。

    @ 化学TAにおける環境教育の実践報告(安岡  尼崎稲園)

     大変よくまとまっており,環境教育ということで筋の通った構成で,しかもどの教
    案も他の教師にも実践可能なようにできている。多くの物理の先生から,教材を使わ
    してほしいとの申し出があった。
    
    
    A ラドンと地震(安岡  神戸薬科大)
     別紙資料の中にある図などを,OHPを使い数多くの写真等を見せていただきながら,
    大変わかりやすく説明していただいた。
     今後,地震予知につながることを期待したい。
    
  6. 第21回研究会のご案内

    期 日:平成9年3月8日(第二土曜日)14時00分より
    場 所:神戸大学発達科学部(旧教育学部)
        (教室については,当日正門を入ったところに案内板を置き連絡します。)
        [住所] 神戸市灘区鶴甲3丁目11番
        阪神御影,JR六甲道,阪急六甲のいずれかにより,神戸市バス36系統鶴甲
        団地行きに乗車して発達科学部教育学部前にて下車
    
  7. 編集後記

     今回は,兵庫物理サークルの方と合同の研究会をもちました。最近では専門が化学
    であるからといって,化学だけを教えておけばよいということが言えなくなってきま
    した。場合によっては,物理,生物を教えなければならない状況が出てきます。今回
    
    のような合同の会をもつことにより,理科の教師としての幅を広げていきたいと思い
    ます。
     また,現場だけに目を向けていると,時には視野が狭くなります。この度の講演は,
    教育全体の中で「今,何が求められているのか?」「今,何を考えていけばよいのか?」
    を考える一つの機会になったことと思います。5月には渡辺 正 先生(東京大学)
    をお迎えして「電気分解」について新しいお話しが聞けることとなりました。是非多
    くの方に参加していただきたいと思います。
    

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