13.物質の三態変化

[目的]すべての物質は粒子の集合であり、温度・圧力などの条件(エネルギー状態)の変化によって三態変化(固体・液体・気体)が起こることを知る。
[薬品・材料]
 氷 アンモニアNH3水 濃塩酸HCl
[器具]フラスコ ガラス管 リトマス紙 ゴム風船 脱脂綿
[操作]
a.物質の状態変化(固体→液体→気体)
1)フラスコに一辺が2cm位の氷を入れ、静かに加熱する。
2)フラスコが充分に冷えたら、再度加熱する。風船がこぶし大になったら、加熱を止める。(注意、加熱はそれ以上すると危険!)
b.気体粒子の拡散
 ガラス管の一端にアンモニア水で湿らせた 脱脂綿、他端に塩酸で湿らせた脱脂綿をピンセットで同時に入れて、変化を観察する。
   NH3 + HCl → NH4Cl(白色気体)
c.蒸発と沸騰(大気圧を体感する)→おもしろ科学実験「大気圧を体感する」参照
[留意点・工夫点]
物質の状態変化の実験は、他にエタノール、ドライアイスなどがある。
アンモニア、塩酸は新しい試薬がよい。
ゴム風船は、新しく、しっかりしたものを購入する。
ゴム風船は、フラスコ口に均等にきちんと付ける。
軍手を使用する場合は、綿100%がよい。
ガラス管は長さ60cm、直径2cm位が、誤差が少ない。
ガラス管に万能試験紙やリトマス紙を入れると、粒子の感知に伴い色の変化する様子が、観察できる。
ガラス管の両端、駒込ピペット及び試料の入った試験管はそれぞれビニールテープなどで色分けしておくと便利である。
ガラス管は、1回ごとに水洗いし、乾燥したものを使用する。
万能PH試験紙を使用すると変化がよく分かる。リトマス紙は短いので、セロハンテープで張り合わせる。
脱脂綿を厚くすると、ゴム栓は使用しなくてよい。
ゴム栓を使用する場合は、薬品を吸着するので、それぞれ専用にするとよい。
ゴム栓にスポンジを付ける方法もある。
<参考>
 グレーアムの法則
 拡散の速度は、分子の質量または分子量の平方根に逆比例する。
  分子の速さ(25℃)  NH3 661m/s  HCl 452m/s
気体が拡散する速さは、分子の熱運動の速さよりもずっと小さい。熱運動の速さが大きいと、拡散する速さも大きいといえる。