2015年3月31日(火)~2018年9月1日(土)の記事はコチラをクリック
SGH TOPICS  ( 2018年10月25日(金)~)
                                                                                                                        
日 時 概 要 写 真
2020/
2/11(火)
1,2,3年次生
(17,16,15回生)
SGH第7回高校生国際問題を考える日(1,2,3年次生)

六甲アイランドの神戸ファッションマートで兵庫県教育委員会・大阪大学・WHO神戸センターが主催する第7回高校生「国際問題を考える日」が実施されました。兵庫県下の高校を中心に27校が集まり、119のポスター発表が行われました。本校からは、課題研究活動を行う1年次生15人、2年次生3人、3年次生2人の合計20人が参加しました。

まず、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会PRセクレタリーの河村裕美氏による「国際的な視点から見る東京2020オリンピック・パラリンピック大会」というテーマで基調講演が行われました。次に、参加する高校生の中から3人の代表生徒によるパネルディスカッションが行われました。テーマは「オリンピック・パラリンピックと国際問題」でした。

お昼休みの時間を利用して、教員向けランチョンセミナーが実施されました。目的は、先駆的に課題研究活動に取り組んでいる学校の実践例を多くの学校で共有することで、各校の課題研究活動を深化させる契機とすることでした。兵庫県立国際高等学校からはSGH担当の前川が、兵庫県立星陵高等学校、兵庫県立三木高等学校、兵庫県立三田祥雲館高等学校、兵庫県立兵庫高等学校の教員4人を対象にランチョンセミナーを実施しました。内容は、兵庫県立国際高等学校が開発した課題研究活動に関するルーブリック「兵庫県立国際高等学校SGHルーブリック」の活用について報告を行うことでした。具体的には、「兵庫県立国際高等学校SGHルーブリック」をもとにして、ディベート課題研究活動のルーブリック、「移民マップ」課題研究活動のルーブリック、論文「提案 日本の選択」課題研究活動のルーブリックといった生徒の課題研究活動ごとに派生ルーブリックを作成して生徒の課題研究活動を評価するとともに、課題研究活動の改善に活かしている実践報告を行いました。

午後からは、ポスターセッションが行われました。本校からは8つの発表を行いました。具体的には、

1年次生による
(1) 「カンボジアの高校生に対する日本での就労意識に関する調査-タイ・フィリピンとの比較を中心に-」、
(2) 「カンボジアでの移出労働経験者に対する調査結果の分析-2016年と2019年の調査結果の比較から見えてくるもの-」、
(3) 「日本人ブラジル移民史に関する考察-1908~1980年 日本人移民社会はブラジルでどのように発展したのか-」、(写真①②③)

2年次生による
(4) 「日本における外国人の子どもの貧困に関する事例研究-子ども食堂に焦点を当てて-」、
(5) 「「ハーフ」における言語能力と自己認識に関する研究-インドネシアと日本のハーフに焦点を当てて-」、
(6) 「外国人女性に対する言語支援についての事例研究-日本に居住する外国人女性の日本語教育支援に焦点をあてて-」、
(写真④⑤⑥)

3年次生による
(7) 「日本在住の外国人生徒の母語・母文化の継承-ある高等学校に在籍する外国人生徒のエスノグラフィ」、
(8) 「外国人労働者の受け入れについての事例研究-技能実習における家族滞在に焦点を当てて-」(写真⑦⑧)の発表を行いました。

それぞれ10分間の発表と5分間の質疑応答を2回実施しました。本校生の発表には大学教員や高校教員、高校生、社会人など多くの聴衆が集まり、それぞれの課題研究の成果について報告を行い、これに対して聴衆から多くの質問や助言をいただき、本校生が丁寧に応対しました。

あわせて午後からはポスター発表コンテスト二次審査が行われました。一次審査を通過した8つの学校の代表者がホールにてポスター発表を行い、3人の審査員による質疑が行われました。本校からは一次審査を通過した2年次生の清間有咲が「日本における外国人の子どもの貧困に関する事例研究-子ども食堂に焦点を当てて-」というテーマで10分間のポスター発表を行いました。その後、3分間の質疑応答が行われ、3人の審査員からの質問に本校生は丁寧に回答しました。

ポスターセッション終了後に、全体で表彰式と講評が行われました。そこで、2次審査で発表を行った本校2年次生の清間さんが優秀賞を受賞しました。(写真⑨)WHO健康開発総合研究センター医官の茅野龍馬氏より講評があり、課題研究の意義と進め方について話されました。その中で先行研究や先行事例および根拠のあるデータを収集することの重要性を述べられました。そのうえで、本校生の研究はこれらの基本的なプロセスができていると高い評価を受けました。本校の課題研究活動を高く評価していただけことに感謝するとともに、生徒にとって自信とこれからの課題研究活動へのよい動機づけとなり、これを契機にさらに課題研究活動を進めていきたいと思います。

この日の体験は、これからも課題研究活動を続ける1,2年次生にとっては非常に良い経験となり、また論文をまとめた3年次生にとっては成果発表のよい機会となり、非常に有意義な一日でした。
(写真⑩)



(写真①②③) 1年次生3グループのポスター発表



(写真④⑤⑥) 2年次生3名のポスター発表


(写真⑦⑧) 3年次生2名の発表


(写真⑨)優秀賞を受賞した清間さん


(写真⑩)県立国際参加者全員集合

2020/
2/8(土)
1,2年次生
(17, 16回生)
SGHフィールドワーク in 池田 2020 (1,2年次生)

本校1年次と2年次生の16人がSGH課題研究活動の一環として特別養護老人ホーム「ポプラ」を訪問しました。(写真①)

目的は、海外から介護人材を受け入れている特別養護老人ホームを訪問し、日本の介護現場および移民労働の現状を調査し、日本の未来の選択肢を考える契機とすることです。このフィールドワークは2016年度から始まり今年で4回目となります。継続して調査を行うことで、介護現場における外国人介護人材活用に関する状況の変化を知ることが出来ます。これらを目標としました。

まず、企業側から説明を受けました。(写真②) 特別養護老人ホーム「ポプラ」は設立16年目であり、グループ全体で900人の職員が働いています。外国人介護人材は2009年から採用を開始しました。現在、グループ全体で41人の外国人介護人材が働いています。41人のうち、17人がフィリピン人EPA介護福祉士および介護福祉士候補生です。15人がネパール人であり、在留資格は留学13人、介護1人、配偶者1人です。ベトナム人が4人ですべて在留資格は留学です。中国人は3人で、在留資格は留学2人、配偶者1人です。ミャンマー人は1人で在留資格は留学、サウジアラビア人は1人で在留資格は配偶者です。外国人介護人材の受け入れ数は昨年度24人に対して、41人で14人増えていました。

また、在留資格もこれまでのEPA特定活動だけでなく、留学、配偶者、介護と受け入れ窓口を増やしていました。外国人介護人材を受け入れる国もフィリピンだけでなく、ネパール、ベトナム、中国、サウジアラビアと対象国を広げています。この特別養護老人ホーム「ポプラ」は日本で最初に外国人介護人材として介護福祉士の合格者を出した施設です。日本で先駆的に外国人介護人材を受け入れてきました。

そして、現在は国家試験合格者と学校を修了した介護福祉士が5人働いています。さらに、今年の5月にはミャンマーから24人の技能実習生を介護人材として受け入れる予定であると話されました。この受け入れに向け新たに寮を建設し、現在、ポプラで働いているミャンマー人の介護人材を彼らのサポータとすると話されました。

次に、2019年9月にポプラ国際研修センターを設立し、初めて来日する外国人技能実習生を対象に、1か月から2か月の期間、日本での就業・生活する上で必要となる知識を習得させています。この研修センターでは介護職種を対象に、日本語や生活・専門知識、介護の技術などを教えています。また、今年度に運営開始を予定していた外国人介護人材を養成するための施設「ポプラ学園」は現在開校申請中であり、2021年4月開校予定であると話されました。

開校後は外国人介護人材を養成し、ポプラだけでなく他の介護施設にも外国人介護人材を受け入れてくれるよう働きかけたいと話されました。またネパールに介護学校「ポプラ学園ネパール校」を設立し、現在1学年36人、計2学年で72人の在籍者がいるとことです。ネパールでは、新設された在留資格「特定技能」の試験が2019年10月初めて実施されました。日本で特定技能の介護として働くためには、日本語検定4級の試験、介護に関する日本語テスト、介護に関する技能テストを受けて合格する必要があります。この試験に関してネパールではインターネットによる受験の申し込みを行ったところ、受験希望者が殺到し抽選により受験者が選ばれたそうです。その結果「ポプラ学園ネパール校」の生徒は10人しか受験できず、将来は日本で働くという希望を持ちながら学んでいる学生に不安が広がっていると話されました。一方、フィリピンでは他国に先駆けて最初に特定技能の試験が実施されました。1,000人が合格し、2020年の春には来日する予定です。今後はモンゴル、ミャンマー、カンボジアで特定技能の試験が実施されると話されました。

次に、ポプラで働く外国人介護人材に本校生が聞き取り調査を行いました。(写真③)対象は、フィリピン人EPA介護福祉士合格者1人とフィリピン人EPA介護福祉士候補者2人、そして日本の学校を修了し介護福祉士の資格を取得した在留資格「介護」のネパール人1人、日本語学校に通うネパール人留学生の1人、在留資格「留学」の中国人1人の計6人です。

日本に来た理由について、2人のフィリピン人EPA介護福祉士候補者はサウジアラビアへ行くことを考えていたが家族に反対され、女性にとって安全で治安のよい日本に行くことを勧められたと回答しました。また、ネパール人留学生の介護人材の女性は、ネパールでは女性は夜8時以降に外出するのは危険なのに対して、日本は安全なので来たと回答しました。

次に日本に来て困っていることは何かという質問に対して、6人全員が日本語習得の問題をあげました。そして、将来は日本にいたいか、母国に帰りたいという質問に対して、6人のうち4人が将来も日本で働き続けたいと回答しました。

最後に、今後、日本が海外から多くの介護人材を受け入れるために何が必要かという質問をしました。6人全員が日本語習得への支援と回答しました。特に、日本で最初に介護福祉士の国家試験に合格し、日本に10年居住し永住権を申請しているフィリピン人介護福祉士は、「私たちは日本語を学びたいと思っているが、介護の仕事が過酷なため肉体的にも精神的にも疲れているので、仕事以外の時間に自ら日本語を学ぶことは難しい」と回答し、日本の介護施設における労働環境の改善を訴えました。

日本の介護現場の現状と介護現場で働く外国人の現状を知ることができ、非常に有意義な体験でした。今後は、この経験を課題研究活動に活かしていきたいと考えています。





(写真①)県立国際生、特養老人ホーム「ポプラ」訪問


(写真②)ポプラについて企業側から説明


(写真③)ポプラの外国人介護人材にインタビュー



2020/
2/1(土)
1年次生
(17回生)
SGHフィールドワーク@ワン・ワールド・フェスティバル2020 (1年次生)

本校1年次生全員がカンテレ扇町スクエアおよび北区民センターを会場に開催されたワン・ワールド・フェスティバル2020に参加して、フィールドワークを実施しました。

ワン・ワールド・フェスティバルは、「国連持続可能な開発サミット」で提言されたSDG’sが示す17の目標と理念を共有して、様々な団体・機関と出会い、情報と出会い、人と出会って、今後につなげるための「きっかけ」や「場」を提供することを目的に開催されました。

NGO・NPO、行政をはじめとする各種団体、学校、企業、教育機関等、100を超える出典団体が国際協力や社会的課題解決の取り組みを幅広く紹介する西日本最大規模のイベントです。

これに参加することでSGHの課題である「移民研究」をはじめとする社会的課題や日本の未来の選択肢を考える契機とすることを目的としてフィールドワークを実施しました。

生徒たちは事前に考えた調査項目について、各ブースを訪れメモをしながら熱心に聞き取り調査を行いました。(写真①~④)中には、UNHCRの難民キャンプで実際に使用されるテントを訪れ、職員より難民がかかえる諸問題に関する説明を受け、これに対して質問した生徒たちもいました。(写真⑤)

この日の活動を終えた生徒たちは聞き取り調査した内容をワークシートにまとめました。国際社会が抱える様々な課題について考える非常に良い機会となりました。



(写真①)プランにて取材


 
(写真②)民族衣装体験

(写真③)JVC日本ボランティアセンターにて取材

(写真④) JICAにて取材


(写真⑤) UNHCR難民キャンプのテントで取材
2020/
1/25(土)
1,3年次生
(17,15回生)
SGH:高槻高等学校第2回グローバルヘルス高校生フォーラム(1,3年次生)

本校で課題研究活動に取り組む3年次生2人とアジアの架け橋プロジェクト留学生1人が高槻高等学校で開催された「第2回グローバルヘルス高校生フォーラム」に参加しました。

このフォーラムには高槻高等学校・中学校の生徒135人とスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されている高等学校から招待された18人の生徒が参加しました。

まず、WHO神戸センター所長であるサラ・ルイーズ・バーハー博士によるグローバルヘルスに関する英語による基調講演がありました。

次に、テーマ別ワークショップが行われました。参加生徒は設定された16のテーマに分かれてグループディスカッションを英語で行いました。本校の3年次生は「ファストファッションと健康」と「支援と健康」、アジアの架け橋プロジェクト留学生は「肥満と健康」いうテーマのワークショップにそれぞれ参加しました。

「ファストファッションと健康」に参加した3年次生は、バングラデシュなどの途上国では移動労働者や女性などの低賃金労働によりファストファッションの製品が生産されていることを指摘しグループ討論を進めました。(写真①)

また「支援と健康」に参加した3年次生はグループでのディスカッションを自らパワーポイントを作成し英語でまとめました。
(写真②)

「肥満と健康」に参加したアジアの架け橋プロジェクト留学生は自らの体験を話しグループディスカッションを進める契機を作りました。(写真③

このワークショップの後、全員が集まりそれぞれのグループからディスカッションの内容について報告を英語で行いました。本校から参加した3人もグループの一員として英語でプレゼンテーションを行いました。(写真④)

生徒の報告に対して英語で講評があり、閉会あいさつでフォーラムは終了しました。(写真⑤)

他のSGHの課題研究活動に取り組む生徒と意見を交わすことができ、よい経験となりました。

 



(写真①)ファストファッションと健康について


(写真②)支援と健康について


(写真③)本校留学生が経験を語る


(写真④) ファストファッションについて報告


(写真⑤) 全体会
2020/
1/16(木)
1年次生
(17回生)
SGH:移民マップ発表会(1年次生)

本校1年次生は移民マップを作成し、2020年1月16日「移民マップ」発表会を行いました。

今年は、日本とブラジルの人の移動に焦点を当て、「日本人ブラジル移民史」をテーマに移民マップに取り組みました。

1組は「日本人ブラジル移民史Ⅰ ~1908年-なぜ日本人はブラジルに移住したのか」について発表しました。 (写真①)

2組は「日本人ブラジル移民史Ⅱ 1908~1980年-日本人移民社会はブラジルでどのように発展したのか」について発表しました。
(写真②)

3組は「日本人ブラジル移民史Ⅲ 1980~2018年-なぜ日系ブラジル人は日本で急増したのか」というテーマで課題研究に取り組みました。(写真③)

具体的には、人口移動の推移グラフ、マップ、移出国のプッシュ要因、移入国のプル要因、結論をそれぞれのクラスで1枚のポスターにまとめました。

発表はポスターセッションの形式で行い、全員で評価を行いました。この発表会を通して、日本とブラジルの110年間の移民の動向について理解を深めることができました。 


(写真①)
1組の発表「なぜ日本人はブラジルに移住したのか」


(写真②)2組の発表「日本人移民社会のブラジルでの発展」


(写真③) 3組の発表なぜ日系ブラジル人は日本で急増
したのか」

2020/
1/15(水)
2,3年次生
(16, 15回生)
SGH:第2回昼休み辻説法(2,3年次生)

第2回「昼休み辻説法」が2020年1月15日の昼休みに中央廊下で行われました。対象は、課題研究活動に取り組む3年次生2人と2年次生20人でした。3年次生の2人は課題研究論文を完成させ、12月に行われた「甲南大学リサーチフェスタ2019」で受賞した生徒です。2年次生は論文をこれから本格的に作成する生徒です。

まず、3年次生から課題研究論文作成にあたり、大切なことについて話がありました。具体的には、テーマ設定は抽象的なものではなく具体的なものにすること、そして今はできるだけ多くの先行研究を調べて収集することを2年次生に訴えました。また、自分の研究に独創性をもたすことが重要であると話をしました。具体的には、これまでの研究では取り上げてない新しい社会情勢に配慮して研究すること、また、自分にしかできない調査をすることが大切である、と訴えました。 (写真①、②)

3年次生の研究成果を共有し、2年次生の課題研究活動を進めるため非常に有意義な契機となりました。




(写真①)
 


(写真②)

2019/
12/22(日)
1-3年次生
(17-15回生)
SGH:甲南大学リサーチフェスタ2019(1-3年次生)

2019年12月22日に甲南大学岡本キャンパスにおいてリサーチフェスタ2019が開催され、大学生と大学教員、県内および県外の高校生と高校教員あわせて約1,150人が参加し357の課題研究の発表が行われました。本校からはSGH課題研究活動に取り組む3年次生3人、2年次生1人、1年次生10人の計14人が参加しました。

3年次生は3年間の課題研究の成果をポスターにまとめて発表を行いました。前さんは「日本在住の外国人生徒の母語・母文化の継承-ある高等学校に在籍する外国人生徒のエスノグラフィ」について発表 (写真①)、中沢さんは「日本の国籍制度に関する事例研究-日本の国籍制度に関する考察-」について(写真②)、長野さんは「外国人労働者の受け入れについての事例研究-技能実習における家族滞在に焦点を当てて-」というテーマで発表しました。(写真③)それぞれが学校設定科目「提案 日本の選択」の授業で作成した課題研究論文の内容を発表しました。

2年次生の岩淺さんは “Consideration of survey results for Filipino who have moved out of the Philippines: What we can do for foreigners” というテーマで英語を使って発表(写真④)を行いました。

1年次生の相宗・大村・阪口・蜂谷・林グループは「カンボジア・フィリピン・タイの若年層における日本での就労に関する意識と調査」というテーマで発表を行いました。(写真⑤)

また1年次生の水上・佐藤・内田・堂園・細越グループは「カンボジアでの移出労働経験者に対する調査結果の分析-2017年と2019年の調査結果の比較から見えてくるもの-」というテーマで発表を行いました。(写真⑥)水上グループ

プレゼンテーションの後は交流会が行われ、本校生は他校の生徒と一緒にグループワークに取り組みました。

この後、表彰式があり、本校3年次生の長野さんが総合評価で審査員特別賞を、同じく3年次生の前さんが部門別評価でアトラクティブプレゼンテーション賞およびロジカルデザイン賞を受賞しました。(写真⑦)

このリサーチフェスタは、課題研究に取り組む高校生の他、大学生や大学院生も参加し、お互いの研究成果を知ることができ、非常に有意義な経験でした。



(写真①)
前さん発表   (写真②)中沢さん発表


(写真③)長野さん発表    (写真④)岩淺さん発表


(写真⑤)相宗グループ(写真⑥)水上グループ


(写真⑦)3年次生長野さんと前さんが入賞
2019/
12/22(日)
2年次生
(16回生)
SGHスタディツアー@全国高校生フォーラム2019(2年次生)

生徒4名(2年次生)と引率教員1名が、SGHスタディツアー@全国高校生フォーラム2019に参加しました。場所は、東京都の東京国際フォーラムでした。

10:00に開会式があり(写真①)、10:30から生徒交流会がありました。4人は分科会「社会的環境と生活」に参加し、社会問題とその原因・理由、高校生ができること、について英語で話し合いました。(写真②)

12:50からポスター発表会があり、本校生徒は、「フィリピンにおける移出経験者への調査結果の考察-私たちが外国人のためにできること」を発表しました。(写真③)

生徒交流会(全体会)のあと、表彰式が行われ、閉会式がありました。(写真④)


(写真④)表彰式、閉会式

(写真①)
 全国高校生フォーラム開会式


(写真②)「社会的環境と生活」分科会参加


(写真③)本校生ポスターセッション発表
2019/
12/18(水)
1-3年次生
(17-15回生)
SGHプレゼンテーション@国際交流セミナー(1-3年次生)

兵庫県立国際高等学校で課題研究活動に取り組むプロジェクトチームのメンバー3年次生2人と2年次生4人が芦屋ルナホールで兵庫県立大学留学生40人を対象に、本校のSGH活動内容についてポスターセッションを行いました。プレゼンテーションおよびディスカッションはすべて英語で行いました。

まず、本校3年次生の司会が英語で開会挨拶をした後、国際交流セミナーに参加した本校生と兵庫県立大学留学生がいくつかのグループに分かれてお互いに自己紹介を英語で行いました。(写真①)

次に、本校生が兵庫県立大学留学生に向けてSGH課題研究の成果をポスターセッションで発表しました。

3年次生の中沢さんは“A case study on the Japanese nationality act: focusing on people with multiple nationality”というテーマで、日本の国籍制度と重国籍保有者のアイデンティティの関係を調査した結果について英語で報告を行いました。(写真②)

3年次生の長野さんは“A Study on Foreign Workers in Japan: Focusing on Technical Intern Trainees and Family Accompaniment in Japan”というテーマで、外国人労働者の家族滞在に注目し、ヨーロッパでは様々な法により外国人労働者の家族滞在が認められている事例をあげ、人権の観点から日本の技能実習生の家族滞在を認めるべきであるという報告を英語で行いました。(写真③)

2年次生の4人は“Consideration of survey results for Filipino who have moved out of the Philippines: What we can do for foreigners”というテーマで、フィリピンの移出労働経験者、特に日本への移出労働経験者の聞き取り調査の結果を分析し、外国人が日本で暮らすうえでの課題を明らかにし、日本人と外国人が共に暮らしやすい国づくりについての提案を英語で行いました。

プレゼンテーションの後は、本校生と兵庫県立大学留学生とでそれぞれのテーマに関するディスカッションが英語で行われました。留学生からの質問に意見に対して、本校生が英語で丁寧に応答しました。

なお、本校生の発表に関してはアジアの架け橋プロジェクト留学生とチェコの留学生がサポーターとして参加しました。また、本校1年次生も積極的にディスカッションに参加しました。

大学の留学生へのSGH課題研究活動のプレゼンテーションは今回が初めてでしたが、留学生から多くの助言や意見をいただき、課題研究を進める本校生にとっては非常に有意義な経験となりました。


(写真①)
県立国際生が県立大学留学生に自己紹介


(写真②)中沢さんのポスター発表


(写真③)長野さんのポスター発表   




2019/
12/18(水)
1-3年次生
(17-15回生)
SGH課題研究最終発表会・海外研修報告会(1-3年次生)

令和元年度スーパーグローバルハイスクール(SGH)課題研究最終発表会が芦屋ルナホールで行われ、1,2,3年次生がSGH課題研究の成果を発表しました。

また、それに先立ち 2年次生のC.C.C発表会があり、17回生向け海外研修報告が行われました。、

 まず、1年次生が来年の海外研修の行先を考える手助けをするため、海外研修(イギリス・アメリカ・カナダ)について2年次生が報告を行いました。さらに現地で行った日本紹介のプレゼンを行いました。(写真①②③④

続いて、SGH課題研究最終発表会が行われました。
まず、学校長と県教育委員会高校教育課からの挨拶(写真⑤⑥)がありました。
以下のようなタイトルで各学年がSGH課題研究報告を行いました。
第一部
1.1年次生
(1)「SGHカンボジアスタディツアー2019」実施報告(写真⑦)
(2)「カンボジアの高校生に対する日本での就労意識に関する調査」(写真⑧)

結論:就労可能な在留資格には家族滞在を認めるべき

(3)「カンボジアでの移出経験者に対する調査結果の分析」
(写真⑨)

結論:技能実習生の働き方改善

2.1,2年次生 
「SGHプレゼンテーション@西宮浜中学校」(写真⑩)

3.2年次生
(1)「アメリカ・イギリス・カナダにおける災害支援に関する意識調査」(写真⑪)

(2)「日本の外国人労働者に対する防災教育に関する事例研究」(写真⑫)

結論:外国人労働者を受け入れている企業や職場が積極的に防災教育支援を行う必要がある。

(3)「ニュージーランドにおけるボランティア意識について」」(写真⑬)

第二部
4.3年次生
(1)「日本在住の外国人生徒の母語・母文化の継承―ある高等学校に在籍する外国人生徒のエスノグラフィ」(写真⑭)

外国人生徒の実態:少し違う価値観や社会ネットワークを持っている=同時に二つの世界で生きている

(2)「日本の国籍制度に関する事例研究」(写真⑮)

結論:国籍制度と個人のアイデンティーの差があるので、国籍制度の改正が望まれる

(3)「外国人労働者の受け入れについての事例研究―技能実習における家族滞在に焦点を当てて―」(写真⑯)

結論:日本は技能実習の家族滞在を認めるようその制度を改めるべきである


発表の後、本校生3名、本校生OB1名を含み、山田賢司前外務大臣政務官、芦屋市教育長 福岡憲助氏、社会デザイン学会 佐野敦子氏、県教育委員会辻登志雄氏の9名がパネルディスカッションを行い、当日の発表の感想を述べたり、研究をさらによくするためのアドバイスを行いました。(写真⑰)


(写真⑭)日本在住の外国人生徒の母語・母文化の継承


(写真⑮)日本の国籍制度に関する事例研究


(写真⑯)外国人労働者の受け入れについての事例研究


(写真⑰)パネルディスカッションでの研究をさらによくするためのアドバイス 

(写真①)
        (写真②)

(写真③)        (写真④)(①~④日本紹介)


(写真⑤)井上校長挨拶 (写真⑥)辻登志雄主任指導主事挨拶


(写真⑦)
SGHカンボジア・スタディツアーについて報告


(写真⑧)カンボジア高校生の日本での就労意識について


(写真⑨)カンボジア移出経験者に対する調査結果の分析



(写真⑩)西宮浜中学校で行ったSGH プレゼン


(写真⑪)米・英・加での災害支援に関する意識調査


(写真⑫)日本の外国人労働者に対する防災教育に関する事例研究


(写真⑬)ニュージーランドにおけるボランティア意識について

2019
12/7(土)
2年次生
(16回生)
SGHスタディツアー@移民政策学会2019冬季大会 (2年次生)

移民政策学会2019年度年冬季大会が長崎大学で開催され、本校から2年次生3人が参加しました。

まず、難民インタレストグループに参加しました。国連UNHCR協会特別顧問の滝澤三郎氏による「特定技能と難民認定制度」という報告を聞きました。(写真①)難民の受け入れと「特定技能」外国人労働者の受け入れのあり方について理解を深めることができたとともに、その課題について考えるよい契機となりました。

次に、社会連携セッションが開催されました。このセッションでは、本校2年次生の岩谷さんが「日本に居住する外国人女性に対する支援について-外国人女性への日本語教育に焦点をあてて-」を報告しました。(写真②) また、本校2年次生の清間さんによる「日本における外国人の子どもの貧困に関する事例研究-子ども食堂に焦点を当てて-」の報告がありました。(写真③)最後に、本校2年次生の貞好さんによる「ハーフにおける言語能力と自己認識に関する研究-インドネシアと日本のハーフに焦点を当てて-」という報告が行われました。(写真④)

3人の発表の後、質疑応答が行われました。専門家より多くの質問をいただき、生徒は丁寧に回答しました。(写真⑤) 本校生が移民政策学会で発表するのは今回で7回連続となりますが、このような場で多く生徒が発表できたことは非常に有意義でよい経験となりました。今回の経験を今後の課題研究活動に活かし、さらによい論文の作成に努めていきたいとかんがえています。

社会連携セッションではその後、筑波大学の明石純一氏と佐々木優香氏より「筑波大学における定住外国籍児童に対する「職育」プロジェクト-進展、挑戦、課題」というテーマで実践報告がありました。外国人の子どもに対する支援のあり方について考えるよい契機となりました。
その後は、「日本社会の移民新時代を迎えて-九州の現実から移民政策を問う-」というテーマで全体シンポジウムが開催され、本校生も参加しました。在留資格「特定技能」が新設され、外国人労働者の受け入れ拡大に向けての課題について話しがありました。

この後、会場である長崎大学文教キャンパスを出発し長崎空港から航空機に乗り大阪空港に向かいました。


(写真①)滝澤氏の報告「特定技能と難民認定制度」


(写真②)本校2年次生岩谷さん、外国人女性への支援について報告



(写真③)清間さん、日本在住の子どもの貧困について、報告


(写真④)貞吉さん、2重国籍者の言語能力と自己認識について報告


(写真⑤)本校生3名が質疑応答
2019
11/
16 (土)-17(日)
2年次生
(16回生)
SGH スタディツアー@国際開発学会&人間の安全保障学会2019共催大会
(2年次生)


SGH課題研究に取り組む本校生2年次生の2人が、東京大学駒場キャンパスで開催された「国際開発学会&人間の安全保障学会2019共催大会」に参加しました。

1日目は、東京大学駒場キャンパスMMホールにて行われたポスターセッション部門において、本校生が研究発表を行いました。

テーマは「日本の外国人労働者に対する災害教育に関する事例研究」でした。日本に居住する外国人労働者に焦点を当てて、行政や外国人労働者を雇用している企業は外国人労働者に対して災害教育を十分に提供しているのかという点に着目した研究報告を行いました。地方自治体の多くが外国人労働者に対する災害教育を行っていない事例をデータで紹介し、姫路で行った調査結果やアンケート調査から日本で働く外国人労働者の多くが災害教育を受ける機会がないことを報告しました。

その上で、災害発生時において日本で働く外国人労働者の命を守るために、国や自治体や企業が外国人労働者に対する災害教育を行う必要性を訴えました。(写真①②)

この学会は、国際学会であり多くの外国人研究者が本校生のポスター発表を聞いてくださり、本校生は英語でプレゼンテーションおよび質疑応答を行いました。また、専門家による審査を受けました。日本の研究者を含めて、聴衆に対して計7回の発表を行いました。研究者からは、外国人労働者に対する災害教育に関する本格的な調査研究はなく、高校生がこのテーマで研究を行っていることが評価できるとコメントをいただきました。

一方で、災害教育の定義を明確にすることなど、多くの助言をいただきました。このような国際学会の貴重な場で研究成果の報告ができ、多くの助言をいただいたことは本校生の今後の研究活動を進めていくうえで非常に有意義な経験でした。

ポスターセッション後は、基調講演が行われ本校生も参加しました。テーマは「難民/移民そして教育-グローバルコンパクトの時代における課題」でした。講師は、オックスフォード大学のJeff Crisp博士、国際移住機関本部上級政策顧問のEva Akerman Borje女史、国連UNHCR特別顧問の滝澤三郎氏であり、講演および質疑応答はすべて英語で行われました。(写真③)

基調講演の後は、プレナリーパネルが行われ、ロヒンギャ難民でユニクロで働くカディザ・ベコム氏、法務省移民政策局政策課長の福原申子氏、東京大学准教授のジャクリーン・アンダール氏、栄鋳造所社長の鈴木隆史氏による「仕事と就労」というテーマで討論を行いました。日本で難民が働くことの現状についての報告があり、その上で難民が日本で働くことの重要性について討議が行われました。このプレナリーパネルもすべて英語で行われました。日本で働く難民の現状と課題を知ることができ、とてもよい勉強になりました。

2日目、通常セッションおよび特別セッションが行われました。本校生2人は各会場に分かれて、通常セッションに参加しました。

本校2年次生の髙橋は、”Blockchain and Refugee Protection”および「東日本大震災以降の防災と人間の安全保障:レジリエンスの視点から」に参加しました。(写真④)そして午後からは「紛争研究報告」に参加しました。

同じく2年次生の西條は「国際開発とボランティア」および「開発協力において青年海外協力隊は何をもたらしたか」、そして午後からは「貧困のフィールド分析研究報告」に参加しました。報告は英語または日本語で行われました。移民や難民に関する最新の研究報告について学ぶよい機会となりました。

この後、会場である東京大学駒場キャンパスを出発し、羽田空港から飛行機に乗り神戸空港に着き、すべての活動を終えて解散しました。

なお、12月19日に国際開発学会・人間の安全保障学会2019実行委員会が開催され、審査の結果、本校生の研究成果が人間の安全保障学会奨励賞を受賞することが決まり、表彰状を授与されました。


 


(写真①)高橋さんが研究を説明

(写真②)西條さんがポスターを解説


(写真③)基調講演


(写真④)通常セッションに参加


2019
11/14(木)
1-3年次生
(17-15回生)
第2回SGH特別講演会「多文化共生社会をめざして」 (1-3年次生)

 SGH特別講演会が行われ、全学年の生徒が参加しました。講師は明治大学 国際日本学部 教授 山脇 啓造 氏で、「多文化共生社会をめざして」~外国人労働者と日本社会~をテーマにお話しいただきました。(写真①)内容は、
1.はじめに
 A)多文化共生の新時代
 B)外国人材の活用
 C)転機の2014年
 D)少子高齢化
 E)地域における多文化共生
2.地方自治体による取り組み
 A)1970年代
B)1980年代
 C)1990年代
 D)2000年代
 E)2010年代
3.国の取り組み
 A)2006-2013
 B)2014-2016
C)2017
D)2018
E)2019
4.外国の取り組み
 A)ドイツ
 B)韓国 
 C)台湾
 D)都市ネットワーク(インターカルチュラル・シティ、シティーズ・オブ・マイグレーション、ウェルカミング・ネットワーク)
5.おわりに
 A)国の課題 
 B)教育の課題
 C)自治体の課題
 D)企業の課題
そのあとQ&Aがありました。(写真②)



(写真①)明治大学山脇教授による講演


(写真②)移民問題について質問をする生徒



2019
10/25(金)
1年次生
(17回生)
SGHカンボジア・スタディツアー(4日目)
(1年次生)


 10月25日、朝6時に起床し朝食をすました後フィールドワークに出発し、9時にシュムリアップのプロン村に到着しました。
(写真①)


調査場所は前回2016年3月に実施した同じ村です。プロン村では村長と副村長の出迎えを受けました。生徒は2つのグループに分かれ、村長と副村長にそれぞれ誘導していただき3組の家族を対象に、移動労働経験者にインタビューによる聞き取り調査を実施しました。生徒は用意していた質問事項について英語で質問し、通訳者がクメール語で現地の人に質問し本校生に英語で答えるという形式で行いました。

6つの家族を訪問し計7人のカンボジア人に調査を行いました。シェムリアップ州はタイに近いことから移動労働先は前回の調査と同じくタイが多かったのですが、ほとんどの移動労働経験者がタイにはもう行きたくないと答えました。理由はタイで働いてもらう賃金とカンボジアで働いてもらう賃金はあまり変わらないのでリスクを冒してまで海外に働きに行きたくはないということでした。前回の調査した時より、カンボジア国内の経済が成長していることが実感できました。

調査対象中には日本への移出経験者がいました。彼は3年間、技能実習生として長野県の農家で働きました。時には深夜2時から17時まで働き、15~20万円の給料を受け取り、うち約10万円はカンボジアの実家に仕送りをしていました。その資金で家を新築し、一人の妹を大学に進学させ、もう一人の妹を高校に進学させ大学にも進学させる予定であるということでした。彼は現在、カンボジアの日本語学校に通っており、再び日本に技能実習生として働きに行くつもりであると述べました。

移動労働先によりその人とその家族の生活に大きな影響を与えることを実感でき、将来、カンボジアから多くの労働者がやってくると予見されました。その他、多くの聞き取り調査のデータが得られ、非常に有意義で貴重な体験となりました。

フィールドワーク終了後、アンコールワットを通りシェムリアップ空港に向かいました。ホーチミン経由で26日朝に関西国際空港に到着しカンボジアスタディツアーを無事終えることができました。




(写真①)シュリムアップのプロン村に到着


(写真②)村の人々にインタビュー調査



2019
10/24(木)
1年次生
(17回生)
SGHカンボジア・スタディツアー(3日目)
(1年次生)


 10月24日、朝、タケオ州サモール村の寺院で朝食をとった後、プノンペンに自動車で向かいました。

10時15分にWestern International High School Northwest Campusに到着しました。3階の教室にてWestern International High School(WIHS)の1年生149人に対して、本校生がパワーポイントを使ってプレゼンテーションを英語で行いました。(写真①)

まず、本校の紹介を行い、次に日本とカンボジアの文化や生活の共通点と違いについてプレゼンテーションを行いました。日本では夏休みに盆踊りをするというプレゼンテーションの中で、本校生が浴衣で盆踊りを披露しました。(写真②)

プレゼンテーションが終わった後は、Western International High Schoolの生徒に対して、日本での就労意識に関する聞き取り調査を実施しました。調査の後は、本校生とWestern International High Schoolの生徒の間でディスカッションと交流会が行われました。

プレゼンテーションの途中で付近の火災が原因で停電となり、プレゼンテーションが途中で中断するというハプニングがありましたが、Western International High Schoolの生徒は日本に対して非常に興味のある生徒が多く、活発な交流が行われました。本校生1人に対して何人ものカンボジアの生徒が取り囲み、本校生は用意していた日本のグッズを使って積極的にコミュニケーションを図りました。カンボジアの高校生と交流ができ、非常に有意義な経験でした。(写真③)

Western International High School訪問の後は次の活動先であるシェムリアップに飛行機で移動し、三日目の活動を終えました。



(写真①)県立国際生がプレゼン

(写真②)県立国際生、日本の盆踊りを実演



(写真③)カンボジアWIHSの生徒と交流


2019
10/23(水)
1年次生
(17回生)
SGHカンボジア・スタディツアー(2日目)
(1年次生)


 10月23日,朝、プノンペンからタケオ州に移動し、2011年2月20日に国際高校が募金を集めて作られた村の井戸を見学し、(写真①)村の人たちと交流を持ちました。

その後、タケオ州サモール村に移動し、ベースキャンプとなる寺院でクメールアジア友の会、副事務局長のフーン・コーン氏によりこの村での活動についての説明があり、現地のスタッフの10人の紹介がありました。(写真②)

昼食の後、寺院に集まってきた村の子どもと交流をしました。本校生は用意をしていたクメール語の辞書を片手にカンボジアの子どもたちに日本の手遊びや折り紙を教えたりして、一緒に遊びながら交流を深めました。

その後、生徒は3つのグループに分かれ計11軒の家庭を訪問し、移動労働経験者にインタビューによる聞き取り調査を実施しました。生徒は用意していた質問事項について英語で質問し、通訳者がクメール語で現地の人に質問し英語で本校生に答えるという形式で行いました。計11人のカンボジア人に調査を行いました。(写真③)

今回は前回行った再調査でしたが、前回インタビューした人に調査はできませんでした。理由は、すべての家庭で誰かが海外に働きに行っていましたがその人は帰国後にサモール村に戻らずプノンペンで働いている人が多かったためです。前回の調査から3年半がたちますが、移動労働の実態が変化していることがわかりました。

夕食後は、サモール村の人々との文化交流会が行われました。本校生はパプリカとカンボジアの踊りであるアッラピーアを披露しました。アッラピーアは本校が受け入れているカンボジア人のアジアの架け橋プロジェクトの留学生から教えてもらったものです。その後は現地の人たちとカンボジアの踊りを一緒に踊りました。現地の人たちと交流を深めることができた一日でした。




(写真①)県立国際生の募金により建てられた井戸を見学


(写真②)クメールアジア友の会副事務局長フーン・コーン氏より活動の説明


(写真③)サモール村の人々に、移動労働についてインタビュー
2019
10/22(火)
1年次生
(17回生)
SGHカンボジア・スタディツアー(1日目)
(1年次生)


 10月22日,8時に関西国際空港に集合し、ホーチミン経由で17:00にプノンペン空港に到着しました。

その後は夕食会場に移動し、クメールアジア友の会代表であるロン・チョーン氏と日本のアジア協会アジア友の会が就学支援をしていたカンボジア人4人と一緒に食事をしながら交流を図りました。本校生は事前に用意していたカンボジア語の辞典を使いカンボジアと英語で会話をしました。(写真①) (写真②)

ロン・チョーン氏よりカンボジアの移動労働の現状についての講義がありました。国内の労働移動と海外への移動という2つの観点でお話をされました。

まず、国内の移動について、2013年において家族のうち1人が国内のどこかに移動しており、首都プノンペンでは労働者のうち71%が国内の移動労働者であると指摘されました。移動理由は労働により賃金を得るという経済的な要因が最も多く、第二に教育を受けるためという要因が多いです。

次に海外への労働移動について話されました。1990年代にはタイ、フィリピン、マレーシアの順でカンボジアから国外に働くに行く人が多かったですが、近年はマレーシアや韓国に働きに行く人が増え、日本は労働基準が厳しく働きに行くにはハードルが高いと指摘されました。

ロン・チョーン氏の講義の後は質疑応答がありました。本校生は積極的に質問をしました。これから調査を行う本校生にとって、カンボジアの移動労働の現状について知ることができ有意義な体験でした。(写真③)




(写真①)クメールアジア友の会の方々との食事会


(写真②)県立国際生カンボジアの若者と交流



(写真③)移動労働の現状について質問
2019
9/30(月)
1年次生
(17回生)
SGH移民マップ講演会「ブラジル移民110年の流れ」 (1年次生)

 SGH「移民マップ」講演会が行われました。特定非営利活動法人地域文化計画 副理事長 中村茂生 氏に、「移民マップ作成にあたり―ブラジル移民110年の流れ―」をテーマにご講演をいただきました。1年次生全員が受講しました。
講演のポイントは
① 1908年までの時代において、なぜ日本人はブラジルに渡ったのか(写真①)
② 1908~1945年の時代において、ブラジルでの日本人の暮らしについて(写真②)
③ 1946~2019年の時代において日本人移民はブラジル社会でどのような貢献をしてきたか
④ 1946~2019年までの時代において、なぜ日系ブラジル人が日本にやってきたのか。
というお話でした。
そのあと生徒からのいくつかの質問に対して、答えていただきました。



(写真①)なぜ日本人はブラジルに渡ったのか


(写真②)ブラジルでの日本人の暮らし



2019
9/21(土)
1,2年次生
(17, 16回生)
SGHフィールドワーク in 六甲 灘わくわく会 (1,2年次生)

 「SGHフィールドワークin六甲 灘わくわく会」が実施され、本校1年次生1人と2年次生4人の計5人が参加しました。(写真①)外国人の子どもや外国にルーツを持つ子どもたちに学習支援をしている「灘わくわく会」を訪問し、学習支援を見学するとともに、運営側および子どもたちに聞き取り調査を実施して外国人の子どもたちへの支援の現状や課題を考える契機とすることを目的に実施しました。

 まず運営側として代表の村山氏のお話を聞きました。支援している子ども数は25人で、国籍はフィリピン、ドミニカ共和国、
ラオス、中国、ベトナム、ネパール、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、パキスタンです。年齢は就学前6歳から中学3年生までを支援の対象としています。これに対して、支援員は16人で、全員がボランティアで支援を行っています。多くが小学校・中学校・高等学校の元教員です。

 次に運営上の課題について、第一に運営資金の問題をあげられました。灘わくわく会では子どもたちからお金は受け取っていません。兵庫県日本語ボランティアネットワーク等からの資金にたよっています。資金は支援員の交通費と教材に使用しています。多くの子どもを支援するには多くの支援員が必要であり、資金面では厳しいのが現状です。

 二番目の問題は支援員の確保です。支援員は元学校の教員が多いが高齢化が進み人材の確保が困難とのことです。兵庫県国際交流協会などを通して支援員を募集しているが支援員の確保は困難で、大学生など若い人の支援がほしいと述べました。

 次に本校生は子どもたちへの学習支援を見学するとともに、学習支援の手伝いを行いました。(写真②)この日は12人の子どもが参加しました。来日して1か月もたたない子どももいれば、学校の宿題をしている子ども、受験勉強をしている子どもなど、様々なニーズに対応しなければいけないことがわかりました。(写真③)

 この日の活動を終え、身近なところで外国人の子どもたちの支援が行われており、そこでは様々な課題があることがわかり有意義な経験でした。

 ちなみにこの日参加した本校生はその後も、灘わくわく会の活動に参加しボランティアで学習支援の手伝いを継続的に行っています。


(写真①)「灘わくわく会」訪問


(写真②)学習支援のお手伝い



(写真③)様々なニーズをもつ子供たち
2019
8/26(月)
1,2,3年次生
(17, 16,15回生)
SGHフィールドワーク in 姫路 2019
(1-3年次生)


 
 「SGHフィールドワークin姫路2019」が実施され、本校1年次生11人と2年次生5人、3年次生1人の計17人が参加しました。今回で5回目になる「フィールドワークin姫路」は2016年に調査を実施した外国人労働者を雇用している姫路市内の企業を再度訪問し、その後の企業と外国人労働者の現状を追跡調査し、今後の外国人労働者の受け入れについて考察する契機とすることを目的としました。

 まず、サワダ精密株式会社を訪問しました。(写真①)まず、企業側から企業説明を受けました。サワダ精密株式会社は82人の従業員のうち7人の外国人を雇用しています。外国人労働者の内訳は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」3人、在留資格「技能実習」4人であり、「技術・人文知識・国際業務」の3人は正社員として雇用されています。外国人従業員の国籍はすべてベトナムです。外国人労働者雇用のきっかけは2012年に新社長が就任した際、大量の退職者が出たことによりベトナム人技能実習生を受け入れ始めたことによります。それ以来、通算16人のベトナム人技能実習生を雇用してきました。サワダ精密株式会社では、2018年にベトナムに工場「sapan」を進出させました。きっかけは、2012年に雇用した1期生のベトナム人技能実習生であるミン氏の存在です。彼は2016年に実施した本校の聞き取り調査にたいして「将来はベトナムに帰ってサワダ精密株式会社のような会社をたちあげたい」と回答していました。ミン氏が工場の進出に対して、積極的に協力をすることになりサワダ精密株式会社はベトナム現地工場「sapan」を立ち上げることができました。

 次に社内見学をしました。(写真②)外国人労働者は各部署で日本人と共に働いていました。社内見学のあと、サワダ精密株式会社で働く2人のベトナム人労働者に対する聞き取り調査を実施しました。(写真③)一人は2016年度にもインタビューしたS氏でした。在留資格は「技術・人文知識・国際業務」です。彼は2018年度よりベトナムより妻と三歳の子どもを呼び寄せ日本で家族と一緒に暮らしていました。日本で困ったことという質問には、日本語と答え、特に家族を病院につれていかなければならないときに困ると回答しました。将来はベトナム現地工場「sapan」で働きたいと話しました。もう一人はベトナム人技能実習生の女性に聞き取り調査を行いました。彼女が日本で困っていることは日本語習得であり、母国で日本語を独自に勉強してきたが日本語、特に漢字は難しいと回答しました。将来は未定でベトナムに帰り、ベトナムで働くか日本にもう一度来るかわからないと回答しました。

 昼食後、梶原鉄工所株式会社にバスで移動しました。昼食後、企業側からの説明を受けました。(写真④)梶原鉄工所株式会社では98人の従業員のうち10人の外国人労働者を雇用しています。10人の国籍の内訳はベトナム9人、中国人1人です。在留資格は8人が技能実習であり、2人は技術・人文知識・国際業務であり2人は正社員として働いています。外国人労働者雇用の契機は社員の高齢化と日本人若年労働者の不足であり、2003年度に中国人技能実習生を6人受け入れたことによります。中国の経済発展に伴い中国人技能実習生は減り、近年はベトナムから技能実習生を招いています。今年度、在留資格「特定技能」が新設され技能実習生を継続して雇用することができるようになりましたが、技能実習生を継続して雇用したいかという質問に対して、優秀な人ならば検討をしたいと回答しました。

 次に、梶原鉄工所株式会社で働くベトナム人労働者に聞き取り調査を行いました。(写真⑤)一人は2016年度にも聞き取り調査を実施したL氏です。彼は姫路経営者協会が主催する「STEP HARIMA in HANOI プロジェクト」においてハノイで企業による面接試験を受けて雇用されました。在留資格は「技術・人文知識・国際業務」です。今年4月にベトナム人と結婚し来年には子どもが生まれる予定です。現在は家族と一緒に日本で暮らしています。将来は子どもが18歳になるまでは日本の学校で学ばせるため継続して家族と共に日本で暮らしたいと回答しました。その後、ベトナムに帰り母国の発展のために貢献したいと述べました。もう一人は27歳のベトナム人の男性で在留資格「技術・人文知識・国際業務」であり、今年度、採用されました。両親と弟を母国に残し寂しいが、長くの日本で働きたいと話しました。

 この日、訪問させていただいた両社とも前回の調査より大きな変化が見られました。それは、来日当時は単身で働いていた外国人労働者が家族を呼び寄せ、これから長く日本で家族と一緒に暮らしたいと考えていることです。

 この日のすべての活動を終え、(写真⑥)バスで本校に帰りました。




(写真①)サワダ精密株式会社訪問


(写真②)社内見学


(写真③)
インタビュー


(写真④)梶原鉄工所株式会社見学、説明


(写真⑤)聞き取り調査



(写真⑥)梶原鉄工所で集合写真
2019
8/1(木)
2,3年次生
(16,15回生)
SGHスタディツアー@関西学院大学 2019
(2、3年次生)


  本校の2年次生2名と3年次生3名が「SGHスタディツアー@関西学院大学2019」に参加しました。目的は、”AI活用for SDGs”~Society5.0に向けたWWWLCリーディングプロジェクト~ワークショップに参加することで、本校生が取り組んでいる移民研究についてAIを用いた解決方法を考える契機とすることでした。

 最初に、二宮哲也氏による基調講演が行われました。二宮氏は農産物にチップを埋め込み生産管理や商品の流通経路の分析に用いるシステムにAIが活用されていることを例にあげ、AI活用による社会発展の可能性について話されました。

 次に”AI活用for SDGs”というテーマで講演会が行われました。神余隆博氏は、SDGs11「住み続けられるまちづくり」を具体例に、AIを用いた建築技術の話をされました。続けて、巳波弘佳氏がAI技術の概要とAI活用について話され、AIを活用することで現実社会の課題を解決することの重要性を説かれました。

 午後からは、グループワークが行われました。この日集まった高校生が5人1組になって、課題解決のためにAIをどのように活用できるかについて討論しました。(写真①)日本の女性活躍促進と外国人労働者の雇用との関係を研究する本校生はジェンダー平等を実現するという課題解決のグループワークに参加し、自らの研究成果をもとに積極的に討論に参加しました。また「災害時における外国人への支援」をテーマに課題研究に取り組む本校生は自らが調べてきたデータをとりあげ世界平和を構築するというグループ討論に参加しました。もう一人の生徒は貧困を解決するためのグループ討論に参加しました。

 討論の後、グループごとに意見をまとめて発表が行われました。本校生は発表においてもリーダーシップを発揮して関西学院大学の学生や教員から評価の言葉をいただきました。(写真②
 
 普段から移民研究をしている本校生にとって、AIを活用した課題解決について考えるよい契機となりました。


(写真①)グループワーク


(写真②)意見をまとめ県立国際生発表

2019
7/18(木)
13年次生
(17回生)
SGHスタディツアー@3大学―兵庫県立大学・神戸市外国語大学・立命館大学(1年次生)

(1)スタディツアー@兵庫県立大学
 国際高等学校1年次生40人が「スタディツアー@兵庫県立大学」に参加しました。国際高校をバスで出発し、兵庫県立大学の神戸商科キャンパスに到着しました。
 まず、兵庫県立大学国際商系学部の職員より大学の説明を受けました。今年度より本校と兵庫県立大学商系学部は兵庫県により高大接続改革推進事業における連携校として指定され、専門的な教育資源を活用した発展的な学習を通して、高校段階から高度な英語力と国際的視野を育み、国際化に対応した特色づくりを推進することになったと説明を受けました。(写真①)

 次に、国際商系学部・社会情報学部から講師の龔園園氏による「コークの味は国ごとに違うべきか?」というテーマで講義がありました。最初にグローバリゼーションについて説明されました。グローバリゼーションとはヒト、モノ、カネ、情報が国境を越えて移動し、文化や市場、経済などの統合が進む現象であると話されました。グローバル化が進む中で、同じような商品やサービスが世界中に流行するケースが増えていることを指摘され、その上で国によって文化的、制度的、経済的な違いがあるため、現地のニーズや好みに対応することが企業にとって重要な戦略になると述べられました。現地の習慣や宗教に配慮した商品開発の必要性を訴えました。最後に、グローバリゼーションにおいて、多様なバックグラウンドを持った人がいるという視点を持ち、多様性を認めあう考え方が重要であると話されました。 (写真②)
 講義の後、本校卒業生2人が大学での生活について紹介をしました。そして課題研究活動に取り組む1年次生に対して、この時期にしっかり取り組むことが将来にとって大切であるとアドバイスをしました。
 その後、兵庫県立大学の食堂で食事を済ませた後、キャンパスを見学し、バスで国際高校に戻って来ました。

(2) スタディツアー@神戸市外国語大学
 国際高等学校1年次生40人が「スタディツアー@神戸市外国語大学」に参加しました。国際高校をバスで出発し、神戸市外国語大学に到着しました。
 大学説明を受けた後、総合文化准教授である太田悠介氏の講義を受けました。講義のタイトルは「移民社会フランス-第二世代の視点から-」でした。まず、フランスは生地主義をとり、フランスでは両親がフランス人ではないがフランスで生まれた「移民二世」と呼ばれる人がいることを説明されました。その上で、フランス人とは「混ざり合うフランス人」なのか「生粋のフランス人」なのかという、「フランス人とは誰か」という議論が1980年代にあったと指摘されました。そのなかで、「生粋のフランス人」は「混ざり合うフランス人」である第二世代に対して「パンを奪う」などといって非難をしてきました。第二世代は親とは違い、帰るべき国はフランス以外になく、また親とは異なる文化を持っています。それにもかかわらず、第二世代は自分の生まれたフランスを否定され「自国に帰れ」と差別を受けてきたと前置きをしたうえで、両親の母国を知らず生まれた国まで否定されることは第二世代にとってはアイデンティティの喪失につながる問題であると話されました、
一方、日本では1990年の入国管理法改正により今後は移民第二世代が登場することになると指摘されました。彼らは親の祖国と日本のはざまで生きることになり、彼らの「生の重み」をどのように受けとめ共生していくかを考えるうえで1980年代のフランスの事例と重ね合わせて検討することが課題であると述べられました。
今年度、ディベート課題研究活動においてフランスの移民政策の学習に取り組んでいる1年次生にとっては、非常に参考になる講義でした。この経験をディベート課題研究活動に活かしていきたいと考えています。
 講義の後は、構内で昼食をとったあとキャンパスツアーを行いました。その後は、教室で神戸市外国語大学に在籍する本校の卒業生との交流を行いました。参加してくれた卒業生は3人で、その中にはSGH課題研究活動に取り組んだ学生もおり、本校の1年次生に向けて課題研究活動に取り組む上での助言をするとともに、励ましの言葉を送ってくれました。
 すべての活動を終えて、バスで本校に帰ってきました。

(3) スタディツアー@立命館大学
 国際高等学校1年次生40人が「スタディツアー@立命館大学」に参加しました。国際高校をバスで出発し、立命館大学の衣笠キャンパスに到着しました。
 まず、立命館大学文学部教授である米山裕氏の講義を受けました。講義のタイトルは「「境界」と「移動」について考え直す」でした。
 最初に、学校を取り上げ、誰が学校に入れるのか、入る資格は何か、どうやって資格の有無を判定するのか、資格を持たない人は学校に入れないのか、と問われました。次に、駅を取り上げ、誰が駅に入れるのか、入る資格とは何か、どうやって資格の有無を判定するのか、資格を持たない人は駅に入れないのか、と問われました。米山氏は、境界により仕切られた場所はそれぞれ意味を持つと考えられているが、実は逆であり意味を持つから境界を設定して人の出入りを制限すると「境界」の意味を説明されました。
次に、人はなぜ「境界」を作るのかというお話をされました。領域を設定し、その「境界」を設けるのは人間社会であると指摘されました。人間社会にはさまざまな「境界」があり、「国境」や「国籍」もこれにあたります。「国境」や「国籍」は、国民の管理とそのためのシステムであり、国民と非国民を峻別し、外国人を合法と非合法で峻別するための仕組みであると説明されました。つまり非合法な人々を作り出すシステムが「国境」や「国籍」であり、これらはすべて先進国が作り出していると話されました。作り出された「国境」や「国籍」により峻別された人々は差別にさらされており、この差別はなくすべきだがなくならないのが現状であると述べられました。
次に、心の中の壁をテーマに国民という概念について説明がありました。米山氏は、純粋な日本人はいるのかと問われました。そもそも人は古代より移動しており、日本人のルーツは大陸であったり、南方であったりします。米山氏は一人の女性の写真を提示し、何人に見えるかと問われました。答えは、日系アメリカ人であると指摘されたうえで、見た目は日本人でも日本人ではない人が存在すると前置きをしたうえで、彼女は自分のアイデンティティについて悩んでいるという事例をあげました。
最後に、「移動」する人について研究する意味は、自分の「世界」を開くことであると述べられました。また、「共存」とは「受け入れる」ことではなく、対等に暮らすことであると話されました。
米山氏の講義を受け、改めて「移民」の意味について考え直す機会となりました。ディベート課題研究活動において、アメリカ合衆国とフランスの移民政策を研究している1年次生にとってよい学習の機会となりました。
その後は、教室で立命館大学に在籍する本校の卒業生との交流を行いました。参加してくれた卒業生は本校の1年次生に向けて課題研究活動に取り組む上での助言をするとともに、励ましの言葉を送ってくれました。
 講義を終えた後は、大学説明を受け、立命館大学の学生によるキャンパスツアーを実施しました。その後、構内で昼食をすましてバスで国際高校に帰ってきました。




(写真①)兵庫県立大学の説明


(写真②)兵庫県立大学での講義
2019
7/12(金)
1,2,3年次生
(17, 16,15回生)
SGH特別講演「日本における難民支援の現状――難民を正しく理解するために―」(1-3年次生)

 SGH特別講演会を行いました。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)駐日代表を務められ、現在は、国連UNHCR協会・特別顧問で東洋英和女学院大学大学院の客員教授である滝澤 三郎(たきざわ さぶろう)先生に、「日本における難民支援の現状――難民を正しく理解するために―」をテーマにご講演をいただきました。(写真①)1~3年次生全員が受講しました。 (写真②)

①研究論文とは 
②第1部:世界の難民問題
1)問題は何か
2)原因は何か
3)対策は何か
③第2部:日本の難民問題 
1)問題は何か
2)原因は何か
3)対策は何か
④私たちにできること 
についてお話しいただきました。講演後の質疑応答では、本校でSGHの課題研究に取り組む生徒を中心に多くの質問がよせられ、活気があり、「学び」の多い講演会となりました。
(写真③


(写真③)県立国際生が質問


(写真①)滝澤三郎東洋英和女学院大学大学院客員教授
による難民支援の現状についての特別講演


(写真②)滝澤三郎先生の質問に答える県立国際生

2019
7/5(金)
2年次生
(16回生)
SGHプレゼンテーション@西宮市立西宮浜中学校 (2年次生)
 
県立国際高校2年次生ESSのメンバー4名が西宮市立西宮浜中学校で3年生80人を対象に、本校のSGH活動内容についてプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションは英語と日本語で行いました。
  
まず、本校の紹介を行いました。2年次の第2外国語学習のこと、2年次の海外研修や、部活動などの紹介をしました。(写真①)

次に英語劇を行いました。ストーリーは、本校生が、中国、韓国、ブラジルの3か国を旅するというものでした。各国をめぐるなかで、中学生にクイズを出題し、中学生に答えてもらいました。
(写真②)

すべてのプレゼンテーションを終え、質疑応答の時間では、本校生が中学生の質問に対して答えました。(写真③)

西宮浜中学生へのSGH課題研究活動のプレゼンテーションは今年で2年目でした。両校の交流や中高連携の取り組みが深まりました。



(写真③)質問タイム


(写真①)県立国際高校の学校紹介



(写真②)世界の文化についてプレゼン




2019
6/24(月)
1年次生
(17回生)
SGHディベート大会決勝(1年次生)
 
 1年次生によるディベート大会決勝が行われました。予選で「肯定側」「否定側」それぞれ得点が最も高かった(2組C班(肯定))と 2組A班(否定))が対戦しました。テーマは「日本はアメリカ合衆国よりフランスの移民政策を取り入れるべきである」でした。

肯定側の立論は
1.(フランスは平等主義なため移民は差別を受けることなく生活でき共生社会を実現することができる。)
2.(フランスでの教育は無料で受入れ統合計画(CAI)の制度があるため、外国人の最低限度の知識、その国の言葉を身につけることができ、外国人の学力、技能が向上し、優秀な人材が増える。)
3.(フランス所得補償の積極的連帯手当(RSA)により、外国人が社会的、経済的に自立できる。)
でした。(写真①)

否定側の立論は
1.(アメリカには移民の子供の教育を支援する制度がある。)
2.(移民の勤労意欲を増やさせる制度がある。)
3.(移民が国や地方に財政的・経済的に好影響が与えれる。)
でした。(写真②)

それぞれが立論に基づき論拠データを提示したり、主張を述べたりしながら議論を戦わせました。(写真③)対戦者以外の1年次の生徒と、社会学部教授の鳥羽美鈴(とばみすず)先生、県人権教育課主任指導主事の小池宏尚(こいけひろなお)さんがジャッジを行い、肯定側が勝利しました。その後、鳥羽先生と小池さん(写真④)より講評をいただきました。



(写真④)ジャッジの先生方


(写真①)肯定側立論


(写真②)否定側立論


(写真③)肯定側反論

2019
6/7(金)
1,2年次生
(16, 17回生)
SGH第1回昼休み辻説法  (1,2 年次生)
 
昼休み、PC室にて2019年度第1回昼休み辻説法が行われました。対象は総合的な探究の時間C.C.C.でディベート課題研究活動に取り組む1年次生から、ディベート班の班長・副班長の23人と、昨年度のディベート大会決勝に出場した2年次生から肯定側2人、否定側3人の計28人が参加しました。目的は、これからディベート大会に臨む1年次生に対して、2年次生からディベート課題研究活動に関する助言をすることで、1年次生が今年度のディベート大会において、よいパフォーマンスが発揮できるようにすることでした。
 
  まず、2年次生から昨年度のディベート大会決勝における立論を肯定側(写真①)および否定側(写真②)がプレゼンテーションを行いました。続けて、2年次生から1年次生にアドバイスをしました。「根拠となる資料をたくさん用意することも大切だが、聴衆の立場に立って、わかりやすくプレゼンテーションを行うことがさらに重要である」という助言や、「資料を単に読むのではなく、聴衆の目を見てプレゼンテーションをしてほしい」など多くの助言が2年次生から1年次生に送られました。これに対して1年次生は真剣に耳を傾けていました。
 
 今年度のディベート大会実施に向けて、よい経験となりました。



(写真①)肯定側立論


(写真②)否定側説明

2019
6/1(土)-2(日)
1,2年次生
(16, 17回生)
SGHスタディツアー@移住者と連帯する全国フォーラム・東京2019  (1,2 年次生)
 生徒36名(1年次生26名2年次生10名)と引率教員3名が、SGHスタディツアー@移住者と連帯する全国フォーラム・東京2019に参加しました。場所は、東京都の日本教育会館でした。
(写真①)

 1日目13:30からミュージシャンでガーナでの教育支援を行うEnije代表の矢野デイビットさんと女優・タレントのサヘル・ローズさんのお話がありました。

矢野デイビットさんは、日本人の父とガーナ人の母との間にガーナで生まれ、日本へ移住してきました。多くの大変な出来事や、ガーナへの里帰りから、「周りに自分を合わすのではなく、自分の人生を生きよう」と思ったという話でした。

続くサヘル・ローズさんからは、イラン生まれで、8歳で養母と来日し、様々な苦難を乗り越えたお話を聞きました。その時に日本人に親切にしてもらった体験から、皆さんにも海外から来た人が困っていたら「大丈夫ですか」と声かけをしてあげてほしい、というお話がありました。(写真②)

 そのあと、15:15から、15の分科会に分かれて、「移住女性」「技能実習」「ヘイトスピーチ・人種差別」などについての報告を聞きました。移民に関する課題が多岐にわたることがよくわかりました。
(写真③)

 2日目午前は、日本教育会館で本会議が行われました。テーマは「どうなる、どうする移民政策」でした。
最初に移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)副代表理事で国士館大学教授の鈴木江理子氏から2018年改定入管法の制度解説と総合的対応策の説明がありました。続いて、移住連理事で大阪大学准教授の髙谷幸氏より移住連の作った冊子「移民社会20の提案」の説明がありました。(写真④)

それからアンジェロ・イシ氏、李 善姫(イ ソンヒ)氏、金 竜介氏の3名によるディスカッションがありました。アンジェロ・イシ氏はサンパウロ生まれで日本にやってきました。現在武蔵大学社会学部教授です。李 善姫氏は韓国ソウル生まれで日本に来ました。現在東北大学東北アジア研究センター専門研究員です。そして、金竜介氏は弁護士で、在日朝鮮人三世です。三人は移民政策が日本で作成される場合、彼らの視点から何が一番重要だと思うかということについて話しました。(写真⑤)

最後に、移住者と連帯する全国フォーラム・東京2019の大会アピールが採択され、終了しました。県立国際生の数名が移住連関係のラジオ番組でインタビューを受けました。

その後、生徒たちは新幹線で大阪へ戻りました。 (写真⑥)



(写真⑤)移民政策についての3名によるディスカッション


(写真⑥)新大阪で解散


(写真①)東京の日本教育会館前で


(写真②)矢野デイビッドさんとサヘル・ローズさんのお話


(写真③)各トピック別15の分科会に県立国際生参加


(写真④)移住連理事髙谷氏より「移民社会20の提案」の説明
2019
5/24(金)
1,2年次生
(16, 17回生)
SGHフィリピンスタディツアー報告会  (1,2 年次生)
 2018年11月にフィリピンスタディツアーに参加した20名が1,2年次生に対して報告会を行いました。
1)アテネオ・デ・マニラ大学で行った日本文化や国際高校の紹介、SGH活動の報告 
2)大学で行った調査の結果 などについて報告しました。(写真①~④)
続いて、SGH甲子園2019 ラウンドテーブル型ディスカッション部門優秀賞(2位)に輝いた3年次生の長野さんがディスカッションに参加した理由と発表内容について報告しました。(写真⑤)
最後に、2019年度のスタディツアーの目的地がカンボジアと発表されました。


(写真⑤)





(写真①~④)
2019/
4/22(月)
1年次生
(17回生)
SGH基調講演「移民政策研究 超国家人流論の視点から」 (1年次生)

 SGH基調講演が行われました。大阪大学・名古屋外国語大学名誉教授の津田 守(つだ まもる)先生をお迎えして、以下のとおり、「移民政策研究 超国家人流論の視点からをテーマにご講演をいただきました。(写真①②)

1) グローバルで超国家的ヒトの移動 
2) 人流とは
3) 人類の移動・人生という旅 
4) 国家政府の「出入国管理」及び「難民認定」法
5) ファミリーの現在・過去・未来 
6) 守のパーソナルヒストリー 
7) ツダファミリーストーリー(津田梅子、津田仙の人生から)

講演の後、本校生との質疑応答がありました。(写真③)


(写真③)質疑応答
 


(写真①)人流とは


(写真②)ファミリーの現在・過去・未来を調べよう

2019/
3/23(土)
1,2年次生
(16,15回生)
2019 SGH甲子園参加 ラウンドテーブル型ディスカッション部門優秀賞 (1,2年次生)

関西学院大学上ヶ原キャンパスで「全国スーパーグローバルハイスクール課題研究発表会2019SGH甲子園」が開催され、全国から109校が参加し約2,400人の来場者がありました。本校から課題研究活動に取り組む2年次生1人と1年次生9人の計10人が参加しました。(写真①)
 
まず、中央講堂で開会式が行われた後、G号館でラウンドテーブル型ディスカッションが行われました。本校からは、1次審査を通過した2年次生の長野さんが「日本が女性の社会進出を進めるにあたっての課題と解決策」というテーマのディスカッションに参加しました。このディスカッションは、本校生を含む6校の生徒6人のグループにより行われました。 (写真②)

最初にグループ内で司会、発表者、書記を決めました。本校生は発表者に立候補しました。役割分担の決定後、テーマに沿ってディスカッションが行われました。本校生は、日本が女性の社会進出を進めるにあたっての課題について、夫による家事支援は現状ではほぼ期待できないこと、また女性の就業率は向上しているが大半が非正規労働者であるとことについて、ともに具体的なデータを提示して発表しました。その上で、解決策として外国人の家事労働者を雇用することを、ヨーロッパでは家事労働者の雇用率が向上するほど女性の就業率が増加するデータを示して解決策として提示しました。

グルーブでのディスカッションでは、「パパ・クォーター制」の導入や学校におけるジェンダー教育を徹底することなどが解決策として提案され、本校生はそれぞれの意見に対して、具体的なデータを提示しながら質問し、議論が深まることに貢献しました。ディスカッションを終え、本校生はグループでまとめた意見と改善策について発表を行いました。ジャッジの先生による講評では、それぞれが根拠に基づいた発言をしており、よいディスカッションであったというコメントをいただきました。

 課題研究ポスター発表では、1年次生の1グループ(9人)がプレゼンテーションを行いました。テーマは「日本への移出経験のあるフィリピン人に対する調査に関する事例研究-外国人を受け入れるために私たちが考えなければいけないこと-」でした。内容は本校生が2018年にフィリピンで実査した外国への移出経験者に対する聞き取り調査の結果をまとめて報告し、日本が外国人を受け入れるための課題と解決策を提示しました。5分間のプレゼンテーションの後に行われた質疑応答にはメンバーで協力しながら的確に質問に答えました。(写真③④)

 表彰式では部門ごとに表彰が行われました。ラウンドテーブル型ディスカッションでは本校2年次生の長野羽良が優秀賞を受賞し表彰を受けました。彼女はこれまで移民政策学会での学会発表を行うなど積極的に課題研究活動に参加してきた生徒であり、その経験と努力が生徒として評価されたことは本校にとって大きな喜びでした。(写真⑤)

 全国発表会でそれぞれが課題研究活動の成果を報告し発揮できたことは生徒の自信につながるとともに、次の課題に向けて大きなモチベーションとなりました。また、他の高校生の課題研究への取り組みを知ることができたことは今後の課題研究活動の大きな参考となりました。


(写真⑤)ラウンドテーブル型ディスカッション優秀賞
 

(写真①)1,2年次生10名



(写真②)2年次長野さん発表




(写真③④)課題研究ポスター発表
2019/
2/23(土)
1,2年次生
(16,15回生)
SGH芦屋市発表会:移民の歴史発見プロジェクト (1,2年次生)

兵庫県立国際高等学校で課題研究活動に取り組む1,2年次生プロジェクトチームのメンバー15人が芦屋市立上宮川文化センターで「高校生による移民の歴史発見プロジェクト~日本からブラジルに渡った日本人移民の歴史探求~」課題研究活動の成果について発表を行いました。

この発表会は、広く一般の人に本校の課題研究活動の成果を知ってもらうために芦屋市との共同で開催しました。この日は、子どもから大人まで40人が発表会に参加しました。 (写真①)

まず、本校ジャズバンド部の歓迎演奏が行われました。
次に、ドキュメンタリー映像作品「軌跡-ブラジルに渡った日本人」を上映しました。(写真②)

この作品は、様々な研究機関の協力のもと、日本人のブラジルへの移民についての文献や写真等の歴史資料の収集を行い、実際にブラジルに移住した方々にインタビューを行い、移住当時の様子や移住先での苦労話などを聞き取り、これをまとめた映像作品です。この作品の制作にあたり、芦屋市在住の映像作家、若林あかね氏にご協力をいただきました。この日、来訪者は本校の作品を熱心に鑑賞していました。

次に、本校生がブラジル日本人移民の歴史についてプレゼンテーションを行いました。第1部はなぜ日本人はブラジルに移住したのかというテーマで発表を行いました。(写真③)

当時の日本とブラジルの経済的な要因、国際的な動向に焦点を当てて、本校生が、日本人がブラジルに渡った経緯について説明しました。次に、ブラジルに移住した日本人の暮らしを衣・食・住に焦点を当てて発表を行いました。まずは、写真のスライドを使ってブラジルに移住した当時の暮らしについて本校生が説明しました。また、当時、移民が農作業で使用していた着物を生徒が着て観衆に披露しました。最後に、ブラジルに移住した日本人移民の食生活についてプレゼンテーションを行いました。年代ごとの食生活の特徴を説明し、日本人がどのような食生活をしてきたか、また日本食が現在のブラジルにどのような影響を与えているかを説明しました。(写真④)

プレゼンテーションの終了後は、会場に張り付けたポスターを観覧していただき本校生が質疑応答を行いました。(写真⑤)

この課題研究活動は、昨年度から本校のプロジェクトチームが取り組んできたものであり、この日、一般の方に向けて成果の発表ができたことは非常に有意義でした。参加していただいた皆様とともに、このプロジェクトに協力していただいた方々に感謝の意を伝えたいと思います。


(写真⑤)プレゼンテーションポスター展示
 

(写真①)1,2年次生15名


(写真②)映像作品上映


(写真③)日本人のブラジル移民の背景


(写真④)日本人移民の食生活について発表


2019/
2/19(火)
1,2年次生
(16,15回生)
SGHフィールドワーク in 浜松 2019
(2日目) 
(1,2年次生)

 「フィールドワークin浜松2019」の二日目は、浜松国際交流協会HICEを訪問しました。 (写真①)多文化共生政策を進める浜松市でその中心的な役割を果たしている浜松国際交流協会での取り組みを知ることで、今後の日本の選択肢を考える契機とすることを目的としました。また、このHICEで働く日系ブラジル人に聞き取り調査を行い、日系ブラジル人の現状について調査することをもう一つの目的としました。

 まず、HICEの事業報告を受けました。(写真②)浜松国際交流協会は、浜松市の国際交流、多文化共生分野における推進母体として設立され今年で36年目となります。多文化共生センターと外国人学習支援センターの2つの事業に取り組んでいます。

まず、浜松がブラジル人の他、フィリピン人、ベトナム人、中国人、ペルー人など多くの外国人が居住していることを説明されました。その中で、多文化共生センターは、相談・情報提供、地域共生、多文化防災、人材育成、多様性を生かしたまちづくり、多文化共生活動支援といった6つの活動を行っていると話されました。浜松市に住む外国人に対して、言語支援、メンタルケアなど多くの支援を行っていることがわかりました。

 次に、HICEで働く日系ブラジル人に聞き取り調査を行いました。調査対象は2人で、岡田シモネ氏(女性)と大嶋チット氏(男性)です。共に50歳代の日系二世です。共に1991年に来日しており、現在は帰化し日本国籍を持っています。しかし、共に自分のことを完全なブラジル人と回答し、ブラジル人としてのアイデンティティを持っていることがわかりました。

質疑応答において、なぜ帰化したのかという質問に対して、岡田氏は、自分はブラジルにもどりたいが3人の子どもが日本生まれなので日本で生きていくために帰化したと述べていました。

一方、大嶋氏はビザの更新が面倒で、日本で生活や仕事をするために帰化したと述べていました。日本で働く上で何を援助してほしいかという質問に対して、共に労働環境の向上と答えました。

2人とも来日して20年以上となるが、これまで様々な仕事を経験しており、現在も雇用契約は1年であり、就労支援の重要さを認識しました。

この後、HICEの施設を見学しました。様々な言語で書かれた外国人向けの情報誌やパンフレットが置かれており、多文化共生が進んでいることが実感できました。
 
すべての活動を終え、新幹線で新大阪駅に帰り解散しました。

 

(写真①)浜松国際交流協会(HICE)訪問


(写真②)HICEでの事業説明を受ける




2019/
2/18(月)
1,2年次生
(16,15回生)
SGH:フィールドワーク in 浜松 2019
(1日目)
(1,2年次生)

 「ブラジル移民史発見プロジェクト」課題研究活動に取り組む1,2年次生23人が「フィールドワークin浜松2019」に参加しました。1日目は浜松学院大学を訪問しました。(写真①)

目的は、これまで取り組んできた「ブラジル移民史発見プロジェクト」研究成果を光安アパレシダ先生に報告し、ご助言をいただくことで23日に芦屋市上宮川文化センターで行われる発表会に活かすことです。あわせて光安アパレシダ光江先生による講義を受けることで、日系ブラジル人の現状を知るとともにこれからの共創のあり方を考える契機とすることです。あわせて浜松学院大学で学ぶ日系ブラジル人の学生に聞き取り調査を行い、今後の研究に活かすことを目的にしました。

 まず、本校生が「高校生による移民の歴史発見プロジェクト~日本からブラジルに渡った日本人移民の歴史探求~」というテーマでプレゼンテーションを行いました。(写真②)

このプレゼンテーションは、第1部「なぜ日本人はブラジルに移住したのか?」、第2部「日本人移民の暮らし」という構成で行いました。生徒はこれまで取り組んできた研究成果を、パワーポイントを使って報告をしました。

この後、光安アパレシダ先生よりご助言をいただきました。先生は、今の日本人はかつて日本人がブラジルに移住したことをよく知らない人が多いので、是非、この研究成果を多くの人に発信してほしいとアドバイスをいただきました。

次に、光安アパレシダ先生による「日系ブラジル人の現状と多文化共創」というテーマで講義がありました。(写真③)この講義は(a)日本とブラジルの関係について、(b)日系ブラジル人の現状と多文化共創についてという2つの観点で行われました。

まず、日本とブラジルとの関係について話されました。日本人のブラジルへの移民は1908年に始まり、多くの日本人はサンパウロ州やパラナ州に居住していることを説明されました。先生はご自分のルーツをとりあげ、光安家は日本人、日系人、アフリカ系、ポルトガル系、イタリア系の家族構成であり、現在は民族の多様性が進んでいることを話されました。次にブラジルで活躍する日本の企業を取り上げられました。また、ブラジルで人気がある日本のアニメを取り上げ、ブラジルでは日本の企業や文化が社会で受け入れられていることを説明されました。

次に、ブラジルから日本にもたらされているものについて話されました。鉄鉱石やコーヒー、大豆、アサイー、そして航空機を例にあげて、これらのものはブラジルから日本に輸出されていることを説明されました。現在では、日本とブラジルは深い関係があることがわかりました。

次に、日系ブラジル人の現状について話されました。1990年の入管法改正により、南米・フィリピンから日系人が多く来日し、彼らは定住者の資格を持ち日本で長期滞在し永住者の資格を持つようになったと説明されました。しかし、2008年のリーマンショックを契機に日本に居住する日系ブラジル人は減少するが、近年、ブラジルの政治や経済情勢の悪化により、また日本にやって来るブラジル人が増えていると話されました。これにより、日本語を話せない子どもが増えていることを指摘されました。子どもたちは日本語がわからず学校で苦労している現状について説明されました。

最後に、多文化共生を実現するには多くの課題があることを説明されました。具体的には、日本語の学習、住まい、不就学の問題、差別など多岐にわたり、一つ一つを丁寧に理解する必要性を述べられました。講義の後は質疑応答が行われ、本校生の質問に光安アパレシダ先生は丁寧に回答しました。

最後に、浜松学院大学の学生である渡辺氏に聞き取り調査を行いました。(写真④)渡辺氏は日系3世であり、小学生の時に来日しました。日本語習得に苦労したが、独学で学んだといわれています。彼は日本人でありブラジル人でもあるというアイデンティティを持っていることがわかりました。また、家庭ではブラジル料理を食べるがフェイジョンは醤油で味付けるなど、ブラジルと日本の食文化が融合していることがわかりました。

 この日は、セルビィツーというブラジル料理の店で食事をしました。(写真⑤)このセルビィツーはブラジル料理の他、ブラジルの雑貨を売っている店です。この店に来店するのはほぼすべてが日系ブラジル人でした。そして、この店にはポルトガル語で書かれた新聞や情報誌が多く置かれていました。この浜松では日系ブラジル人が集住しており、彼らの生活と文化を保ちながら生活していることがわかりました。
 
 

(写真①)浜松学院大学にて


(写真②)浜松学院大学でのプレゼン


(写真③)大学での光安アパレシダ先生講義


(写真④)日系ブラジル人への聞き取り調査



(写真⑤)ブラジル料理店「セルビィツー」でのフィールドワーク
2019/
2/11(月・祝)
1,2,3年次生
(16,15,14回生)
SGH第6回高校生国際問題を考える日(1,2,3年次生)

六甲アイランドの神戸ファッションマートで兵庫県教育委員会・大阪大学・WHO神戸センターが主催する「第6回高校生国際問題を考える日」が実施されました。県内および県外から26校、およそ500人の高校生が参加した。本校からは、課題研究活動を行う1年次生13人、2年次生9人、3年次生2人の合計24人が参加しました。(写真①)

 まず、大阪大学副学長である栗本英世氏による「MDGsからSDGs-「だれひとり取り残さない」持続的開発のために世界的取り組みの目的と課題」というテーマで基調講演が行われました。次に、参加する高校生の中から4人の代表生徒によるパネルディスカッションが行われました。テーマは「SDGsの実現に向けて」でした。

 お昼休みの時間を利用して、教員向けランチョンセミナーが実施されました。目的は、先駆的に課題研究活動に取り組んでいる学校の実践例を多くの学校で共有することで、各校の課題研究活動を進める契機とすることです。兵庫県立国際高等学校からはSGH担当教員の前川が、兵庫県立長田高等学校、兵庫県立柏原高等学校、兵庫県立川西明峰高等学校、兵庫県立兵庫高等学校、徳島県立城東高等学校、大阪府立千里高等学校の教員6人を対象にランチョンセミナーを実施しました。

内容は、兵庫県立国際高等学校が開発した課題研究活動に関するルーブリック「兵庫県立国際高等学校SGHルーブリック」の活用について報告を行いました。

具体的には、「兵庫県立国際高等学校SGHルーブリック」をもとにして、ディベート課題研究活動のルーブリック、「移民マップ」課題研究活動のルーブリック、論文「提案 日本の選択」課題研究活動のルーブリックといった生徒の課題研究活動ごとに派生ルーブリックを作成して生徒の課題研究活動を評価するとともに、課題研究活動の改善に活かしている実践報告を行いました。各校の担当者からは、課題研究活動ごとにルーブリックを作成し工夫をしているところに感心したという感想があがりました。

午後からは、ポスターセッションが行われました。本校からは10の発表を行いました。(写真②③)

具体的には、1年次生による「日本への移出経験があるフィリピン人に対する調査に関する事例研究~外国人を受け入れるために私たちが考えなければいけないこと~」、「フィリピン大学生の日本で働くことに関する意識調査の事例報告」、「日本以外の国への移出経験があるフィリピン人に対する調査に関する事例研究~外国人を受け入れるために私たちが考えなければいけないこと~」、2年次生による「日本の国籍制度に関する考察-日本における重国籍保有者に焦点をあてて-」、「難民に関する高校生の意識に関する考察-大学生と高校生の難民に関する意識調査の比較を通して-」、「外国人労働者の受け入れについて-技能実習における家族滞在に焦点を当てて-」、 ”Thai youths' attitude toward working in Japan-From the results of interviews of high school and college students in Thailand-”、 「日本における外国人家事労働者のニーズに関する考察~女性のライフワークバランスの向上をめざして~」、3年次生による「外国人児童生徒の保護者への言語及び生活支援の提案」、「在日韓国・朝鮮人の民族アイデンティティと母語の維持-民族アイデンティティと言語に関する実態調査から」の発表を行いました。なお、2年次生の ”Thai youths' attitude toward working in Japan-From the results of interviews of high school and college students in Thailand-” については英語による発表を行いました。

それぞれ10分間の発表と5分間の質疑応答を2回実施しました。本校生の発表には大学教員や高校教員、高校生、社会人など多くの聴衆が集まり、それぞれの課題研究の成果について報告を行い、これに対して聴衆から多くの質問や助言をいただき、本校生が丁寧に応対しました。

 ポスターセッション終了後に全体で講評が行われました。大阪大学の柿澤氏より、本日のポスターセッションを振り返り、課題研究を深めるため必要なことについて話がありました。研究とは、仮説検証のプロセスであり、その過程で論理的な思考に基づいた分析を行うことの重要性を説かれました。講評の中で、2つの例が本校生のものでした。 (写真③④)

本校の課題研究活動を高く評価していただけことに感謝するとともに、生徒にとって自信とこれからの課題研究活動へのよい動機づけとなり、これを契機にさらに課題研究活動を進めていきたいと考えています。

 この日の体験は、これからも課題研究活動を続ける1,2年次生にとっては非常に良い経験となり、また論文をまとめた3年次生にとっては成果発表のよい機会となり、非常に有意義な一日でした。

 

(写真①)1,2,3年次生24名


(写真②③)ポスターセッションに参加




(写真③④) 全体講評で県立国際のポスター2つ紹介
2019/
2/9(土)
1,2年次生
(16,15回生)
SGHフィールドワーク in 池田 2019
(1,2年次生)


本校1年次と2年次生の16人がSGH課題研究活動の一環として特別養護老人ホーム「ポプラ」を訪問しました。 (写真①)

目的は、海外から介護人材を受け入れている特別養護老人ホームを訪問し、日本の介護現場および移民労働の現状を調査し、日本の未来の選択肢を考える契機とすることです。このフィールドワークは2016年度から始まり今年で3回目となりますが、継続して調査を行うことで、介護現場における外国人介護人材活用に関する状況の変化を知ることを目標に実施しました。

 まず、企業側から説明を受けました。特別養護老人ホーム「ポプラ」では、現在、60人の職員のうち24人の外国人介護人材が働いています。うち、17人がフィリピン人EPA介護福祉士および介護福祉士候補生です。残りのうち6人は留学生であり、国籍はネパール人4人、ベトナム人が2人です。残り1人は配偶者ビザで働いているベトナム人です。昨年度の1月の時点では、雇用している外国人介護人材は19人でした。企業側によると、ここ数年で外国人介護人材の受け入れに関しては新しい法律の施行等で大きな変化があり、同時にこれまでのEPAだけでなく、留学生の介護人材を受け入れ、採用人数も大幅に増やしてきました。

合わせて、介護人材を受け入れる国もフィリピンだけでなく、ベトナム、ネパールと対象国を広げています。今後は、在留資格「技能実習」、新設される在留資格「特定技能」と介護人材の受け入れる窓口をさらに増やす予定であると話されました。また、EPA介護福祉士候補者はこれまで国家試験に合格しなければ帰国しなければいけなかったのですが、在留資格「特定活動」で働いているEPA介護福祉士候補者を在留資格「特定技能」に切り替え、継続して雇用する予定であると話されました。

さらに、特別養護老人ホーム「ポプラ」の近くに介護学校「ポプラ学園(仮称)」を作るとともに、2020年には年ネパールに「ポプラ学園ネパール校」を作り200人のネパール人の就学支援を行うとともに介護人材を育成し、将来「ポプラ」で働く人材を獲得する意向であると話されました。

 次に、ポプラで働く外国人介護人材に本校生が聞き取り調査を行いました。(写真②)対象は、フィリピン人EPA介護福祉士合格者1人と2018年に来日したフィリピン人EPA介護福祉士候補者3人、そして日本語学校に通うベトナム人留学生の1人です。

多くの介護人材は台湾やサウジアラビアに働き行く人が多いがなぜ日本を選んだかという質問をすると、子どもの頃からアニメやドラマで日本には馴染みがあり興味があったからという答えが返ってきました。また、日本は安全で安心して暮らせるからという答えもありました。日本で困っていることを質問すると、外出するときに駅の地図や表記が漢字で読めないので困ると回答しました。また、病院に行くときに日本語がわからないので困るという回答もありました。

そして、将来は日本で働きたいか、自国に帰りたいかという質問に対しては、すべての人が日本で介護福祉士の国家試験に合格して継続して日本で働きたいと答えました。もし合格しなかったら母国に帰り日本語教師になりたいと答えた人もいました。

 日本の介護現場の現状と介護現場で働く外国人の現状を知ることができ、非常に有意義な体験でした。今後は、この経験を課題研究活動に活かしていきたいと思っています。
 

(写真①)1,2年次生16名


(写真②) 外国人スタッフに質問

2019/
2/2(土)
1年次生
(16回生)
SGH フィールドワーク in ワン・ワールド・フェスティバル 2019

 本校1年次生全員がカンテレ扇町スクエアおよび北区民センターを会場に開催されたワン・ワールド・フェスティバル2019に参加して、フィールドワークを実施しました。

ワン・ワールド・フェスティバルは、「国連持続可能な開発サミット」で提言されたSDG’sが示す17の目標と理念を共有して、様々な団体・機関と出会い、情報と出会い、人と出会って、今後につなげるための「きっかけ」や「場」を提供することを目的に開催されました。NGO・NPO、行政をはじめとする各種団体、学校、企業、教育機関等、100を超える出典団体が国際協力や社会的課題解決の取り組みを幅広く紹介する西日本最大規模のイベントです。これに参加することでSGHの課題である「移民研究」をはじめとする社会的課題や日本の未来の選択肢を考える契機とすることを目的としてフィールドワークを実施しました。

生徒たちは事前に考えた調査項目について、各ブースを訪れメモをしながら熱心に聞き取り調査を行いました。(写真①~④)

中には、ワークショップに参加して他の人とディスカッションをし、世界の諸問題について調査した生徒もいました。 (写真⑤)

この日の活動を終えた生徒たちは聞き取り調査した内容をワークシートにまとめました。国際社会が抱える様々な課題について考える非常に良い機会となりました。

 


(写真①~④)各ブース訪問


(写真⑤)ワークショップ参加

2019/
1/16(水)
2,3年次生
(15,14回生)
SGH昼休み辻説法(2,3年次生)

 1月16日の昼休みに、課題研究活動に取り組む3年次生1人と2年次生19人が中央廊下に集まりました。3年次生は課題研究論文を完成させ12月に行われた「甲南大学リサーチフェスタ2018」で受賞した生徒です。2年次生は論文をこれから本格的に作成する生徒です。まず、3年次生から課題研究論文作成にあたり、大切なことについて話がありました。 (写真①)

具体的には、テーマ設定は抽象的なものではなく具体的なものにすること、先行研究はテーマに沿ったものを選び出すこと、基本的なデータをしっかり収集することを2年次生に訴えました。また、自分で調査してデータを収集すること、それを分析してテーマに則してまとめることが重要であると話をしました。これに対して2年次生は真剣な表情で話を聞き、3年次生に積極的に質問をしていました。(写真②)

3年次生の研究成果を共有し、2年次生の課題研究活動を進めるため非常に有意義な契機となりました。 

 

(写真①)3年次生のお話


(写真②) 2年次生が質問

2019/
1/12(土)
2年次生
(15回生)
SGH:高槻高等学校グローバルヘルス高校生フォーラム(2年次生)

 本校で課題研究活動に取り組む2年次生1人が高槻高等学校で開催された「グローバルヘルス高校生フォーラム」に参加しました。このフォーラムには高槻高等学校・中学校の生徒約130人とスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されている高等学校から招待された約20人の生徒が参加しました。まず、WHO神戸センターの茅野氏および京都大学の木原教授によるグローバルヘルスに関する英語による基調講演がありました。(写真①)

次に、生徒はテーマ別ワークショップが行われました。参加生徒は設定された16のテーマに分かれてグループディスカッションを英語で行いました。(写真②)本校生は「長時間労働と健康」というテーマのワークショップに参加しました。このなかで、本校生は日本で働く技能実習生の長時間労働について調査に基づく報告をしました。これを受け、グループでは外国人の長時間労働に焦点を当てて、解決方法を話し合いました。このワークショップの後、全員が集まりそれぞれのグループからディスカッションの内容について報告を英語で行いました。本校生徒も英語で報告しました。(写真③)生徒の報告に対して英語で講評があり、閉会あいさつでフォーラムは終了しました。

他のSGHの課題研究活動に取り組む生徒と意見を交わすことができ、よい経験となりました。







 


 

(写真①)基調講演


(写真②) テーマ別ディスカッション


(写真③) 本校生英語で報告

2018/
12/23(日)
1-3年次生
(16-14回生)
SGH課題研究活動:甲南大学リサーチフェスタ(1-3年次生)

 甲南大学岡本キャンパスで甲南大学リサーチフェスタ2018が行われ、SGH課題研究活動に取り組む本校の3年次生3名、2年次生2名、1年次生3名の計8名が参加しました。(写真①) 3年次生は、「日本における外国人介護人材の受け入れに関する考察―EPAフィリピン人介護人材に対する実地調査を通して」「―在日朝鮮・韓国人の民族アイデンティティと母語の維持―民族アイデンティティと言語に関する実態調査から―」「外国人児童生徒に対する母語支援教育についての考察―兵庫県の取組を事例に―」のポスター発表をしました。(写真②) 

2年次生のグループは”Thai youths’ attitude toward working in Japan—From the results of interviews of high school and college students in Thailand—“というテーマでポスター発表をしました。(写真③)

1年次生のグループは「日本への移出経験があるフィリピン人に対する調査に関する事例研究~外国人を受け入れるために私たちが考えなければいけないこと~」というテーマでポスター発表をしました。(写真④) 

2年次生は英語で発表をし、他のグループ、個人は日本語で発表をして、様々な質問に対してその場で答えました。このリサーチフェスタは、課題研究に取り組む高校生の他、大学生や大学院生も参加し、お互いの研究成果を知ることができました。最後に表彰式があり、審査員セレクトの部で、3年次生の吉川さんが部門別評価のビッグデータ賞に入賞し、(写真⑤)3年次生の大西さんが、ロジカルデザイン賞に入賞しました。 (写真⑥)


(写真⑤) 吉川さんビッグデータ賞入賞。


(写真⑥) 大西さんロジカルデザイン賞入賞。



 


 

(写真①)県立国際より8名参加


(写真②) 3年次生のポスター発表


(写真③) 2年次生のポスター発表


(写真④)1年次生のポスター発表

2018/
12/20(木)
1年次生
(16回生)
SGH課題研究:「移民マップ」発表会
(1年次生)


 本校1年次生は移民マップを作成し、2018年12月20日「移民マップ」発表会を行いました。(写真①)
今年は、1組「ベトナムからアメリカ合衆国」班、2組「カンボジアからマレーシア」班、3組「フィリピンからオーストラリア」班、フィリピンスタディツアー参加者の「フィリピンからアメリカ合衆国」班の4つに分かれて発表を行いました。それぞれの班が、人口移動の推移グラフ、マップ、移出国のプッシュ要因、移入国のプル要因、結論を1枚のポスターにまとめました。発表はポスターセッションの形式で行い、全員で評価を行いました。。(写真②) 

 

(写真①)各クラスのポスター発表


(写真②)相互に評価

2018/
12/19(水)
1-3年次生
(16-14回生)
SGH課題研究中間発表会・海外研修報告会(1-3年次生)

 平成30年度スーパーグローバルハイスクール(SGH)課題研究中間発表会が本校体育館で行われ、1,2,3年次生がSGH課題研究の成果を発表しました。
また、2年次生のC.C.C発表会で16回生向け海外研修報告が行われました。

 まず、本校の松本校長から開会のあいさつがあり(写真①)
以下のようなテーマで各学年がSGH課題研究報告を行いました。
1.1年次生
(1)テーマ「日本への移出経験があるフィリピン人に対する調査に関する事例研究」の報告(写真②)

2.2年次生 
(1)テーマ:移民史発掘プロジェクト「KISEKI--ブラジルに渡った日本人」(写真③)
(2)テーマ: "Thai youths' attitude toward working in Japan"(写真④)
(3)テーマ「アメリカ・イギリス・カナダにおける日本で働くことに関する意識調査」(写真⑤)
(4)テーマ「日本の国籍制度に関する考察」(写真⑥)
3.3年次生
(1)テーマ「日本における外国人介護人材の受け入れに関する考察」(写真⑦)
(2)テーマ「外国人児童生徒に対する母語支援教育についての考察」(写真⑧)
(3)テーマ「在日朝鮮・韓国人の民族アイデンティティーと母語の維持」(写真⑨)
  そのあと、2年次生が1年次生が来年の海外研修の行先を考える手助けをするため、海外研修(イギリス・アメリカ・カナダ)について報告を行いました。
(写真⑩⑪⑫⑬⑭)


(写真④)"Thai youths' attitude toward working in Japan"


(写真⑤)「アメリカ・イギリス・カナダにおける日本で働くことに関する意識調査」



(写真⑥)「日本の国籍制度に関する考察」


(写真⑦)「日本における外国人介護人材の受け入れに関する考察」



(写真⑧)「外国人児童生徒に対する母語支援教育についての考察」



(写真⑨)「在日朝鮮・韓国人の民族アイデンティティーと母語の維持」
 

(写真①)松本校長開会のあいさつ


(写真②)日本へ来たことのあるフィリピン人に対する
調査


(写真③)「KISEKI-ブラジルに渡った日本人」上映


(写真⑩

(写真⑪

(写真⑫)

(写真⑬)

(写真⑭)

(写真⑮)
(写真⑩⑪⑫⑬⑭⑮)海外研修(アメリカ・イギリス・カナダ)について報告
2018/
12/15(土)
1,2年次生
(16,15回生)
SGHスタディツアー@移民政策学会2018年度冬季大会(1,2年次生)

移民政策学会2018年度年冬季大会が静岡県立大学で開催され、本校から1年次生2人、2年次生8人の計10人が参加しました。
 まず、難民インタレストグループに参加しました。ここではアフガニスタン出身の難民のアタイ・ジャファルさんの話を聞きました。彼は4歳のとき内戦に巻き込まれパキスタンに難民として移り、2009年に来日しました。「難民申請」は通らず「特別在留許可」という在留資格で暮らしています。「認定難民」と違い日本政府から経済的な支援も含めサポートはありません。自国では目の前で多くの人が死んでいく現状を聞き、日本の難民受け入れについて考えるよい契機となりました。

次に4つの会場で自由報告部会が開催され、それぞれの会場で研究者による研究成果が報告されました。本校生10人は各会場に分かれて、自由報告部会に参加しました。最新の移民政策について学ぶよい機会となりました。

自由報告部会と同時に社会連携セッションが開催されました。このセッションでは、静岡県立大学公認クラブであるリトルワールドキャンプ実行委員会による「リトルワールドキャンプ成果報告」、COLORS(Communicate with Others to Learn Other Roots and Stories)による「外国にルーツを持つ身として支援をする中で感じること~COLORSの活動を通じて~」、本校2年次生の長野羽良による「外国人労働者の受け入れについて-技能実習における家族滞在に焦点を当てて-」、本校2年次生の中沢薫による「日本の国籍制度に関する考察-日本における重国籍保有者に焦点をあてて-」、本校2年次生の山本希穂による「難民に関する高校生の意識に関する考察-大学生と高校生の難民に関する意識調査の比較を通して-」という報告が行われました。

本校から3人の2年次生が課題研究活動の成果をそれぞれ報告しました。長野は、日本にやって来る技能実習生は家族滞在が認められていないが、ヨーロッパでは国際人権B規約に基づき家族の呼び寄せ指令が出されたことを例にあげ、家族と共に暮らすことは基本的な権利であると指摘しました。技能実習生に行った聞き取り調査の結果から73%の技能実習生が将来も日本で働くことを希望していることを報告し、これは妻子や家族を母国と日本の間で分離させた状態が長く続くことを意味すると指摘しました。家族と共に暮らすという権利を守るために、家族滞在を認める仕組みを作り出すことが必要であると結論づけました。次に、中沢は現在の日本では出生数は減少している一方で新生児の約50人に1人が重国籍を持ち、他の国にルーツを持つ子どもが増えていることを報告しました。一方、国籍法により22歳までに国籍を選択しなければならず、意に反して日本国籍を喪失した事例が発生していることを指摘しました。問題の所在として、重国籍者のアイデンティティを国が本人の意思に反して決めてしまうことをあげました。重国籍の生徒への調査の結果から、彼らは重国籍を持つことを希望しており、日本人でも外国人でもないアイデンティティを持つことを報告しました。現在の国籍制度は、重国籍者のアイデンティティを否定することになりかねないので、重国籍者の人権に配慮した国籍制度に改正する必要があると結論づけました。山本は、大多数の大学生が難民の定義や存在も知らないという先行研究をあげ、本校の高校生に対して難民に関する意識調査を行いました。その結果、先行研究の大学生より本校生の方が難民に関する理解が深いことを報告しました。この理由として、本校はSGHの活動として移民・難民の学習に取り組んでいることをあげました。また、難民支援協会の代表理事である石川えり氏の講演後に同様の意識調査をしたところ、難民の理解度はさらに深まったことを報告しました。難民に対する理解を深めるためには学校での教育が有効であると結論づけました。3人の発表の後、質疑応答が行われました。専門家より多くの質問をいただき、生徒は丁寧に回答しました。

本校生が学会で発表するのは今回で5回連続となりますが、このような場で多く生徒が発表できたことは非常に有意義でよい経験となりました。今回の経験を今後の課題研究活動に活かし、さらによい論文の作成に努めていきたいと考えています。

その後、「さかなと外国人-和食を支える日系人・技能実習生・留学生」というテーマでシンポジウムが開催され、本校生も参加しました。日本の漁業を多くの外国人が支えている現状とその課題を知ることができました。

この後、会場である静岡県立大学草薙キャンパスを出発し静岡駅から新幹線に乗り、この日の報告書を新幹線の車内で作成しました。大阪駅に着き、すべての活動を終えて解散しました。
 







2018/
11/15(木)
1,2,3年次生
(16,15,14回生)
SGH特別講演会「日本の難民支援の現状と、今、わたしたちにできること」
(1,2,3年次生)

 SGH特別講演・人権講演会が行われました。難民支援協会の代表理事 石川 えり氏に、「日本の難民支援の現状と、今、わたしたちにできること」をテーマにご講演をいただきました。(写真①)1~3年次生全員が受講しました。

講演のポイントは
①世界の難民移出国と難民受け入れ国について
②難民問題解決に向けて必要なこと(写真②)
③日本の難民受け入れの歴史や現状について
④日本の難民政策の課題
⑤JARの事業について(来日直後から自立に至るまでの道のりに寄り添う)
⑥社会統合とは
というお話でした。
そのあと生徒からのいくつかの質問に対して、答えていただきました。(写真③)


(写真③)県立国際生が質問
 

(写真①)難民支援協会石川えり氏、難民についての講演


(写真②)難民問題解決に向けて必要なこと

2018/
11/5(月)
6(火)
1年次生
(16回生)
SGH 2018フィリピンスタディツアー
(4,5日目)(1年次生)


 午前中、県立国際の生徒はアテネオ・デ・マニラ大学を訪れました。キャンパスツアーのあと、日本研究プログラムのベンジャミン・サン・ホセ博士より多文化主義についての講義を受けました。まず最初に答えるべき4つの質問が示されました。

1.多文化主義と同化の違いは何か。
2.何が、あるものを日本らしくしているのか。何が、ある場所を日本の場所にしたり、何がある人を日本人にしているのか。
3.日本は均質化した社会なのか。
4.日本の均質性がよいものと信じながら、多文化社会になることができるのか。

講義を通して、博士は県立国際生にそれらの質問に答えられるようにしました。生徒は多文化(共生)社会を作ることが重要だということを理解しました。次に国際生の4つのうちの最初のグループが現地の大学生を対象にSGHの調査として、参加していた約30名の生徒に質問を行いました。(写真②)そのプレゼンのあと、大学生がいくつかの質問をしました。続いて、県立国際生とアテネオ大学の学生がグループに分かれ自由に話をしました。(写真③)つぎに2つめのグループが日本で行った移民に対するインタビュー調査の結果について発表しました。そのグループは、現在日本で働いている工場労働者、ホテル労働者、看護師に対して行ったインタビューについて話しました。そのあと質疑応答がありました。昼食後、もう2つのグループが発表をしました。1つめのグループは県立国際高等学校の紹介を行い、もう1つのグループは日本文化を紹介しました。(写真④)そのあとに質疑応答がありました。そのあと、大学内の図書館と日米のフィリピンでの戦争の重要書類がある博物館とストアを訪れました。4時に大学を後にして、フィリピンの物産店とスペイン料理店に立ち寄り、ホテルに帰りました。
 翌日、マニラを午後出発し、夜に関西国際空港に到着しました。


(写真④)アテネオ大学生と交流
 

(写真①)多文化主義の講義を受講



(写真②)アテネオ大学生に対して英語で質問し調査


(写真④)日本文化を紹介
2018/
11/4(日)
1年次生
(16回生)
SGH 2018フィリピンスタディツアー
(3日目)(1年次生)


 午前、バスでマニラ市内の郊外にある、シシグ・ラカス プレスクール(ダスマリナス州カビテ県パリパルン3町フェイズ4)に到着しました。そこは放課後に行われる補習校で、アジア社会大学院(ASI)とアジア協会アジア友の会(JAFS)が教育支援をしており、ASIのニャーベ先生が研究と実践として子供たちに教えています。小中高生約20名が歓迎のレセプションを行い、歌やダンスを披露してくれました。つぎに、海外での労働経験のある5名のフィリピンの方を迎えて、インタビューを行い、海外労働の動機と母国に戻った理由などを聞き取り調査しました。(写真①)
フィリピン料理の昼食を食べた後、近所の子供たちと外で交流し (写真②)、午後は、室内で交流会を行い小中高校生たちと友好を深めました。 (写真③)3時に活動を終了し、ホテルへ帰りました。


(写真②)地元の子どもたちと交流
 

(写真①)海外労働について聞き取り調査



(写真②)小中高校生たちと交流

2018/
11/3(土)
1年次生
(16回生)
SGH 2018フィリピンスタディツアー
(2日目)(1年次生)


 午前中はマニラ市のアジア社会大学院で講義を受けました。(写真①) まず、デニス・Y・バトイ教授よりアジア社会大学院(ASI)の紹介があり、世界の移民労働者についての説明に続き、ミャンマー、カンボジア、ベトナムの移民についてのお話しがありました。そのあと、その3国から来ている3名(ミャンマーのカイペさん、カンボジアのダル・バニーさん、ベトナムのバンナデットさん)から補足説明がありました。昼食をはさみ、後半はフィリピンの移民についてバトイ教授より説明がありました。今回のフィリピンでのスタディツアーの活動をコーディネートしてくださった公益社団法人日本アジア協会アジア友の会の横山氏の通訳や詳しい説明により生徒たちは講義がよくわかりました。

午後は、アジア社会大学院のデニス氏担当のフィールドワークの場所であるマニラのサンアンドレス町の一地域(BRGY 807, AMISTAS ST. SAN ANDRES BUKID MLA CITY)を訪れ、15名の地域の人々を対象に移民労働についてのインタビュー調査を行いました。生徒は用意した12の質問についての回答を聞き取りました。そのあと、ASIの支援する地域のダンス教室を訪れ、子供たちのダンスを見ました。(写真③) また、夜は、ホテル近くのレストランで火鍋を食べ、スーパーマーケットに立ち寄りホテルへ帰りました。


(写真③)地域のダンス教室を見学
 

(写真①)アジア社会大学院で講義を受講


(写真②)移民労働についてのインタビュー調査
2018/
11/2(金)
1年次生
(16回生)
SGH 2018フィリピンスタディツアー
(1日目)(1年次生)


 2018年11月2日~6日、兵庫県立国際高等学校から1年次生20名と2名の教員がフィリピン・スタディツアーに参加しました。
7:50 関西国際空港に集合し、空路でフィリピン、マニラに13:30分到着しました。午後は、市内観光を行いました。最大の国民的英雄の一人ホセ・リサールの銅像があるリサール公園(写真①)、リサールが処刑されるまでとらわれていたサンチャゴ要塞(写真②)、世界遺産であるバロック様式のサンアグスチン教会(写真③)を訪れました。18:00ホテル到着後、近くの日本料理店で食事をしました。最後はスーパーマーケットで買い物をしてホテルへ帰りました。


(写真③)サンアグスチン教会


 

(写真①)リサール公園


(写真②)サンチャゴ要塞






2018/
10/25(木)
1年次生
(16回生)
SGH本校訪問オランダ教員と移民について討議(1年次生)

 5名のオランダ教員が本校を訪れ授業見学をし、7時間目に本校1年次生5名と移民政策について、討議しました。

 まず、本校のSGH担当前川主幹教諭が日本の移民政策について現状と課題を話した後、3名の本校生が①日本における外国人の貢献 ②日本の難民受け入れ ③日本における外国人との日常生活におけるルールの違いについての短いスピーチをしました。(写真①)そして、5名のオランダ教員がそれらのスピーチに関連する意見やオランダの移民政策について話しました。(写真②)

本校生は、オランダにおける移民受け入れの現状を知ることができるよい機会となりました。


(写真①)日本の移民の状況をスピーチ
 

(写真②)オランダの教員が自国の移民について語る
2018/
10/1(月)
1年次生
(16回生)
SGHディベート大会決勝(1年次生)

  1年次生によるディベート大会決勝が行われました。ディベート大会決勝が行われました。予選で「肯定側」「否定側」それぞれ得点が最も高かった(1組A班(肯定))と 2組C班(否定))が対戦しました。テーマは「日本は現在以上に移民を受け入れるべきか」でした。

肯定側の立論は
1.(労働人口や有能な人材が増える)
2.(日本の発展やグローバル化につながる)
3.(地域の経済発展につながる)
でした。(写真①

否定側の立論は
1.(留学生についての制度や環境にはいくつかの問題がある)
2.(高度人材当人や家族が快適に暮らす環境が整備されていない)
3.(現行の制度にはいくつかの不備があるから、これ以上の受け入れはできない)
でした。(写真②)

それぞれが立論に基づき論拠データを提示したり、主張を述べたりしながら議論を戦わせました。(写真③)ジャッジは対戦者以外の1年次の生徒と、関西学院大学の2名の教授が行い、肯定側が勝利しました。

ディベートの後、社会学部教授の鳥羽美鈴先生、国際学部准教授の長友淳先生から講評をいただきました。(写真④)


(写真④)関西学院大学の先生方による講評
 

(写真①)1組A班肯定側立論


(写真②)2組C班否定側立論


(写真③)否定側最終弁論


2018
9/1(土)
1年次生
(16回生)
SGHスタディツアー@大阪大学2018
(1年次生)


 SGH課題研究活動に取り組む本校1年次生2人が、大阪大学で開催された大阪大学共創連続セミナー第1回「防災のある街へ-大阪府北部地震をふまえた北摂地域防災-」に参加しました。これは、「防災の日」に合わせ、大阪大学が6月に大阪府北部で震度6弱を観測した地震の被害状況や課題を巡る講演と市民とのディスカッションを行うことで防災に対する意識を高めるために開催されたものです。本校生が参加した目的は、防災時における日本に居住する外国人の防災に関する課題を考え、SGH課題研究を進める契機とすることでした。

 第1部は3つの講演が行われました。1つ目は大阪大学大学院理学研究科の廣野哲朗准教授による「大阪府北部地震のメカニズム」でした。2つ目は大阪大学大学院工学研究科の横田隆司教授による「自然災害に対する地域防災の課題」でした。3つ目は大阪大学国際教育交流センターの後藤厳寛特任准教授による「大阪北部地震における阪大生と市民の避難行動」でした。その中で、後藤特任准教授は外国人留学生の避難の実態について報告を行いました。報告によると、ある避難所では避難した140人のうち130人以上が外国人でした。このような状況下で、外国人向けの情報が圧倒的に不足していたことを指摘されました。後藤特任准教授は、多様な言語による災害・被害情報の提供が必要であると述べ、Free Wi-Fiの提供やQRコードの利用が有効であると提言されました。また、イスラム教徒に対するハラル料理など宗教や食文化に配慮した非常食の提供が必要であると訴えました。まとめとして、災害時において、子どもや高齢者、障害者、外国人などの災害弱者を孤立させない配慮や対策が必要であると述べられました。

 第2部は講演者によるパネルディスカッションと参加した市民による質疑応答が行われ、本校生もこれに参加しました。

 災害時に日本に住む外国人が少しでも安心して生活ができるよう対策を講じることが課題であると感じました。この経験を今後の移民研究に活かせるよう課題研究活動に取り組みたいと考えています。


(写真②)
参加した県立国際生1年次2名


(写真①)大阪大学の先生による講演


2018
8/31(金)
1,2年次生
(16, 15回生)
SGHフィールドワークin姫路 (1,2年次生)

 2018年8月31日(金)に、「SGHフィールドワークin姫路2018」が実施され、本校1年次生8人と2年次生1人の計9人が参加しました。当初は8月24日(金)に17人の参加生徒で実施する予定でしたが警報のため延期され、この日の実施となりました。今回で4回目になる「フィールドワークin姫路」はフィリピン人労働者を雇用している姫路市内の企業を訪問し、フィリピン人労働者の現状を調査し、フィリピンスタディツアーや今後の課題を考察することを目的に実施しました。

まず、グローリー株式会社を訪問しました。最初に、企業側から説明を受けました。グローリー株式会社は海外22か国に工場を持ち、9,500人の従業員のうち約3,000人の外国人を雇用しています。外国人従業員の国籍は約20か国です。次に社会見学をしました。私たちが見学した第二製造部では11人の従業員のうち3人は外国人でした。在留資格は技能実習です。

社内見学のあと、グローリー株式会社で働く2人のフィリピン人女性労働者に対する聞き取り調査を実施しました。2人の在留資格は企業内転勤です。フィリピンの工場より派遣され、組立業務を担当しています。本校生の質問に対してフィリピン人労働者が答えるという形で調査を行いました。2人とも日本に来た理由はスキルや生活レベルの向上のためでした。日本に来て困っていることは何ですかという質問に対して、2人とも日本語の習得をあげました。社内では週末に日本人担当者が外国人労働者に対する日本語を教える時間を設けています。しかし、うち1人は休日に自費で日本語を習いに行くと回答しました。外国人労働者に対する日本語支援のあり方について考えさせられました。

昼からは姫路キャッスルホテルにバスで移動しました。昼食後、ホテル側からの説明を受けました。まず、ルートイングループでは294のホテルを経営しています。これからベトナムに日本語学校を作り、ベトナム人に日本語を習得してもらい、現地のホテルで働くか、日本のホテルで働いてもらう計画であると話されました。そして、姫路キャッスルホテルでは152人の従業員のうち9人の外国人労働者を雇用しています。9人の国籍の内訳は韓国4人、フィリピン3人、ベトナム2人です。在留資格は8人が永住者・定住者であり、準社員として働いています。1人はワーキングホリデーを利用して就労ビザで働いている韓国人です。

次に、姫路キャッスルホテルで働くフィリピン人労働者に聞き取り調査を行いました。対象は3人で、すべて女性でした。ホテルではルームメイクを担当しています。聞き取り調査は生徒の質問に対してフィリピン人労働者が回答する形式をとりました。聞き取り調査の結果、3人とも最初は在留資格「興業」で入国し、現在は永住者または定住者として日本で働いています。日本に来たきっかけは、3人ともフィリピンに住んでいた時に近所の人に日本に行くことを勧められたということでした。自分たちは日本が景気のよいときにやってきたので、景気がそんなよくない今ならフィリピンにいる人たちに日本に来ることは勧めないとも答えました。3人ともフィリピンにいる家族に送金していると答えました。日本で働いてよかったことはという質問に対しては、日本人が自分たちを対等に扱ってくれることと回答しました。日本で困っていることはという質問に対して、3人とも日本語を話すことはできるが読み書きができないことをあげました。子どもは日本の学校で学ぶことができるが、自分たちは学ぶ機会がなかったと答えました。本校生の多くの質問に対してフィリピン人労働者に非常に積極的かつ丁寧に回答をしていただき、フィリピン人労働者の実態や生活、意識を理解するよい契機となりました。

 この日のすべての活動を終え、バスで本校に帰り解散しました。








(写真①)
グローリーで2名のフィリピン人女性にインタビュー



(写真②)
姫路キャッスルホテルで3名のフィリピン人女性にインタビュー



2018
8/27(月)
2年次生
(15回生)
SGHスタディツアー@関西学院大学2018 (2年次生)

 SGH関西学院大学にて「SGHスタディツアー@関西学院大学2018」を実施しました。目的は、課題研究活動に取り組むSGHプロジェクトチームの2年次生6人が現時点での課題研究活動の成果をポスターにまとめてプレゼンテーションを行い、これを関西学院大学国際学部長友淳教授に見ていただき質疑応答を通して、課題研究を深める契機とすることでした。そして、2018年度スーパーグローバルハイスクール全国高校生フォーラムおよびSGH甲子園の発表に向け、課題を見つけプレゼン内容を改善することです。

まずタイ人技能実習生について研究しているグループの生徒3人がポスターを使ってプレゼンテーションを行いました。これに対して長友教授と質疑応答を行いました。この後、本校生と長友教授がテーマに関するディスカッションを行いました。長友教授より本校生に対して、研究の目的を明確にすること、その上でリサーチクエスチョンを構築することにより全体の構成を改善すべきである、という助言をいただきました。

次に、外国人家事労働者の研究をしているグループの生徒3人がポスターを使ってプレゼンテーションを行いました。これに対して長友教授との質疑応答およびディスカッションを行いました。この中で、調査結果から無理な一般化をしないこと、例えば外国人家事労働者の受け入れについて賛成が少ないから日本において家事労働に対するニーズが少ないと結論づけるのではなく、どのような人にニーズがあるかそのニーズを具体的に掘り下げることによって、日本における外国人家事労働受け入れに関する課題を明確にすることができるという助言をいただきました。

今回のスタディツアーは今後の課題研究活動の改善につながるよい機会となりました。今後は全国高校生フォーラムやSGH甲子園に活かせるよう努めていきたいです。





(写真)県立国際2年次が長友教授の前でプレゼン


2018
7/18(水)
1,2,3年次生
(16, 15,14回生)
SGH特別講演「日本の移民問題を考える―外国人を受け入れるために考えること」(1-3年次生)

 SGH特別講演会が行われました。筑波大学の駒井 洋(こまい ひろし)名誉教授に、「日本の移民問題を考える――外国人を受け入れるために考えること」をテーマにご講演をいただきました。1~3年次生全員が受講しました。
①本校3年生SGH研究論文についての感想 
②移民「問題」の前提 
③日本の移民問題の基本構造 
④世界市民主義の基本理念 
についてお話しいただき、そのあと質疑応答がありました。


(写真②)3年次生が質問


(写真①)駒井洋筑波大学名誉教授による特別講演


2018
7/17(火)
1年次生
(16回生)
SGHスタディツアー@3大学(1年次生)

 1年次生120名が3大学に分かれてスタディツアーを行いました。
(1)スタディツアー@関西学院大学
 国際高等学校1年次生40人が「スタディツアー@関西学院大学」に参加しました。国際高校をバスで出発し、関西学院大学の上ヶ原キャンパスに到着しました。

 まず、関西学院大学国際学部の長友淳教授の講義を受けました。講義のタイトルは「移民研究を行う意義~『移民マップ』作成から見えてくること~」でした。

 最初に、長友教授より研究の意義について話がありました。次に、移民の定義について話がありました。広義の意味での移民と狭義の意味での移民とがあり、言葉の定義づけを行うことが研究では重要であることを話されました。

 次に、社会学とはどのような学問なのかという話をされました。分析単位と調査手法という2つ観点から社会学を説明されましたが、分析単位がミクロである文化人類学やマクロである経済学・政治学に対して、社会学はその中間にあたることを説明されました。次に、質的な調査方法をとる文化人類学と、量的な調査方法をとる経済学・政治学に対して、社会学はその中間にあたることを説明されました。そのうえで、リサーチクエスチョンをしっかり立てることが課題研究活動では重要であることを訴えられました。
 次に、多様化する移民というお話をされました。まず、高度人材としての「留学生」の受け入れについて説明されました。次に、家族統合についてアメリカ合衆国を例にあげて説明されました。さらに、労働移民についてオーストラリアを例にあげて説明されました。最後に、難民についてドイツでの難民受け入れを例にあげて説明されました。

 次に『移民マップ』作成の意義について説明されました。人の移動を地図にすることで可視化するところから、様々な考察ができることを話されました。 最後に移民研究の意義ついて説明されました。まず、移民が増えると犯罪が増えるというような偏見から脱却することが重要であることを訴えられました。次に、課題研究の論理性について無理な一般化はしないほうがよいというお話をされました。次に、政策提言についてふれられ、個人のレベルで無理して提言する必要はなく、分析の結果を明らかにすることが重要であると話されました。最後に、比較するという課題研究の手法は危険であるという話をされました。例えば、国と国の移民政策についても単純に比較できるものではなく、事例研究としてアプローチすることが重要であると訴えられました。

 長友教授は話だけでなく、途中、生徒のディスカッションを通して講義を進められました。大学の講義にふれられ有意義な体験となりました。 長友教授の講義の後は、関西学院大学高大接続センターの野原氏より大学説明を受けました。 その後、関西学院大学の食堂で食事を済ませた後、キャンパスを見学し、バスで国際高校に戻って来ました。

(2)スタディツアー@立命館大学
 国際高等学校1年次生40人が「スタディツアー@立命館大学」に参加しました。国際高校をバスで出発し、立命館大学の衣笠キャンパスに到着しました。

 まず、立命館大学国際関係学部の南川文里教授の講義を受けました。講義のタイトルは「トランプ時代のアメリカと移民~国際関係学の視点から~」でした。

 最初に、ベンジャミン・フランクリンやJ.F.ケネディの言葉をとりあげアメリカ合衆国が移民の国であるという話をされました。次に、主生地主義と血統主義の説明をされ、出生地主義をとるアメリカ合衆国に対して、日本は血統主義をとることを説明されました。次に、オバマ大統領就任演説をとりあげ、アメリカ合衆国の多文化共生政策について説明されました。さらに、1820年から2009年までの移民の数のデータをあげ、近年はヒスパニックやアジア系の移民が増加している傾向があることを指摘されました。その中で、アメリカ経済を動かす移民企業家を例にあげて、アメリカ合衆国において移民が社会に貢献していることを訴えられました。次に、トランプ氏が大統領に出馬する表明文をとりあげ、トランプ氏が当初から移民に対して偏見的な考えを持っていることを指摘されました。さらに、トランプ氏の支持者のうち50%が、移民が重大な罪を犯すと考えていることをデータで示されました。これを受けて大統領に就任したトランプ氏は中東諸国からの入国を規制する政策を打ち出しました。さらに、2012年のデータからアメリカ合衆国における外国生まれの人々のうち74%が合法移民であり、非合法移民が26%いることを指摘されました。このような現状で、トランプ大統領は非合法移民の分離政策を実施しています。このようなトランプ政権の難民・入国規制政策に対して評価している人が38%に対して、評価しない人が59%と多数を占めることを指摘されました。さらに、移民がアメリカ合衆国に害を及ぼしていると考えている人が25%いるのに対して、75%の人が移民はアメリカ合衆国にとって役に立つ存在であると考えているデータを示されました。最後に、移民・難民問題への挑戦という観点でお話をされました。難民を生み出す戦争を防止すること、移民・難民の社会統合共生社会の実現、さらに途上国における貧困の問題、移民・難民支援の国際ルールの作成などの課題をあげられました。南川教授の講義は現在のアメリカ合衆国を中心にとりあげたもので生徒は興味をもって先生の話を聞きました。

 講義を終えた後は、大学説明を受け、立命館大学の学生によるキャンパスツアーを実施しました。その後、構内で昼食をすましてバスで国際高校に帰ってきました。



(3)スタディツアー@神戸市外国語大学
 国際高等学校1年次生40人が「スタディツアー@神戸市外国語大学」に参加しました。国際高校をバスで出発し、神戸市外国語大学に到着しました。

 大学説明を受けた後、国際関係学科の篠田実紀教授の講義を受けました。講義のタイトルは「移民と国家」でした。まず、移民と難民の定義について話されました。次に、太平洋戦争時におけるアメリカ合衆国の国内で起こった日系人の強制収容について説明されました。真珠湾攻撃を発端に太平洋戦争が始まると、戦時転住局主導で110,000人以上の当時アメリカ合衆国に居住していた日系人が収容所に収容されました。収容所があった場所は都市から離れた所で、日系人は自分が住んでいた場所から地方の収容所に送られたことを説明されました。当時、日本人が収容所でどのような待遇を受けていたかについて触れられました。現在、日系人の収容所は撤去され、その場所に慰霊塔が残されているだけで、その歴史は人々の記憶から忘れ去られようとしていることを指摘されました。戦争時におけるアメリカにいた日系人の歴史について考えるよい契機となりました。

 講義の後は、構内で昼食をとったあとキャンパスツアーを行いました。その後は、教室で神戸市外国語大学に在籍する本校の卒業生との交流を行いました。参加してくれた卒業生は4人で、その中にはSGH課題研究活動に取り組んだ学生もおり、本校の1年次生に向けて課題研究活動に取り組む上での助言をするとともに、励ましの言葉を送りました。

 すべての活動を終えて、バスで本校に帰ってきました。







(写真)関西学院大学スタディツアー

















(写真)立命館大学スタディツアー
















(写真)神戸市外国語大学スダティツアー
2018
7/9(月)
3年次生
(14回生)
SGHプレゼンテーション@西宮市立西宮浜中学校 (3年次生)

 課題研究活動に取り組む3年次生プロジェクトチームのメンバー7人が西宮市立西宮浜中学校で3年生80人を対象に、本校のSGH活動内容についてプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションは質疑応答を除いて、英語で行いました。この時間は、西宮浜中学校の英語の授業の一環として実施されました。

まず、本校の紹介を行った後に、英語劇を行いました。(写真)ストーリーは、抽選会で世界旅行が当たった本校生が、中国、韓国、ブラジルの3か国を旅するというものでした。各国をめぐるなかで、中学生にクイズを出題し、中学生に答えてもらいました。中国では、主人公が水餃子を食べるシーンで、日本では焼き餃子を主流だが、中国では水餃子が主に食べられているのかなぜかという質問をしました。そして、日本と中国の食文化の共通点と相違点について話をしました。

次に、韓国では国際高校生が韓国のアイドルグループTWICE(トゥワイス)に扮してダンスを披露しました。そして、このグループには日本人がいるが誰が日本人かという質問をパワーポイントで行いました。韓国は現在多くの移民を受け入れる国であり、このグループにも日本人の他、台湾人もいることを説明しました。最後に、ブラジルの場面では、主人公がリオのカーニバルに参加するシーンがあり、本校生と中学生全員がサンバを踊りました。最後の質問は、リオのカーニバルにアジア系のチームが参加しているが、なぜブラジルの伝統的行事であるカーニバルにアジア系民族が参加しているかを質問しました。彼らはブラジルで生まれた日系ブラジル人であり、ブラジルでは日系ブラジル人が社会で認められているという説明をしました。最後に、主人公が中国、韓国、ブラジルという3か国を旅した理由について説明しました。これらの国は日本の在留外国人のうち人数が多い上位5か国であり、私たちは多くの外国人とともに暮らしていることを理解しなければいけないことを説明しました。なお、この英語劇では本校生は中国や韓国の民族衣装を着てプレゼンテーションを行いました。また、ブラジルのサンバのシーンではブラジル民族楽器を中学生に演奏してもらいました。これらの衣装や楽器は本校にある子ども多文化共生センターのご協力により貸していただいたものです。この英語劇の脚本は、本校の3年次生プロジェクトチームが移民研究の成果を中学生にも理解できるように2月から作成してきたものです。クイズやダンスを取り入れ中学生が参加できる形態としたことで、中学生に興味を持って聞いてもらえました。

休憩の後、本校のSGH課題研究活動の紹介、ベトナムで行った調査結果の報告、最後に現在取り組んでいる日本のブラジル移民について取り上げた「日本人の移民史発掘プロジェクト」について英語で説明をしました。

すべてのプレゼンテーションを終え、質疑応答の時間では、本校生が中学生の質問に対して丁寧に答えました。
中学生へのSGH課題研究活動のプレゼンテーションは今回が初めてでしたが、中学生の皆さんが積極的に参加していただいたおかげで非常に有意義な経験となりました。




(写真)世界旅行の英語劇

2018
6/13(水)
1,2年次生
(16, 15回生)
SGH昼休み辻説法 (1,2年次生)

 恒例の昼休み辻説法が行われました。1年次生はディベート課題研究活動における各班の班長と副班長の24人が集まりました。2年次生は昨年度のディベート大会決勝進出チームの肯定側班長と副班長、否定側の班長と副班長の計5人が集まりました。目的は、昨年度ディベートを経験した2年次生が1年次生にディベート課題研究活動で重要な事項を伝えることで、今年度のディベート大会をより良いものにすることでした。まず、昨年度行った立論を肯定側、否定側の2年次生の両チームが行いました。(写真)その後、2年次生が1年次生にアドバイスを行いました。「ディベートは根拠となる資料を多く集めることが大切である」という話や、「実際に相手側の立場に立って試合を想定して練習することが必要である」という先輩の話に1年次生は熱心に耳を傾けていました。



(写真)2年次生がディベートの立論を行う

2018
6/1(金)
1,2,3年次生
(16, 15, 14回生)
SGHドイツフンボルト校生との移民問題ディスカッション  (1,2,3年次生)

 本校を訪問している姉妹校ドイツフンボルト校生11名と本校生7名(1年次生2名,2年次生4名,3年次生1名)が移民問題に関するディスカッションを英語で行いました。

 まず、本校SGH担当の前川先生が日本の移民政策について述べたあと、本校生が 1)日本への移民による社会貢献についての報告、2)日本への難民受け入れに関する報告 3)移民を受け入れることによる言語教育に関する報告を行い、ドイツ人生徒と意見を交換しました。





2018
5/27(日)
2,3年次生
(15, 14回生)
SGHスタディツアー@移民政策学会2018年度年次大会 (2日目) (2,3年次生)
 
移民政策学会2018年度年次大会2日目、午前中は4つの会場で自由報告部会が開催され、それぞれの会場で研究者による研究成果が報告されました。本校生10人は各会場に分かれて、自由報告部会に参加しました。(写真①)最新の移民政策について学ぶよい機会となりました。

11時からは別会場で社会連携セッションが開催され、本校3年次生の3人が研究成果について発表を行いました。(写真②)一人目は長岡さんによる「移民受け入れにおいての日本の課題と考察~日本とスペインの比較を通じて~」というテーマの研究報告が行われました。移民受け入れでは後進国であったスペインが21世紀に移民政策を整え、今では多くの移民を受け入れる移民受け入れのモデル国となっている現状を報告しました。特にスペインで実施された移民への教育の事例をあげ、日本でも移民への教育が重要であると主張しました。次に、𠮷川さんが「日本における介護人材の受け入れに関する考察~池田市の特別養護老人ホーム「ポプラ」での調査結果を通して~」というテーマで研究成果の報告を行いました。日本は現在、介護現場における深刻な人材不足に陥っている現状をデータで示した上で、外国人の介護人材を受け入れる必要性を主張しました。最後に、伊藤さんが「日本における少子高齢化の問題と考察~オーストラリアの外国人受け入れとの比較~」というテーマで研究成果の報告を行いました。外国人高度人材の受け入れに焦点をあて、ポイント制度で受け入れられるオーストラリアの技術移民と日本の高度専門職を具体的なデータを提示したうえで比較分析を行いました。

3人の報告が行われた後、質疑応答の時間が設けられました。3人に対して会場の多くの専門家より質問があり、本校生はこれらの質問に対して丁寧に答えることができました。本校生が学会で発表するのは今回で4回連続となるが、3人が報告するのは今回が初めてであり、このような場で多く生徒が発表できたことは非常に有意義でよい経験となりました。今回の経験を今後の課題研究活動に活かし、さらによい論文の作成に努めていきたいです。

午後は「日本の難民政策~難民グローバル・コンパクトから見たその立ち位置~」というテーマでシンポジウムが開催され、本校生も参加しました。日本の難民受け入れの現状とその課題を知ることができました。

この後、報告書を作成し、大阪で解散しました。



(写真①)県立国際生移民政策学会(2日目)参加


(写真②)県立国際3年次生3名が研究成果を発表
2018
5/26(土)
2,3年次生
(15, 14回生)
SGHスタディツアー@移民政策学会2018年度年次大会 (1日目) (2,3年次生)
 
東京大学駒場キャンパスで移民政策学会2018年度年次大会が開催され、本校から3年次生5人、2年次生5人の計10人が参加しました。(写真①)

 1日目は、まず移民政策学会元会長の渡戸一郎氏よる特別講演「再考-多文化主義とインターカルチャリズムの狭間で-」が聞かれました。内容は、まず日本のこれまでの移民政策をめぐる議論についてのお話でした。この中で日本の移民政策は90年体制の骨格は変わっておらず停滞しているという意見や、移民政策の断片化が構造的に進行し続ける「合意なき移民政策」が進められているという意見が紹介されました。次に、移民政策の動向というお話があり、広島県安芸高田市や岡山県美作市の例をあげ、人口減少に悩む地方の中小都市では外国人の誘致や定住化を目指す事例が増加していることをあげられました。次に、「地域国際化」から「多文化主義」へというお話がありました。内容はヨーロッパにおける1970年代の移民受け入れ状況から1990年代の統合政策や国民化という多文化政策が取り上げられました。一方、日本では、浜松市の例をあげ、「多文化共生」という名の統合政策構築についてふれられました。課題として、母語教育や地方参政権について取り上げられました。日本の移民政策の変遷を知るにはよい機会となりました。

 次に、ミニシンポジウムが開かれました。「複数国籍の是非と「国のあり方」-国籍法と実態のギャップから-」というテーマで、4人のパネリストによる報告を受けました。(写真②)その中で韓国が複数国籍容認に至った経緯や日本での国籍確認訴訟の話があり、本校生は興味を持って熱心に聞いていました。日本の国籍法の問題点や課題を知るよい機会となりました。

 1日目の行事を終え、ホテルに帰ってから各自がこの日の活動報告をまとめました。



(写真①)県立国際生10名が東大での移民政策学会に参加


(写真②)複数国籍に関するシンポジウムに参加
2018
5/23(水)
1,2年次生
(15, 16回生)
SGHタイスタディツアー報告会  
(1,2 年次生)


 2017年11月にタイスタディツアーに参加した20名が1,2年次生に対して報告会を行いました。
 1)現地で行った日本文化や国際高校の紹介 2)訪問した学校で行った調査の結果 などについて報告しました。また、次回のスタディツアーの目的地がフィリピンと発表されました。







2018/
4/23(月)
1年次生
(16回生)
SGH基調講演「移民研究の意義―ディベート課題研究活動に向けて―」
(1年次生)


SGH基調講演が行われました。関西学院大学国際学部の長友 淳(ながとも じゅん)教授をお迎えして、「移民研究の意義―ディベート課題研究活動に向けて―」をテーマにご講演をいただきました。1年次生(16回生)が受講しました。 今年のディベートの論題は、「日本は、現在以上に移民を受け入れるべきである」です。そのあと移民研究に関して活発な質疑応答がありました。