化学教育兵庫サークル 第2号


研究会の内容

  1. 期日・場所・参加者

    期 日:平成7年6月10日(土)13時30分〜16時40分
    場 所:神戸大学 発達科学部(旧教育学部)
    参加者:北川(御影),谷口(鳴尾),出口(宝塚東),水野(加古川東),高田(
        舞子),平野(神戸海星),安岡(尼崎稲園),浅井(東播磨),宮本(上
        野台中),中田,栗岡(加古川北),神戸大学大学院生数名
    
                             〔順不同,敬称略〕

  2. 巻頭言

    第2回研究会に参加して
                          御影高等学校 北川 英基
    
     「勉強会をしています。参加しませんか?」との誘いを受けて,第2回研究会に参
    加させてもらいました。最近の授業や実験の紹介,疑問点を持ち寄っての意見交換。
    調べて知った知識や文献の交換・紹介などが活発に行われて,心楽しく有意義な会に
    なりました。
     「高校現場における我々は,いろいろな姿や顔を持っている。」(会報。創刊号よ
    り)わけですが,我々を支えているのは,生徒が学び育つ課程に教師として参加する
    喜び,それを職場の同僚として共同して行う喜びだと考えてきました。そこにもう1
    つ,化学を教えるものが集まる喜びをを加えていいのではないかと思います。工夫し
    あい学び合うことが,こんなに楽しいものだったのかと,久々に実感させていただき
    ました。
     理科離れの進行した昨今,対策の核心は,生徒の体験に根ざした理科教育をどう構
    成するかにかかっていると言われます。この会に期待する次第です。
     お互いにそう思いながら,なかなか集まれないのが実情です。このような開かれた
    会を発足させられた先生方に,敬意と感謝を申し上げます。顧問の神戸大学教授,野
    上,上地両先生今後ともよろしくご指導ください。会のますますの発展を願いますと
    ともに,県内各地の手近なところに,このような会がたくさんできることを念願致し
    ます。
    
  3. 連絡など

     ・次回の研究会は,7月6日(木)15時15分より神戸大学発達科学部F棟1階
      151教室にて
     ・第2号会報は,7月1日付で発行。理化学会総会に向けて暫定版を出す。
     ・第3号会報は,次回の7月の研究会の内容で発行。
     ・8月の研究会は,休みとして9月に第4回研究会を持つ。但し,会報4号は,投
      稿集として発行する。内容は,参考になる書籍の紹介や各自が休み中に参加した
      研究会の報告などとする。
     ・「青少年のための科学の祭典」神戸大会が1996年1月6・7日に神戸市立青
      少年科学館にて開催予定。主催は科学の祭典実行委員会,科学技術庁,日本科学
      技術振興財団,神戸市立青少年科学館。後援は近畿府県市教育委員会などである
      。兵庫高校石原先生が推進委(実働グループ)のメンバーの集約をされている。
      今までは物理中心であったのが兵庫県では物理・化学・生物・地学全ての分野で
      実施したい意向のようである。
       予定では,演示・展示・工作のブースは45程度。化学分野での協力者を募集
      中である。協力宜しく。
  4. 研究協議

    @ 栗岡(加古川北)

     ・米国化学会の「Journal of Chemical Education」の記事の訳のB4プリント7枚を
      資料として,「元素の発見の時代」と「命名手段」との相関についての話題提供
      があった。
     ・液体窒素を用いて物資の三態の単元行った生徒実験のいくつかを紹介。生徒用の
      簡易液体窒素容器はペットボトルを使用して作成。内容は,液体酸素の作成,温
      度による体積変化に関するものであった。次回研究会で幾つかを可能ならば演示
      の予定。
     ・吸引ビンにマショマロを入れておいて,減圧ポンプもしくはアスピレーターで減
      圧する演示実験の実演。減圧でマショマロが膨れあがり,収縮する様子が愉快で
      あった。
    
    A 高田(舞子)
     ・水の性質(表面張力),樟脳の性質についての実演と授業展開についての説明。
      ここから,楠の葉を水蒸気蒸留することによって,簡単に樟脳を得る実験につい
      ての話題へ移った。
     ・温度変化における平衡移動のわかりやすい説明の仕方の方法について問題提起が
      あり,それに対しての協議を行った。
    
    B 北川(御影)
     ・「サインペンの黒は黒でない」,「電池をつくって原理を知ろう」などのタイト
      ルで,震災のため,実験室・実験道具もほとんどない中で,焚き火の消し炭など
      を利用して行った実験の話題提供があった。11円電池では,メロディーオルゴ
      ール(創刊号参考)は僅かにしか鳴らなかったが,22円,33円,44円とす
      るに従って完全なメロディーが聞こえるようになった。
    
    C 安岡(尼崎稲園)
     ・水道水の浄水システムについて,見学に行った阪神水道企業団の猪名川事業所の
      「高度浄水処理」についてパンフレットをもとにしての話題提供があった。
      これは,化学TAの授業で「水の化学」を実施するにあたっての資料集めの一環
      とのことであった。
    
  5. 次回研究会の案内

    期 日:平成7年7月6日(木曜日)15時15分より
    場 所:神戸大学発達科学部(旧教育学部)(教室については当日正門を入ったとこ
        ろに案内板を置き連絡します。)
        【住所】神戸市灘区鶴甲3丁目11番
         阪神御影,JR六甲道,阪急六甲のいずれかより,神戸市バス36系等鶴
         甲団地行きに乗車して発達科学部(旧教育学部)前にて下車(バス代20
         0円)。
     
  6. 編集後記

     今回,初参加の北川先生より巻頭言として,「研究会に参加して」と題し一文を頂
    きました。ありがたい言葉がある中,会を発足させた者の一員として,続けていくこ
    との責任を感じています。今回の研究会も予定以外の話題提供が2件あり,時間も予
    定(有るような無いような)をオーバーし,充実したものであったのではないかと思
    います。
                             T&K《平成7年7月1日》
    

前号へ  次号へ

会報一覧へ