52.葉脈標本を作ろう

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[目的]葉脈標本の作り方を知り葉脈の形態を理解する。
[領域]生物:植物の組織
化学:酸と塩基
[準備]葉 水酸化カリウムKOH水溶液 塩酸HCl オキシドール 歯ブラシ
[操作]
 1)葉を水酸化カリウム水溶液で煮た後、水洗いしながら葉肉を落とす。
 2)希塩酸で中和し充分に水洗いする。
 3)オキシドールで漂白し水洗いする。
 4)紙に挟んで乾燥させた後、台紙に張って標本を作る。
 
 
[留意点・工夫点]
材料はモクセイやヒイラギなど硬い葉がよい。
オキシドール(3%過酸化水素水)の代わりに市販の塩素系漂白剤を薄めて使ってもよい。
葉の硬さによって煮る時間(目安20〜30分)を変えたり、水酸化カリウムの濃度(通常10〜20%)を濃くしたりする。ただし、危険なので30%ぐらいまでで使用する。水酸化ナトリウムも同様に使える。
水酸化カリウムの取り扱いには充分に気をつける。熱したビーカーは白くなって傷む。
葉肉が取れにくいときはもう一度煮る。
後で変色しないように、漂白後の水洗は充分にする。
インクや染料、植物から取った色水を用いて染色してもよい。
標本は、台紙にのりをつけてから葉脈を置く事。台紙は色画用紙、のりはアラビアのりがよい。
熱湯や酸の水溶液で煮続けても分解しないセルロースやタンパク質が、強塩基性の水溶液で簡単に分解する。和紙の製法と同じ原理である。

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