朝来山のソリスト
先日、この自然のページで、とてもいい声で歌う、「大屋根のソリスト、イソヒヨドリ」を紹介しましたが、本校の裏山、朝来山にもそれはそれは歌が上手な歌い手がいます。この春に南の国から日本へ子育てのためにやって来た渡り鳥で、名前を“オオルリ”と言います。
このオオルリは美しいのは歌声だけではありません。ご覧のように鮮やかな瑠璃(ルリ)色の衣装をまとっています。正面から見ると、白いエプロンを着けたようなかわいらしい模様になっていますね。下から見上げると、この白いエプロンは尾羽まで続いていることがわかります。今度は背中から見てみましょう。同じ瑠璃色でも光の当たる角度によって様々に色合いが変わり、時には溜息が出るくらい美しい光沢を放つことがあります。
実は、これまで見ていただいた写真はすべてオスです。一方、メスはと言うと・・・とてもシックな色をしています。
それでは、どこに行けばこんなにきれいなオオルリに出会えるのでしょう。散歩がてら、朝来山の中腹まで出かけてください。この時季なら、高い木のてっぺんや突き出た横枝を丹念に探していけば、必ずと言っていいほど出会えます。野鳥たちは、まだ暗いうちから活動を始めるので、朝早く出向くのがいいでしょう。そして、一番の手がかりは、なんと言っても美しいさえずりです。それでは、朝来山のソリスト、“オオルリの声”を貼り付けます。この美声をたどって探してみてください。
ただし、少し注意しなければならないことがあります。それは、普段はさえずらないメスが小声で鳴き始めたり、エサを運ぶ姿に出会った時はその場所をそ〜っと離れてください。近くに巣がある証拠です。人が不用意に近づくと、親鳥は巣やヒナを放棄してしまうことがあります。オオルリが安心して子育てができるように距離を保って見守りましょう。
文責 増田 克也
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