64.水質検査

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[目的]さまざまな方法で水質を調査し、身近な水環境への理解を深める。
[領域]環境:水質汚染
[準備]試料(水) 硝酸銀AgNO3水溶液 ネスラー試薬 グルコースC6H12O6 水酸化ナトリウムNaOH水溶液 過マンガン酸カリウムKMnO3水溶液 簡易水質検査器 pH試験紙(またはpH計) 
導電率計
[操作]
 a.塩化物イオンの存在を調べる:硝酸銀水溶液を滴下する。
 b.アンモニウムイオンの存在を調べる:ネスラー試薬を滴下する。
 c.残留塩素ClO-、亜硝酸イオンNO2-、リン酸イオンPO42-、COD等を調べる:簡易水質検査器を使用する。
 d.pHを調べる:pH試験紙またはpH計を使用する。
 e.無機イオンの総量を調べる:導電率計で電気伝導度を測定する。
[留意点・工夫点]
試料として河川や湖沼の水の他、米のとぎ汁などの生活廃水やコーヒーや茶、醤油の希釈液等も調査してみるとよい。また、これらの方法で活性汚泥による汚水の浄化の確認もできる。CODが50〜100mg/lのものを試料とする。
ネスラー試薬を滴下した液は、含水銀実験廃液として貯留、処理する。
簡易水質検査器はパックテストとも言い、チューブに封入した薬品に試料を加え簡便に水質を調べられる器具である。
有機物の濃度は以下の方法でも調べることができる。(簡易測定):
@ 比色見本を作る
 0.5、10、20、50、100、200(mg/l)のグルコース標準溶液を作り、その溶液各2mlに6mol/lの水酸化ナトリウム水溶液2滴加えよく振る。さらに2(g/l)の過マンガン酸カリウム水溶液を滴下する。5〜10分後の変色した液を比色見本とする。(グルコース標準溶液は、濃度が濃くなるにつれ紫→青→緑→黄に変色する。時間がたつと全濃度とも黄になるので、各濃度での色の差がもっとも顕著なときを写真に撮り比色表にするとよい。)
 A 試料に1と同様に水酸化ナトリウム水溶液と過マンガン酸カリウム水溶液を滴下する。
COD(化学的酸素要求量chemical oxygen demand)とは水中の物質(おもに有機物)を酸化し分解するのに必要な酸素消費量のことである。また、微生物により有機物が酸化分解される際消費される酸素の量はBOD(生物学的酸素要求量biological oxygen demand)という。

[関連実験]合成洗剤残留テスト 汚水の精製 水を浄化する微生物たち
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