(((平成14年度 研究紀要 第113集)))
 

5年が経過した「トライやる・ウィーク」の教育的効果
―自己効力感・勤労観の心理学的アプローチから―

心の教育総合センター
企画調査課 主任指導主事 古田 猛志
義務教育研修課 指導主事 住本 克彦
高佼教育研修課 指導主事 定金 浩一

  本研究では、心の教育総合センターで実施した「トライやる・ウィーク」に関する心理学的調査をもとに、自己効力感・勤労観の視点から、この体験が生徒にどのような影響を与えてきたかを研究した。
 調査では、平成10年度の調査との比較から言えば、過去には変化が見られた体験前から体験後にかけての自己効力感に本年度は有意な変化が見られず、同様のことは勤労観の下位因子である自己実現、社会的自己実現にもあてはまる。しかし、過去と比べて社会的ステータスには大きな変化640が見られた。これらを考察し課題を明らかにした。
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中学校音楽科における和楽器の指導に関する研究

企画調査課 指導主事 山本 茂之
     

  今年度より実施された新しい学習指導要領では中学校音楽科において、「和楽器については、3学年間を通じて1種類以上の楽器を用いること」と和楽器の指導の導入が初めて明記された。本研究では、全日本音楽教育研究会中学校部会および本県中学校教育研究会音楽部会が実施したアンケート調査より、和楽器の指導に関する現状を分析した。その結果、全国と本県の和楽器の指導に関しては、ほぼ同様の傾向にあることが認められた。そこで、本県における調査を基に各学校の取組状況や音楽科の指導者が抱えている課題を明らかにし、これからの和楽器の指導の在り方について考察した。         全文はこちら
 

学習指導に生かす評価の在り方

義務教育研修課 主任指導主事 安達 佳徳 指導主事 上月 啓輔
  指導主事 住本 克彦 指導主事 東  智之
  指導主事 八木眞由美 指導主事 山口  豊

  本研究にあたっては、講座の受講者にアンケート調査を実施し、県内小・中学校での取組状況を把握した。その結果、一部の教科や「総合的な学習の時間」等で評価規準の作成が遅れているなど、評価の取組における課題が明らかになった。そこで、児童生徒の学習の到達度を適切に評価し、それを指導に生かすという評価の意義をより明確にするとともに、評価を生かす指導計画の作成、評価規準の作成、学習の過程の評価の在り方、指導方法の工夫改善につながる評価の在り方等について研究し、各学校の課題解決に向けた方向性を示した。                                          全文はこちら
 

理科嫌い・理科離れに関する意識と理科研修の在り方に関する研究
―児童生徒および教員を対象とした調査をとおして―

企画調査課 指導主事 一山 秀樹
義務教育研修課 主任指導主事 安達 佳徳
高校教育研修課 指導主事 岡田  学

  本県における小・中・高等学校の児童生徒に「理科」に対する意識を調査するとともに、教員の「理科」に関する意識および経験等について調査した。
 調査の結果、児童生徒の「理科嫌い・理科離れ」は学年が進むにつれて確実に進行している。教員のその認識度は、小学校の教員と中・高等学校の教員では大きな差がある。教員にとって指導しにくい内容には「式や計算が多く、内容が難しく、目でとらえにくい」分野をあげ、観察や実験の経験が少ない教員ほど、児童生徒に対して観察や実験の指導が不得意である。理科の研修で参加してみたいと思う形態や内容は、観察や実験などの実習が中心であることがわかった。
 このことから、教員の二一スに対応し、指導力の向上を目指す理科研修の在り方について考察した。                                         全文はこちら
 

小・中・高等学校 連携でつくる「総合的な学習の時間」に関する研究
―評価の視点を明確にした連携の在り方を考える―

義務教育研修課 指導主事 上月 啓輔
  指導主事 山口  豊

 「総合的な学習の時間」は新学習指導要領で示された大きな特色であるが、具体的な取組や評価の方法等については各学校に任されている。各学校では個々に取組を進めているが、小・中・高等学校が校種を超え連携を通して系統だった学習を行うという視点が必要である。
 本稿は校種間の連携に焦点を当て、当所の研究講座において結成した共同開発プロジェクトにおける代表的な実践研究を紹介し、その考察をとおして今後の取組や評価の在り方の研究をまとめたものである。評価については、「いつ」「だれが」「どこで」という個人への視点、および協議会の設置、指導体制の工夫など、組織への視点の両面から言及した。
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体験活動の及ぼす影響と今後の方向性に関する一考察
―「トライやる・ウィーク」等体験活動の成果と課題を踏まえて―

義務教育研修課 指導主事 東  智之
     

  体験活動は、子どもたちに自然への畏敬の念を培ったり、地域の人々との絆を深め、豊かな人問関係を築いたり、自己の存在感や有用性を実感させたりするなど大きな成果をあげている。研究にあたって、本県の取り組んでいる「トライやる・ウィーク」の成果と課題および全国で実施されている体験活動の取組内容について分析した。その結果、体験活動の日常の教育活動への発展、体験活動実施後の生徒の変容をよりよい方向に発展させていくための手立て、地域での体験活動の広がりとその支援のための方策等体験活動をさらに充実させるための課640題が明らかになった。また、平成14年7月に設置された「体験活動ボランティア活動支援センター」の活動内容等からも体験活動の成果を継続・発展させるための重要な視点およびその方向性について考察した。                  全文はこちら
 

学校評価についての一考察

高校教育研修課 指導主事 山内 裕文
  指導主事 樋口 正和

  平成14年2月の中央教育審議会答申では、学校の自己点検・自己評価の実施と、その結果を保護者や地域住民等に公表する学校評価システムの確立が強く求められている。そこで、学校マネジメントの観点から学校評価システムの導入は、学校組織と教育活動の活性化を図るなど教育改革を推進する上で必要不可欠なものと捉え、具体的にどのように進めるか、そのシステムの構築手順や方法についてまとめた。            全文はこちら
 

アクション・リサーチによる教授者の内的変化と授業改善の検証
―現職教員研修をとおして―

高校教育研修課 指導主事 泉 惠美子
     

  本研究では、TeacherTraining(現職教員研修)にアクション・リサーチを取り入れて研修する中で、教授者が自ら授業分析を行い、問題を掘り下げて課題を明確にし、その解決を目指して自己の内的変化と授業改革をおこすことができるかどうかを検証することを目的としている。本年度、当所で「小・中・高等学校国際理解のための英語研究講座」を実施し、講座を通じて受講者の授業への取り組みや内的変化を見ながら、アクション・リサーチが受講者に与える影響と、その有効性について考察した。
 その結果、アクション・リサーチは教授者の内面に変化をもたらし、自分を厳しく観察する眼が生まれ、授業を計画、実践・観察、内省・分析する過程を通して、授業の改善につながることが検証できた。                                    全文はこちら
 

教職員の情報モラルに関する実態調査の分析と研修用コンテンツの開発

情報教育研修課 課  長 常隂陰 則之 指導主事 沖田 雅一
  指導主事 白石  守 指導主事 野村 元幸
  指導主事 岡本 育夫 指導主事 山根 文人
  指導主事 奥田 誠治    

  本県教職員に、質問紙法による情報モラル実態調査を行い、それを分析することで教職員の現状を把握し、今後の情報モラルに関する教職員研修や指導の在り方について考察した。この調査から、「情報モラル」という言葉の認知と情報モラル教育の必要性は理解されているが、実際の指導となると一部の情報教育担当者が行い、教職員一人一人の喫緊の課題となっていないことや、教職員のインターネット利用経験の差が情報モラルに関する取組の差になっていること、研修や授業で活用できるコンテンツ不足などで指導の機会が少なくなっていることなどが分かった。そこで体験を通して情報モラルが学べるよう、日常では体験しにくいネットオークションサイトを安全なネットワーク環境の中に構築し、教職員や児童生徒が研修会や授業で安心して利用できるコンテンツを開発した。         全文はこちら
 
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