期 日:平成8年11月 9日(土)13時30分〜17時00分 場 所:神戸大学 発達科学部(旧教育学部) 参加者:北川(御影),吉田(川西),浅井(東播磨),小西(小野),谷口(鳴 尾),太田(仁川学院),高田(舞子),神戸大学大学院生・研究生 〔順不同,敬称略〕
理科教育を通して 柏原高等学校 瀬川 明宏 今年度より母校である柏原高等学校に勤務しています。「これまでの経験(わずか 4年ですが・・・)を活かし,後輩の教育に・・・」と意気込んでスタートしたもの の,自らの力不足などを痛感しています。 ChEC Hyogoは,私にとっては一種のカンフル剤となっています。会報の 講読という形でしか参加できませんが,毎月「あっ!これは授業で使える」,「本当 にできるのかな?やってみよう」,「活発に研究されているな,このままでは取り残 されてしまう・・・」など思いながら会報を読ませてもらっています。 先日の新聞紙上に中学生を対象とした国際調査の結果が掲載されていました。それ によると,理科の不人気・理解の困難さが強調されていました。我が校では,生徒の 進路・興味に対応する目的で,1年の化学を理論を中心とした理論コースと無機・有 機化学を中心とした各論コースの2つに分けて授業を行っています。しかし,それで も多くの生徒が「あまり理解できない」と感じているようです。 理科は,理解力・計算力・観察力・創造力など多面的な能力が要求される”困難な ”教科です。しかし,発想を転換すれば,「このような総合的な力は”理科”を通し て身につけさせることができる」と考えられます。「知る」ことに対する情熱,「考 える」ことの大切さ,「発見する」ことの楽しさを何とか伝えていきたいと思います 。
・18回研究会は,12月14日(土)に行われる 「日本科学教育学会研究会クロスカリキュラムとその運営」に参加することにな りました。 ・忘年会を12月13日(金)の理科部会の後,18:00より三宮にて行う予定 です。
@ ガラスをつくろう(谷口)
先日の「青少年のための科学の祭典」に出展された実験に少し工夫を凝らし実演し てもらった。本当に透き通ったグリーンのとても美しいガラスの球がつくられ驚いた 。また,祭典で手伝いをした生徒がたまたま行った,生徒ならでは斬新な操作が意外 とうまくいったという話も出ておもしろかった。 実験自体,簡単に生徒に見せてやれるもので生徒の興味をひくと思える。A 物質の三態(北川)
物質の三態の分野で,氷→水→水蒸気の温度変化をみる実験は,よくやっているよ うで,実験はあまりやられていない。融点が0(℃),沸点が100(℃)ということを, 一方的に教えられ覚えているケースが多い。これを真剣にしてみるのも面白い。また ,沸騰現象にある水から吹き出す水蒸気圧と大気圧等を考えさせている。B 酸化還元反応を理解させるために(北川)
酸化還元反応の定義をただ一方的に教えるのではなく,酸素,水素の授受を銅線の 加熱,銅線と水素の反応で示し,電子の授受をICオルゴールを利用して示した実験だ った。実演されたが,電池の分野に酸化還元を入れるための実験としても利用できる。C 各高校の教育課程
教育課程は多くの高校で苦労されて組まれている。絶対的な時間数の減少に対して 教える内容の増加,一体どうすれば教科本来の目的を達成することができるのか?最 近では永遠の課題のように思われる。話しに出た幾つかをあげる。 ・新しい学力観を高校内では余り聞かない。どうしても大学受験に捕われる。 ・課題活動や探究活動はどこへ。3年次10月に教科書が終わった後にやろうとし ても演習が・・・ ・全ての理科の基礎である物理を選択する生徒が減少。しかし,1年に物理を入れ ているところが増加等々。
期 日:平成8年12月14日(第二土曜日)9時00分より 場 所:神戸大学瀧川記念学術交流会館 (神戸大学文理・農学部前) 内 容:日本科学教育学会主催「クロスカリキュラムとその運営」
期 日:平成9年1月11日(第二土曜日)13時30分より 場 所:御影高等学校 化学実験室(プレハブ校舎) (いつもは神戸大学発達科学部をお借りしていますが,今回はセンター試験 のため利用できません。)
平成8年も暮れようとしています。今年は皆様にとってよい年だったでしょうか。 色々とこの研究会で学ばせていただき,それを実際に授業で活かしていこうと思いな がら時間に追われ,思いの何分の1しか実行できなかったように思います。あそこで これをやっておればよかったと思うことが多くあります。来年は,少しでも自分の理 想の授業に近づけるように頑張りたいと思います。 会員の皆様にとって平成9年がよい年になることを願っております。