25.毛髪の形状変化を調べる

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[目的]薬品による毛髪の形状変化を観察し、パーマネントウエーブの仕組みを理解する。
[領域]化学:タンパク質の変性
[準備]10%チオグリコール酸アンモニウムHSCH2COONH4水溶液 髪の毛 ガラス棒など
[操作]
 1)毛髪をガラス棒に巻きつける。
 2)チオグリコール酸アンモニウム水溶液に1を浸して、50℃の温水中で15分間反応させる。
 3)2を水洗いし、乾燥させ毛髪を取り外して観察する。
[留意点・工夫点]
ガラス棒を使う他に、まち針とゴム栓で星型を作ってウエーブを出すのも楽しい。毛髪はガラス棒には間隔を狭く、星型には二重にかけると結果が観察しやすい。
チオグリコール酸アンモニウム水溶液の代わりに硫化アンモニウム(NH4)2S水溶液を用いてもよい。
毛髪は約21種類のアミノ酸からできている。構造はアミノ酸がらせん状に繋がったポリペプチドが3本結合したものをプロトフィブリルと言い、その集合体をミクロフィブリル、これが集合したものをマクロフィブリルと言う。その上にキューティクルがつく。
ポリペプチドを結び付けている側鎖によって毛髪の弾力性は維持されている。この側鎖結合にはペプチド結合、シスチン結合、塩結合、水素結合がある。
実際に使用されているパーマ液には、1液と2液がある。パーマ液1には、シスチン結合と塩結合を切断する還元剤(チオグリコール酸アンモニウム)と、アルカリ剤(アンモニア)が含まれている。
パーマ液1で結合を切断し、2液でずれた状態で再結合する。2液には再結合させる酸化剤(臭素酸ナトリウムなど)が含まれる。
水素結合は水で切断され、乾燥させると再結合する。

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