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2年 国語 特別授業

9 月 3・6 日(金・月),国語特別授業として兵庫教育大学の田中雅和先生にお越しいただき,本校2年生全クラスを対象に国語特別授業 「日本のことばと文化」 を行なっていただきました。代表的な感想を紹介します。

特別授業の趣旨

高校国語学習の充実期を迎える時期にあたり,自分たちの身近な生活の中にある事例を見出しつつ,日本のことばと文化とのつながりや豊かな広がりについて考え,日本のことばや文化を尊重する態度を育てる。


・今までの私は,何も考えずにただ覚えればいいと思っていた。これからは言葉を大切にして,日本人であり日本語を話せることを嬉しく思いながら,今日教わったことを日常にも活かせればと思う。
・私が今まで勉強嫌いだったのは,覚えなきゃならないとか,しないといけないっていう義務的な意識を持っていたからだとわかりました。これからは,疑問を大切にして,楽しんで勉強できるようになりたいです。
・田中先生は「先生のことを疑え。」とおっしゃっていた。こんなことを言う先生はいなかったからびっくりしたけれど,なるほどと思うことがたくさんあった。大学受験を控えている私たちにはとてもいい機会だった。
・「敗北」とか「雪辱」とか,普段何気なく使っている単語でも,一つ一つの意味や背景を理解した後では親しみが深まったし,とても楽しかったです。言葉が文化を示すということを,以前は流して聞いていたけれど,今はとても興味を持つことができました。雪の降る地方ではドカ雪・根雪・ぼた雪などさまざまな表現がありますが,雪になじみのない私たちは全く想像できません。今回,言葉の背景について学んで,もっと様々なことを勉強してみたくなりました。
・私はまだ紙の辞書を使っているので,時々「めんどくさいな」と感じてしまうのですが,今日の授業を聞いて,「辞書をひくことは良いこと」というより,「辞書をひくことはおもしろいこと」という印象を受けました。また,勉強として飲み込む古典は私たちにとって本当に「外国語のようなもの」にしかとらえられなかったのですが,文化背景や日本独特の感情は現代語の中にも生きていることがことがよくわかりました。普段の古典を学ぶ姿勢や授業は勉強の「きっかけ」であることを知ることができました。
・確かに今の私たちは「やばい」とか「かわいい」という言葉で終わらせてしまうことが多くなっています。私たちは感情を表すことが下手になっているんだと思います。そう思うと,なにか怖い気がします。
・「やばい」という言葉は,私もいろいろな場面で使っています。でも,同じ「やばい」でも,どうやばいのか状況説明の言葉をつけるだけで,貧しい言葉ではなくなるとわかりました。
・ただ知識を覚えるだけではなくて,なぜ? どうして? と自分で考えてやっと身につくものだとわかった。これからは,そうやって勉強すると少し勉強が楽しくなるかなと思った。普段の生活で一番よく使う「おはよう」や「ありがとう」についてもいろいろな発見があった。すごく楽しい授業でした。“ありがとう”ございました!!
・その国の文化に由来している,その国にしかない表現というものを,興味深く感じました。感じた気持ちを表現する言葉を知らなければ,感情も薄れていく,「言語の貧しさは感情も貧しくする」という話には深く共感しました。
・物事を考えたり勉強をしたりする上で,理屈をしっかり理解しないと身につかないとわかったし,自分自身そういう経験をしたこともある。今僕たちが使っている言語に昔の言語が影響しているわけだから,これから古典を通して自分の世界観を広げたいです。
・漢字は本来多くの意味を持っているのに,日常では(常用漢字では)その多くが削られているのは何だか寂しいものだと思います。もっと多くの意味をしりたいと思いました。あいさつ言葉については,日本語と英語との,込められる意味の違いに驚きました。長い時間をかけて,いろいろな意味が含まれるようになった日本語は,温かくて良いなと思いました。
・日本人は外国人に比べて遠慮気味であるということに対して,私は日本人ももっと外国人のようにストレートに言いたいことを言えば良いのにと思っていたけど,今日初めて自分が使っている日本語を詳しく学んで,日本人独特の他者に対する思いやりの気持ちは日本の文化で大切にしたいことの一つだと思った。…最後に…私は小学校教諭になるために兵庫教育大学目指して頑張ります。再来年,田中先生の授業受けます!


・国語特別授業を受けて,いろんなことに気づくことができました。「青春」というたった一つの熟語から,いろんな「青」について学ぶことができました。深く調べることで,世界が広がるのだと思いました。今まで,「何だろう」と疑問に思ってもそのままにしていましたが,これから辞書を引いてみたいと思いました。私はまだ「点」がいっぱいある状態なので,今学んでいることが役立つように点を結んでいきたいと思いました。言語は文化を担っていて,その文化を理解していくことが大切であるということがわかりました。言葉を知らないのは,感情を持たないのと同じで,考えなかったのと同じになってしまいます。もっともっといろんな言葉を知って,その言葉の意味を知って,人と繋がっていきたいと思いました。
・「青」という普段何気なく使っている字のおおまかな意味を知っていても,辞書を引いてみると,自分が知らなかった意味を発見することができました。「なつかしい」という言葉一つの中にも「愛しい」「久しい」などいろいろな意味があり,思いやりがある温かい良い言葉だと思いました。一人称でも,「私」「僕」「俺」などいろんな表現があるけれど,英語だと「I」だけで,日本語は言葉の響きや表現の工夫がたくさんあるなあと思いました。
・田中先生は堅苦しくない方で,お話もとてもおもしろかった。「お兄ちゃん」と呼ぶことの話については,僕もずっと前から疑問に思っていたので,理解できて良かった。また,「言葉というものは,周囲にその意味が伝わりさえすれば正しい」という話はもっともだと思った。「なぜこの組み合わせでこんな意味なんだろう」と今まで思っていた言葉も,古典の視点から調べていくとわかることに感動した。現代の言葉を使って現代を生きている僕たちは,そのもとである古語をもっと知ることによって,より日本人らしい表現が可能になると思う。先生の授業を聞いて,「もうちょっと勉強がんばろう」と思いました。
・普段使っている言葉は,ずっと昔から日本語として形を作ってきたんだなあと思いました。もともと言葉に興味があったけど,今日の講義を聴いて,言葉の世界がぐっと広がったような気がします。と言うより,もともとすごく広かったのだと思いますが,私の見えていた,見ようとしていた世界が狭すぎたのだと思います。毎日使っているこの日本語が,昔からみんなが使うことで変化してきたもので,今も変化し続けているのだと思うと,言葉の不思議さとおもしろさを感じます。古語も日本語だっていう考えはあったものの,どうしても「味もわからず飲み込んでいた」ことになっていたけれど,今日を機に,味を感じながら言葉,日本語を学べるなあと思います。学ぶこと,知ることをもっともっと楽しんで,心を豊かにする勉強をしたいなあと強く感じました。
・言葉の深い意味や成り立ちまで考えたことなんてなかったけれど,「青春」など,漢字一つ一つを知らなくても,日本語を理解している人同士で伝わっているニュアンスがあるんだと思った。現代語を深く掘り下げていくと古語に繋がっていることに気づいたので,古典の単語覚えが少し楽しくなるかなあと思った。プリントで「雪」とか「雨」とかの色々な名称があげられていて,日本語は英語より言葉の種類が豊富だと実感した。挨拶も,英語などは直球だけど,日本語は意味が深くていいなあと思った。日本人は遠回しに物を言うというけれど,外国人にとってはそれがもどかしかったりするのかなと思う。
・最初に「リラックスして聞いていいよ」と言われたので,すごく聞きやすかった。私たちにわかりやすい例を挙げてくださり,理解しやすかった。漢字一つ一つの見方が変わった。「青」だけでもあんなにいろんな意味があるとは思わなかった。「ようこそいらっしゃいませ」など,いつも使っている言葉に係り結びがあったなんて,びっくりした。古典が身近に感じられた。
・今日の講義で,「言葉の意味」について深く考えるようになりました。わからない言葉があったら辞書でその意味を調べることはありますが,それぞれの字の持つ意味や,なぜそうなったのかといったところまで調べようと思ったことがありませんでした。これを機に,もっと言葉そのものが持っている意味を考えるようにしようと思います。また,言葉から,その国の文化的背景が見えてくるというのはとても面白いと思いました。日本人には相手を思いやり,ねぎらう精神があるのだと感じとれました。「おはようございます」は「お早いですね」という意味だとは思っていましたが,それだけでなく,相手への敬意と遅れた自分を恥じる気持ちが含まれているのだと知り,日本語の深さを改めて感じました。現代語と古語にはたくさんの共通点があることもわかったので,これからは自分の使う言葉を知るとともに,そこに至るまでの道筋である古語にも親しみたいと思います。


・古語に対する見方やとらえ方が少し変わりました。今までは外国語を学んでいるような感じでしたが,現代語とつながりのある,近い存在だとわかりました。特にあいさつ表現の話が印象的で 興味深く聞けました。定型化した文化コードがあると省略可能なあいさつは,ヨーロッパから見ると非論理的だと言われるようだけど,私はむしろいいと思いました。こういう日本の心性は誇れるし,美しいものだと思います。日本独特の心性を大切にして言語を学んでいこうと思います。
・僕は,高校の授業で学ぶ全ての中で,社会に出たとき一番役に立たないのは古典だと思っていた。昔の言葉を覚えたところで,タイムスリップできるわけではないし,現代語とのつながりもあまりないと思っていたからだ。でも,先生の話を聞いて,ほとんどの古語は現代でも似た意味があることを知り,古典に対する苦手意識がなくなった。それに,日本語を今までよりも好きになれた。これからは古語を学ぶことに抵抗を持たないと思う。
・「負けず嫌い」のように,考えてみればおかしいものも,みんなが同じ意味で使うと正しいものになるということを知った。言葉にはその国の文化が表れており,日本人の他者を敬う気持ちの表れであるあいさつなどの説明を聞いて,なぜそのような意味になるのか知ることができた。これからはもっといろいろなことに対して,「なぜ」という疑問を持って生活していきたい。
・現代語には古語に由来するものが多いことに驚いた。「こわい」からつながる言葉がたくさん挙げられ,よく考えてみると全てつながり,現代語と古語のつながりを実感した。私は,間違った日本語を気にしていたけれど,お互いに伝わるなら正しい日本語だと聞いて,小さいことにこだわっていたんだと思った。「言葉は人が使うものだから,変わって当たり前」という先生の言葉に,とても感心した。日本人の心性についても,敬語があるのは日本語だけということを思い出しながら聞いていた。相手を傷つけないように直接的な表現を避けたり,自分を下げて相手を敬うような日本人特有の優しい心を大切にしたいと思った。
・今まではテレビで見たり聞いたりしたことをそのまま鵜呑みにしてきたけれど,疑わなければならないことを知った。その情報が正しいか間違っているかを自分で判断することが大切なのだとわかった。私は古典が苦手で,ただ暗記するものだと思っていたけれど,現代語との間につながりがあることを知り,古典に対する考え方が少し変わった。日本語は外国から見れば非論理的だと言われるかも知れないが,相手への配慮や尊敬の意が含まれていることをお互いに理解することができる。そういうことを感じる心があるかどうかによって,心の豊かさがわかると知って,もっと言葉を知りたいと思うようになった。
・今習っている勉強は社会に出たら使わないことばかりで,勉強はめんどくさいと思っていました。だけど先生の話を聞いて,今習っているものはすべて意味があり,将来役立つものだということがわかった。自分が役立てようとしていないから役立たないってわかったから,いまの勉強をちゃんと理解して将来役立てたい。これから,楽しみながら古典の授業を受けられそうです。
・人の言うことに疑いを持つのは必要だと思った。確かに100%正しいことを言っていることなんてほぼないし,それが変わってしまうこともある。だから,この授業のことも,疑ってみてみたい。そして,自分の意見を持って,この授業に対する自分なりの見解を持ちたい。


・古典の認識を改めました。苦手意識があった古典が身近に感じられて,テスト勉強にも弾みがつきそうです。さんざん「覚えなさい」と言われて暗記だけさせられた事柄も,今思い返して,「なぜ」「どうして」を考えれば,楽しみや興味がわいてきます。探求は理数のみのことだと思っていましたが,語学は語学の探究があり,それもまた非常におもしろいということを知りました。暇つぶしに電子辞書を見ることが多いので,家なんかでゴロゴロしながら「なんちゃって語学探究」をやってみようと思います。
・勉強には「なぜ」の精神が重要で,高校で習う知識が現代社会では使わないと思うのは,使えないのじゃなくて,使う気がないからだということに共感を持てた。古典が独立した学問だということがわかった。言葉には背景に文化,経験があり,時代が経つにしたがって意味も少しずつ変わるんだなと思った。挨拶にしても中国語,英語,韓国語の「ありがとう」は感謝という言葉をそのまま表現したものだが,日本語は「有難」と書き,自分がへりくだって相手を敬う気持ちが表現されている。言葉は音でなく,その言葉に込められている背景,気持ちが大事であるんだと思った。
・今日の授業は,今まで気づかなかった言語の成り立ちを知る機会となってすごく楽しかった。正直,私は国語が苦手で,今回の授業も理解できるかとても不安だった。でも,身近な言葉を使って説明してくださったので,わかりやすかった。日常で使っている言葉の中にも,一文字で意味が変化したり,指すものが異なるものがあるので気を付けなければいけないと思った。これまで,日本語が変化することは,日本の伝統とか文化を変えてしまうことになるからいけないこととと決めつけていた。でも,時代とともに日本語も変化してきて,今の言葉があるのだから,変わることはある意味いいことなのかなあとも感じた。これから日本語を話す,国語を学んでいく上で,もっと言葉の成り立ちを「なぜ」と思って調べてみたい。
・今回の授業を聞いていると,知りたかったこと,ためになったことがたくさんありました。大げさだけど,言葉などの考え方が,ガラッと変わり,日常で何気なく使っているのに違う意味のように感じました。ひまわりの話が一番印象に残っています。どうしてこういう漢字で「ひまわり」と読むのかというところまで考えたことがなかったのです。とても楽しく勉強できた気がします。
・ひまわりがどうして東を向いているかなど普段考えたこともなかったので,自分は日頃からあまりものを考えていないんだなあと気づいた。最近は,授業中に「どうしてだろう」「本当かな」と思ったことでも,先生に聞くのが面倒だったり,調べる時間がなかったりして結局うやむやなまま丸暗記することが多いような気がする。自分が疑問に思ったことは,気が済むまで考えることが大切だし,そういう姿勢でいれば勉強ももっと楽しくなるだろうなあと思った。
・学ぶ時は,「正解・不正解」でなく,「なぜ,どうして」を中心に考えることを大切にするべきでることがわかった。アクセントによって意味が変わるものがあるというのもおもしろいなあと思った。「負け嫌い」と「負ける嫌い」の違いがいまいちわからなかったので,日本人として少しあぶないのかなと思ったが,「負け犬」と「負ける犬」の説明は理解できた。間違っている用法でも社会性を帯びて慣用化されていくと当たり前の正しい言葉として見られるようになることに驚いた。国語でも英語でも,一つの言葉から多くの言葉への変形ができることや,文化により言葉の使い分けの仕方が違うんだとわかった。日本語はやっぱり難しいけど,今日の授業を聞いておもしろさも見つけることができた。
・さすが大学の先生!という感じでした。専門的な話をわかりやすく教えてくださったので,とても勉強になりました。普段僕たちが使っている言葉で,よく考えてみると「意味がおかしいんじゃないか」と感じてしまう言葉の解体(?)などが特に興味を持ちました。よく考えてみればそんな言葉は身の回りにたくさんあふれているんじゃないかなと思います。こんな言葉の研究もあるんだなあとまた視野が広がったので,とてもいい経験になりました。
・古典の言葉と現代の言葉では大きく違いがあるように思っていたけど,関連性を考えるとそんなに違いがないように感じました。言葉は時代の変化によって意味が変わるので,文化にも関係していることがわかりました。普段使っている挨拶にも相手のことを思いやる日本人の心性や文化がうかがえるとわかり,すばらしいなと思いました。