作品解説
鼠の嫁入(ねずみのよめいり)
鼠の嫁入(ねずみのよめいり)
江戸時代 1冊 絵入版本 袋綴装 楮紙
縦21.8㎝×横15.7㎝(匡郭:縦17.6㎝×横12.8㎝) 5丁半
印記「燈□屋」(裏表紙裏)

 年頃の鼠の男女が見合いをして結婚し、子宝に恵まれて貯蓄に励むまでを、人間の風俗になぞらえて擬人化した姿で描いています。この資料は、江戸時代後期に制作された木版多色刷の絵入り草紙です。

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 館蔵「鼠の嫁入」は、江戸時代に制作された木版多色刷による絵入り草紙です。外題や版心はなく作品名は暫定的ですが、年頃となった鼠の男女が見合いを経て結婚し、子宝に恵まれお礼参りをするまでを、人間の風俗になぞらえ擬人化した姿で描いています。

 詳しい内容は次の通りで、絵とあわせて筋書きや台詞が記されています。

  • 1丁表    :志ある仲人(なこうど)
  • 1丁裏・2丁表:結納(ゆいのう)
  • 2丁裏・3丁表:衣服仕拵(しこしらえ)の所
  • 3丁裏・4丁表:首尾能(しゅびよく)祝言(しゅうげん)調(ととのう)所(ところ)
  • 4丁裏・5丁表:初産産湯の所
  • 5丁裏・6丁表:福徳善納の所

 これは「嫁入り物」と通称される作品群のひとつで、鼠のほか、狐や猫、犬の、化物(ばけもの)などの異類を主人公として嫁入り次第を示すもので、江戸時代を通じて草双紙や豆本などとして刊行されました。

草双紙の版木(鼠の嫁入)(くさぞうしのはんぎ(ねずみのよめいり))
草双紙の版木(鼠の嫁入)(くさぞうしのはんぎ(ねずみのよめいり))
江戸時代 1枚 木製
縦25.5㎝×横48.6㎝×厚3.7㎝(各匡郭:縦10.1㎝×横7.2㎝)

 草双紙「鼠の嫁入」の版木で、全面に墨が残っており実際に使用されたことがわかります。鼠の子息が茶店で見合いをして結納・輿入れ・祝言へと進む様子が彫り込まれています。江戸時代を通じて、鼠やその他の動物をモチーフにした「嫁入り物」の作品群が制作されました。

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 草双紙「鼠の嫁入」の版木で、実際に使用されており全面に墨が残っています。版心にはそれぞれの丁数が刻まれており、それによれば版木の表面に第2丁から第5丁まで、裏面に第6丁・第7丁が彫りだされています。

 各丁の内容は次の通りで、絵とあわせて筋書きや台詞が記されています。鼠の子息が茶店で見合いをして祝言をあげるまでを、人間の風俗になぞらえ、擬人化した姿で描いています。

  • 2丁表    :茶店での見合い
  • 2丁裏・3丁表:縁組み
  • 3丁裏・4丁表:結納
  • 4丁裏・5丁表:輿入れ
  • 5丁裏・6丁表:婚礼準備の調理
  • 6丁裏・7丁表:祝言
  • 7丁裏    :なし

 これは「嫁入り物」と通称される作品群のひとつで、鼠のほか、狐や猫、犬の、化物(ばけもの)などの異類を主人公として嫁入り次第を示すもので、江戸時代を通じて草双紙や豆本などとして刊行されました。

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