42.食品中の塩分測定

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[目的]化学反応式の量的関係を使って、食品中の塩化物イオンの量を測定する。
[領域]化学:酸化還元
[準備]試料(スナック菓子 ラーメン 味噌汁など) クロム酸カリウムK2CrO4水溶液
硝酸銀AgNO3水溶液
[操作]
液体はそのまま希釈したもの、固形物はよくすりつぶした試料を純水で希釈したものの上澄みをろ過し、クロム酸カリウム水溶液を数滴加え、硝酸銀水溶液で液の色がわずかに赤褐色になるまで滴定する。
[留意点・工夫点]
スナック菓子はすりつぶすが、インスタントラーメンの場合は調理して食べる状態にした ものをろ過して使用する。
固形物の場合は粉末10gに純水を加えて100gにする。試料によっては水の量をさらに増やすとよい。
ラーメンはろ過しにくく、吸引ろ過もあまりきかないものが多いが、スープが透明なものはろ過しやすい。
家庭の味噌汁などを各自持ち寄って、塩分濃度を比較するのも楽しい。
試料溶液にクロム酸カリウム水溶液を加えると液色は黄色みを帯びるが、硝酸銀水溶液で滴下をはじめると液色は下記の様に変化する。
黄白色沈殿 ⇒ 白色沈殿 ⇒ 赤褐色沈殿が消えなくなる
Ag++NO3-+Na++Cl- → AgCl↓+Na++NO3-
     白色沈殿          
2Ag++2NO3-+Na++ 2K++CrO42- → Ag2CrO4↓+Na++2K++2NO3-
          赤褐色沈殿     
この方法はモール法と呼ばれていて食品中の塩化物イオンを測定するのに使用される。
食生活中の塩分過剰摂取で問題になっているのはナトリウムイオンである。この実験では塩分の代表として塩化ナトリウムを取り上げ、塩化物イオンを測定することでナトリウムイオンの量を類推している。

[参考文献]「たのしくわかる化学実験事典」 左巻健男編著 (東京書籍)
[関連実験]酸化還元滴定 酸化還元反応
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