期 日:平成8年10月12日(土)13時30分〜17時00分 場 所:神戸大学 発達科学部(旧教育学部) 参加者:北川(御影),安岡(尼崎稲園),吉田(川西),浅井(東播磨),中澤 (兵庫),内田(東洋大附属姫路),水野(明石城西),谷口(鳴尾), 高田(舞子),中西,小林(神戸大学大学院生) 〔順不同,敬称略〕
学生から見たChEC Hyogo 神戸大学大学院教育学研究科 小林 武雄 ChEC Hyogoは現職の高校化学の教師が中心になって行われている化学の 研究会である。発足当初から参加させてもらって,色々驚かされた。会の内容はもち ろんのことながら,それ以上に驚き,感心するのが参加されている先生方の熱意であ る。 会は主に神戸大学発達科学部で行われているのだが,そこはあまり交通の便がいい ところではない。しかも行われる日が第2土曜日と,暇な大学生でさえ来ない日であ るにもかかわらず,お忙しいはずの先生方が貴重な休みを割いて来られるエネルギー はどこから湧いてきているのであろう。 また,毎回出てくる題材のおもしろさや不思議さもさることながら,その題材に対 する議論には圧倒される。日常と化学がうまく結びついたものの紹介や,不思議な現 象への探究心など,ひたすら感心するばかりである。ただ残念なのは,化学の専門家 が集まっているだけあって,化学オンチの者にとってはわかったようなわからないよ うな話しでいつのまにか解決している点である。しかし,このような先生に化学を教 えてもらったら,自分ももう少し化学が好きになっていたかもしれない。 たとえ化学がわからなくてもこの会に参加するだけで,非常に貴重な財産になる。 少しでも化学に興味があるなら参加して損はしない会であると思う。
・17回研究会は,11月9日(土)13時30分より神戸大学発達科学部にて 実施。 ・12月13日(金)に18回研究会と忘年会を予定しています。12月は何かと 忙しいと思いますがよろしくお願いします。 ・平成9年度笹川科学研究助成の申し込みをしました。 研究課題 「危険実験・おもしろ実験」 申請者:浅井 尚樹(東播磨高校) 実験内容 ・濃硫酸と水 ・ナトリウムと水 ・富士山での沸点測定 ・水素の爆発 ・富士山でのポテトチップスの袋の変化 ・ダイヤモンドの燃焼 ・王水に金,白金を溶かす ・ペットボトル内でのドライアイスの変化 ・フッ化水素のガラスの侵食 以上9点 採用されるかわかりませんが,採用された場合,協力をお願い致します。
@ 銅が金になる−錬金術師の夢−(中澤)
本に紹介されている実験の中には,アッと思わせる興味あるものが多い。しかし, その原理がスムーズに理解できないものもある。今回の話題もその一つであり,実際 に実験し,その原理を考察された。A 「原子量とモル」の理解のための実習(北川)
「原子量とモル」を生徒に理解させるのは大変なことである。この分野で,化学を 嫌いになる生徒も少なくない。「相対質量とはどういうものか?また,各原子の原子 量中には同数の原子が含まれることをイメージさせる。」工夫をした実習であった。 結果は,生徒の反応も上々だったとのことです。B ナイロン6の合成(安岡)
ナイロン6,6の合成実験では,強度が弱く白濁した糸状のもので,なかなかナイ ロンというイメージが今1つ湧かない。しかし,今回のナイロン6を実際につくって みると,熱し方等にコツはあるが,透明のなかなか強度の強いものができた。これな ら,生徒もナイロンのイメージが湧くと思われる実験だった。C C60サッカーボール分子の模型(吉田)
7月の研究会で提供された話題です。1996年のノーベル化学賞が,「C60フラ ーレン発見」の功績に対して贈られました。C60は俗にサッカーボール分子,C70は ラグビーボール分子と呼ばれています。この分子模型を生徒自らがつくれるように考 えたものでした。完成品からは色々なことがわけあります。D 新教育課程のセンター入試(安岡)
新教育課程になって初めてのセンター入試試験を前に,どのような出題になるかよ く話題に上がる。先日大阪の河合塾が行った説明会の内容を報告してもらった。 ・TAとTBにおいて,TBの履修者がTAの予想問題を解くと,TBの予想問題 の平均点よりも20点うえになった。この原因は,TAにおいて必答分野で80 点出題され,その内訳として「自然界の物質とその変化」が60点と非常に大き く,内容的にTB履修者に取り組みやすい題材が多いことが上げられる。 ・化学Uの内容は,旧課程より深くなっているために,化学Uが出題範囲に入る私 大,国公立2次の問題は難度が上がると予想される。 等多くの情報が得られた。E どうねんアトムワールドに参加して(浅井)
とても喜んでいただけたようです。子供と接し,その反応がよく感じとれたことが 嬉しかったと報告された。現在,実験というと学校で行うものという概念が強いが, 「青少年の科学の祭典」等のように学校の枠を出て,多くの人(子供)に,アプロー チしていくことが,理科離れを防ぐ一つの方法ではないかと思えます。F 「第172回化学への招待」に参加して(谷口)
7月30日に行われた「化学への招待」に参加されての報告をしてもらった。O− 157が騒がれた時期に,堺市で開かれたため,人数的にはまだ余裕があったようだ が,幅広い年齢層の参加者があり,色々と楽しい研修ができたようです。
期 日:平成8年11月9日(第二土曜日)13時30分より 場 所:神戸大学発達科学部(旧教育学部)(教室については当日正門を入ったとこ ろに案内板を置き連絡します。) 【住所】神戸市灘区鶴甲3丁目11番 阪神御影,JR六甲道,阪急六甲のいずれかより,神戸市バス36系等鶴 甲団地行きに乗車して発達科学部(旧教育学部)前にて下車(バス代20 0円)。
朝,学校に行くと机の上に2通の航空便が置かれていました。1通は,マレーシア の栗岡先生からでした。マレーシアの現状とアジアから見た日本が伝えられていまし た。また,もう1通は,ケニアのナイロビに行かれた瀧川先生からでした。7月に突 然ケニアに行かれることを聞いたときにはとても驚きました。現地での様子や今後の 先生の仕事の内容を手紙で読みさらに驚きました。本当に一からつくっていくのだな ,大変な仕事だなというのが実感です。世界の多くの国が,何かと教育を充実し,国 を発展させようとしていることがうかがえます。恵まれた状況の現在の日本において ,何をどのように教え導けばいいのか考えさせられます。 笹川科学研究助成の申し込みにあたっては多くの先生方のお知恵をお借りしました。ありがとうございました。