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120周年記念式典

創立120周年記念誌 兵庫県立視覚特別支援学校
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校訓 独立 自主 創造
目次
01  ご挨拶とお祝いの言葉
学校長挨拶……2
教育長お祝いの言葉……3
同窓会代表理事お祝いの言葉……4
PTA会長お祝いの言葉……5
第26代・第27代校長お祝いの言葉……6
垂水区長、卒業生お祝いの言葉……7
02 現在の取り組み・学校生活
理療科・支援部……9
学校給食・寄宿舎……10
在校生より……11
幼小学部……12
中学部……14
高等部……16
03 学校概要
施設の概要……18
沿革……20
校歌……22
学校案内図……23
2ページ ご挨拶とお祝いの言葉
創立120周年によせて
兵庫県立視覚特別支援学校 校長 橋本文子
 兵庫県立視覚特別支援学校は、2025(令和7)年に創立120周年を迎えました。 本校は1905(明治38)年、左近允孝之進先生によって設立された「神戸訓盲院」という私立の盲人教育機関として始まりました。日本で最初に設立された盲学校は京都盲唖院(1878年)であり、神戸訓盲院はそれに続く、明治期に設立された数少ない盲学校の一つです。 初代院長の左近允先生はご自身も視覚障害をお持ちであり、私財を投じてこのような時代に盲人のための学校を開かれたことは、並々ならぬご苦労と深い志があったことと思います。その後、1924(大正13)年に盲学校令により神戸訓盲院は廃止され、翌年には神港盲学校と合併し、兵庫県立盲学校として新たな歩みを始めました。初代校長は今関秀雄先生であり、現在も食堂入口の西側に頌徳碑が設けられています。  創立100周年を迎えた2005(平成17)年には、神戸訓盲院創立地である神戸市立湊川多聞小学校跡地(神戸文化ホール西側)に記念碑が建立されました。多くの方々の熱意と努力により築かれてきた本校の歴史を、改めて深く感じる節目となりました。  この100周年以降、教育制度の変化に伴い、2007年には学校教育法の改正により「特別支援教育」が始まり、本校も「兵庫県立視覚特別支援学校」と名称を改めました。視覚障害のある子どもたちへの教育は、より幅広い支援の枠組みの中で行われるようになり、地域の学校でも点字や拡大文字、音声教材などの支援が進められています。  2012年以降は「合理的配慮」の考え方が広まり、視覚障害のある子どもが通常の学級で学ぶ際の支援が制度的に整えられました。2020年にはGIGAスクール構想が始まり、ICTの活用が進む中で、音声読み上げや画面拡大などの機能を使った学習支援が広がっています。現在では、専門性を活かしながら、地域との連携や教員の研修を通じて、すべての子どもが安心して学べる環境づくりが進められています。  終わりに、これまで本校を支えてくださった多くの皆様のご厚情とご支援に心より感謝申し上げます。今後とも、変わらぬご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
写真:本館4階からグラウンドと体育館をのぞむ
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創立120周年を祝して
兵庫県教育長 藤原俊平
 兵庫県立視覚特別支援学校が創立120周年という輝かしい節目を迎えられましたことを心から嬉しく思います。  本校は、明治38年に設立された私立神戸訓盲院を前身とし、視覚に障害のある方々の自立と社会参加を願って教育の礎が築かれました。  教育実践においては、「独立・自主・創造」の校訓のもと、県立としては唯一の視覚特別支援学校として、「開かれた学校づくり」を推進しながら視覚障害教育のセンター校としての機能を発揮し、地域との連携や支援体制の充実に大きく貢献しています。  これもひとえに、幼児児童生徒一人一人の努力に加えて、歴代校長をはじめ教職員の方々の熱意と保護者、同窓会、地域の皆様からの温かい御支援と御尽力の賜物であると深く敬意を表するとともに、心から感謝申し上げます。  兵庫県教育委員会では、第4期「ひょうご教育創造プラン」のもと、「『絆』を深め、『在りたい未来』を創造する力」の育成を重点テーマとし、こころ豊かで自立する人づくりに取り組んでいます。特別支援教育においては、「兵庫県特別支援教育第四次推進計画」に基づき、インクルーシブ教育システムの理念の実現に向け、「連続性のある多様な学びの場における教育の充実(縦の連携)」と「連携による切れ目ない一貫した相談・支援体制の充実(横の連携)」を一層推進するため、地域の皆様や企業等の関係機関と連携した更なるキャリア教育の充実や、主体的な活動を促すICT機器の効果的な利活用など、新しい時代に即応した教育活動を進めています。  このような中、本校では、長い歴史の中で、一人一人の可能性を最大限に引き出し、社会において主体的に生きる力を育む教育活動を実践するとともに、パソコンやタブレット等のICTを利活用した深い学びの実現や、専攻科による国家資格の取得に向けた指導等、自立と社会参加に向けて教育の充実に取り組んでいます。  兵庫県立視覚特別支援学校が、120周年という節目を迎え、今後も視覚障害教育の拠点としてさらなる発展を遂げ、すべての幼児児童生徒が力を発揮できる学校づくりに一層邁進されることを心から祈念いたします。
写真:体育館前の芝生の築山とセンダンの木
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母校の創立120周年に寄せて
一般社団法人兵庫県立視覚特別支援学校同窓会代表理事 柴田 高弘
 兵庫県立視覚特別支援学校の創立120周年を、心よりお慶び申し上げます。  今年は昭和から100年、阪神・淡路大震災から30年が経過しました。私は22年前、目の病気の進行により失業をし、視覚障害者として身体障害者手帳を取得しました。  そして20年前となる2005年に、母校の専攻科理療科に入学しました。その年に母校は創立100周年となり、舞子ビラで開催された記念式典にも立ち会うことができ、参加させていただきました。  その後、私は学校の先生方のご指導のお陰で、無事社会復帰をすることができました。また、今年は同窓会代表理事として100周年に引き続き、創立120周年にもかかわらせていただくことになりました。今後とも母校のさらなる発展を心より願っています。  兵庫県立盲学校同窓会は、今年の8月1日より新たに一般社団法人兵庫県立視覚特別支援学校同窓会と名称が変わりました。その新たな旅立ちを、1年目の理事長として精一杯頑張ってまいりたいと思いますので、ご支援ならびにご協力をどうぞ宜しくお願いいたします。
写真:高等部生活単元学習の壁面制作作品
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兵庫県立視覚特別支援学校 創立120周年に寄せて
PTA会長 鷹崎紗智
 この度、兵庫県立視覚特別支援学校が創立120周年を迎えられますことは、たいへん喜ばしくPTAを代表いたしまして、心よりお祝い申し上げます。  これまで視覚障害教育にご尽力いただきました歴代の校長先生をはじめ教職員の方々、また諸先輩の皆様、地域の皆様のご理解、ご協力により記念すべき120周年が迎えられましたことに心より感謝申し上げます。  全国的な少子化により、本校の在籍幼児児童生徒数は減少の傾向にあります。在籍幼児児童生徒数減少に伴い教員定数も減少しておりますが、専門性の高い教育はもちろん、楽しい学校生活をおくることができるよう日頃から深く丁寧に教職員の皆様にかかわっていただいております。笑い声や笑顔が溢れているこの温かい環境は、教職員の皆様のご尽力の賜物です。  視覚障害のある子どもたちが、多様化する社会で自分らしく希望を持って歩んでいけるよう、これまで培ってきた伝統と実績を踏まえ、さらに未来へ向けて、子どもたちの成長を支えてくださいますようお願い申し上げます。  最後になりましたが、兵庫県立視覚特別支援学校がこれからもますますご発展されることを祈念いたしましてお祝いの言葉とさせていただきます。
写真:四季を感じる学校の中庭
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更なる飛躍を! 創立120周年おめでとうございます
第26代校長 上井昌好
 兵庫県立視覚特別支援学校創立120周年を、心よりお祝い申し上げます。  幼児、児童、生徒の皆さんや多くの卒業生の皆さん、同窓会の皆様、誠におめでとうございます。この喜びをともに分かち合いたいと思っております。また、卒業生が日本又は世界の様々なところで活躍され、社会や地域に大きな貢献をしていることに改めて敬意を表するとともに、温かいご支援をいただいている全ての皆様に改めて感謝を申し上げます。  私が着任した当時、現校長の橋本文子先生は、教頭として頑張っておられ、より良い学校をと共に日々奮闘させていただいた事を思い出します。創立120周年という大きな節目にあたり、歴史を振り返るとともに、折々の場面で尽力された方々の努力に思いを寄せ、更なる飛躍を遂げるための一歩を踏み出す機会となることを期待しております。  結びに、これからの兵庫県立視覚特別支援学校のますますの発展と、関係の皆様のご健勝とお幸せを祈念しております。
祝、創立120周年
第27代校長 坂井啓太郎
 兵庫県立視覚特別支援学校創立120周年を心からお祝い申し上げます。120年という歴史は、全国の視覚特別支援学校の中でも有数とうかがっており、幼児児童生徒の皆さん、保護者の皆様、同窓会の皆様、地域・関係者の皆様のお喜びはひとしおと存じます。  私は、第27代校長として、令和5年4月から令和7年3月までの2年間勤務させていただきました。日々の教科学習や自立活動はもちろんのこと、生徒は、フロアバレーボールや卓球、陸上、水泳などの運動部での活躍、弁論大会や演劇音楽発表会、NHK杯出場などの文化活動での奮闘、理数への好奇心から「科学へジャンプ」への参加など、近畿各地に応援に行き、頑張りを実感させていただきました。改めて、幼児児童生徒の頑張りと先生方の努力に感謝いたします。  私は、このような取り組みを伝えたくて、「校長MOVIE」という動画をつくり、学校を紹介させてもらいました。視聴された方々は、本校のすばらしさを理解してくださり、本当に誇らしかったです。兵庫県立視覚特別支援学校のますますの発展をお祈りいたします。
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写真:滝の茶屋駅と広がる空、遠くに淡路島を望む
創立120周年に寄せて
垂水区長 若松謙一
 兵庫県立視覚特別支援学校の創立120周年、誠におめでとうございます。長年にわたり、視覚に障がいのある子どもたちの学びと成長を支えてこられた貴校の歩みに、心より敬意を表します。  2023年9月、私が貴校を訪問した際には、生徒の皆さんが落ち着いて授業に向き合い、仲間と協力しながら学びを深めている様子が印象に残りました。また、先生方の温かく丁寧な支援のもと、それぞれの力を伸ばそうとする意欲的な姿勢に、教育の意義と可能性を改めて実感いたしました。  一方、同年12月には、「ひょうごSDGsスクールアワード2023」優秀賞受賞の報告のため、生徒が区長室に来てくださり、地域とのつながりを大切にしながら活動されていることに、私はじめ区職員も大きな刺激を受けました。  今後も地域と学校が互いに学び合い、支え合う関係が続いていくよう、力を尽くしてまいります。貴校のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。
今につながる高校生活
卒業生 近藤音花
 創立120周年、誠におめでとうございます。  私は中学の途中で転入し、高校卒業までの間、仲間や先生方と共に、この学校でかけがえのない時間を過ごしました。初めて経験する目の見えない、見えにくい人たちの世界で、私は多くのことを知りました。  授業や部活、文化祭やスポーツ大会、弁論大会、生徒会活動などを通じて、様々な経験を積むことができました。それらの経験は今の私を支える確かな自信となっています。年齢や障害を越えて、幅広い仲間と関わることができたのも母校ならではの経験です。  また進路に悩んだ際には、先生方が親身に相談に乗ってくださり、私の不安を温かく支えてくださいました。  卒業後、社会に出てからは、人の温かさに触れる一方で現実の厳しさも実感する日々です。しかし、母校で得た学びと経験があるからこそ、私は前向きに進み続けられています。これからも視覚障害者の一人として、より良い社会の実現に貢献していきたいと考えています。  母校の輝かしい歴史に敬意を表し、今後のますますのご発展をお祈りいたします。
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私の兵庫盲の思い出
卒業生 今泉勝次
 私は2回入学式をした。一度目は昭和33年の4月、2度目は昭和35年の4月。一度目の時は1日登校しただけで、後は登校せず。この学校は私が行く学校ではないと、親に抗議して2年間休んだ。近所の友達がみな学校へ行き、周りに遊ぶ友達がいなくなったので、2年後の昭和35年に入学式を向かえ、5日後から寄宿舎に入った。その頃の校舎と寄宿舎の廊下の電球の少なさにびっくりした。電気の明るさがあったのは、職員室と事務所、校長室、応接室のみだった。寄宿舎の部屋には裸電球、食堂は蛍光灯が灯っていたのを思い出す。寄宿舎は廊下が暗く、夜は怖かったのが印象に残っている。  小学部では学年が進むごとに新入生が増え、最初は7名だったのが3年生の時は12人に増え、初めて2クラスに分かれた。昭和37年には、小学部の低学年の教室に石油ストーブが入った。ストーブが入ったことで点字の教科書が読みやすくなった。5年生になった昭和39年に兵庫盲では、今までになかった弱視クラスができた。弱視クラスの教室には、黒板の上など教室内に蛍光灯が備え付けられた。私は全盲の点字クラスに入った。  中学部になり新しい教師が来られ、天候の悪い日など暗くて字が見えないとよく言っていた事、教室に角火鉢が置かれていた事が印象に残っている。また昔の寄宿舎の東寮の前で、校長先生が飼っていたサルに飛びつかれたりしてよく襲われた。今の校舎の場所にあてはめると、北校舎の東の端のほうだ。  昭和41年の秋ごろから新運動場と寄宿舎の工事が始まった。工事が終わるのは早く、昭和42年の4月には女子寮が完成し、女子が木造の寮から鉄筋に移動した。翌年には男子寮が完成し、私も新しい建物に移り、夜の明るさにびっくりした。校舎の工事もあり、体育祭が中止になった。私は古い校舎も新しく変わった校舎のどちらもわかる世代にいたことは、貴重な体験ができて良かったなあと思っている。
写真:現在の校舎内、廊下の一角
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理療科の取り組み ―豊富な知識と確実な技術の向上を目指して―
高等部理療科 春名尚信
 理療科では、授業や定期考査に加え、模擬試験や実力テスト、総合実技試験により、あはき師国家試験合格および就職先で即貢献できる施術者の育成に取り組んでいます。  また、理療に関する知識と技術の更なる向上を目指して様々な取り組みを行っています。  解剖学実習は、神戸大学医学部にて人体解剖に立ち会わせていただき、人体の詳しい構造の観察を行い、あわせて献体の尊さや施術者としての責任感等、多くのことを学んでいます。  特別講座は、国家試験の難易度が年々上がっている中、生徒の学習時間の充実を図り、国家試験合格に必要な学力の向上に活かしています。3年生を対象として夏季休業期間中7日間行っています。  あん摩実技交流会は、神戸市立盲学校と本校が毎年交互に主管しています。生徒の技術交流や実技終了後の意見交換を通して交友を深めるとともに、生徒の学習や就職に対する意欲を高めることに繋がっています。  職場見学・実習では、ヘルスキーパーや介護施設等、生徒の進路希望に応じて行っています。
写真:生徒が実技に取り組んでいる様子
支援部の取り組みについて
支援部 岩永力男
 学校現場では、子どもたちのために教職員が日々、創意工夫しながら教育活動を実践しています。しかし、多様な支援を必要とする現場では、困難な課題もあります。このような時、課題解決に向けて先生方の支援を担当しているのが支援部であります。  活動の現場は大きく2つに分けられ、学校内における「校内支援」とセンター的支援を行う「校外支援」があります。本校の校内支援では、採用や異動されてきた先生方のための「新転任者研修会」があります。その他に「歩行研修」「点字学習会」があり、全校研修会では、「弱視教育研修会」を開催しております。また、適時「ケース会議」を行い、必要に応じて関係機関とも連携を図っております。  校外支援では、県内全域を担当することのできる唯一の視覚支援学校として、教育相談等を行っております。見えづらさを感じている子どもや保護者、各学校園への先生方の教育相談、来校が困難な方のためにサテライト式の教育相談「アイ・あいスクール」にも取り組んでおります。また、県内の関係機関との連携として、「担当指導主事・コーディネーター見学会」や保健師を対象とした「保健師学校見学会」、教育相談を受けている保護者対象の「保護者交流会」などを行っております。
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学校給食の取り組み 健やかな身体と心を育む学校給食
栄養教諭 福田千尋
 学校生活の中の昼食である学校給食。学校給食は、実際に食べるという体験を通して食について学ぶ、大切な時間です。  会食の中で、箸の正しい使い方を学んだり、自分の食事量の適量を知ったりと、何度も実際に体験することで習慣として身についていきます。準備や片付けを自分で行うことも、生きる力を育むことに繋がります。  本校では、幼稚部から高等部まで、食堂に集まり会食しています。和やかな雰囲気の中、みんなで楽しく会食することで社交性が身につきます。  また、旬の食材や様々な行事食、郷土料理などを組み込み、季節や文化を感じられる学校給食を実施しています。他にも、授業で習った食材や料理を提供したり、授業の導入で学校給食を用いたり、生徒が考えた献立を実施したりと、様々な場面で学校給食を活用して食育に取り組んでいます。  日々の学校給食を通じて、幼児児童生徒の皆さんが卒業した後も、心身共に健やかな生涯が送れるよう支援しています。
写真:配膳の様子、ある日の給食メニュー
寄宿舎生活の様子について
寄宿舎指導員 神吉信博
 寄宿舎では、「自分でできることは自分で行い、できないことは周囲に助けを求める」ことを大切にしながら日々生活しています。家族と離れて生活する寂しさを乗り越え、仲間と支え合いながら充実した毎日を送っています。舎生は学校から帰宅後、学習や入浴に加え、洗濯や掃除など、忙しい生活を送っています。余暇時間は限られていますが、自立心が育まれています。  寄宿舎の活動は自治会を中心に行われ、総会で年間予定を決定したり、新入舎生が安心して生活できるよう支えたりしています。学年を超えた交流ができるレクリエーションは、舎生にとって特別な行事のひとつです。さらに、火災や地震、不審者対応の訓練も定期的に実施し、舎生同士が声を掛け合いながら真剣に取り組んでいます。寄宿舎での集団生活はルールや決まりごとが多いですが、ここでの経験が学校生活や進路選択の場面での自信や強みにつながっています。
写真:寄宿舎の外観
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本校での学校生活
高等部本科普通科3年 酒井優果
 現在、本校には、58名の幼児・児童・生徒が在籍しています。  授業では、それぞれの進路に向けて、勉強に励んでいます。自立活動や情報では、パソコンの練習をしており、ワードやエクセル、インターネットなどの基本的な技術を身につけたり、ショートカットキーを覚えたりしています。学校行事には、スポーツ大会、文化祭、修学旅行などがあります。スポーツ大会では、中学部、高等部、理療科の生徒が混合チームを組みフロアバレーボールを楽しみました。昨年の文化祭では、全ての学部が演劇を披露し、とても盛り上がりました。修学旅行の行き先は、小学部が大阪、中学部が和歌山、高等部が東京方面でした。  本校には、12の部活動があり、運動部は大会、文化部は文化祭に向けて、先輩・後輩関係なく、楽しく練習しています。ゴールボール部は、昨年の近畿大会で優勝しました。陸上部や水泳部も、大会で優秀な成績をおさめています。
写真:3階廊下から中庭の銀杏の木と遊具を見下ろす
高等部生徒会 理療研究部の取り組み
高等部専攻科理療科3年 清水七
 理療研究部(理研部)は、高等部理療科の生徒が日々の勉強を通して理療の技術や知識の修得を目指し、学科や学年の違いを超えて学びあい、理療の質を更に向上することを目標としています。  理療とは、西洋医学の観点や東洋医学の治療法などを踏まえた「あん摩マッサージ指圧」「はり」「きゅう」の総称です。その中で、あん摩の技術は特に道具を必要とせず、衣服の上からでも施術することができるため、目標に向けてより交流しやすい技術です。  そこで、理研部の主な活動として、文化祭でのクイックマッサージや神戸市立盲学校とのあ ん摩交流会を行っています。また不定期に理療科の生徒同士でのあん摩交流会も実施しています。  理研部は、理療科生徒の技術や知識を広げるとともに、コミュニケーションスキルの向上にも尽力し、卒業後も心のこもったケアができる理療が提供できるよう、活動しています。
写真:神戸市立盲学校とのあん摩交流会
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幼小学部
新転入生歓迎会 遠足@ 遠足A 水泳授業 運動会@ 運動会A 13ページ
文化祭 修学旅行 自然体験活動 校外学習 クリスマス会 雪あそび 14ページ
中学部の活動を紹介します
3年生
・修学旅行で初めて和歌山に行きました。1日目は、和歌山マリーナシティで生きたサザエやアワビを初めて触り、から揚げを食べました。白浜エネルギーランドでは、バニラソフトクリームを食べて、お兄さんにパンダのボールペンを買いました。2日目は、アドベンチャーワールドで大好きなゾウに会えて嬉しかったです。そして、白良浜で足を海につけて楽しかったです。3日目は、紀州梅干館で梅ジュースを作り、おみやげに梅干しを買いました。おいしいものをたくさん食べて楽しかったです。
・居住地校交流に参加しました。1年生の時は、学園祭に参加して一緒に「朝顔」を歌いました。2年生の時は、音楽と家庭科、美術などをしました。3年生は音楽、家庭科、美術をしました。美術では、ゴム版を使ってはんこを作り、学園祭では、みんなで「朝顔」を歌いました。みんなで歌を成功させることができて、とてもうれしかったです。今年もあと2回の交流をしたら終わってしまうのがとても寂しい気持ちです。
・体育ではランニング、フロアバレーボール、ゴールボール、グランドソフトボール、卓球をしています。僕はフロアバレーボールが好きです。思いっきり「バンッ!」と打って勝てたらうれしい気持ちになります。走るのも好きで、いつも歌いながら走っています。
2年生
・今年で120周年。家族は、みんなこの学校の卒業生。祖父母から孫の代までずっと続いています。祖母いわく、今から50年前の学校は、建物の配置が何もかも違ったそうです。食堂の場所が体育館だったりなど、いろいろ変わっています。そう思うと歴史が長いといろいろ変わるんだと思います。これからもこの歴史が続いていくといいなと願っています。
・送別会では、中学部のみんなで卓球(サウンドテーブルテニス)をしました。その後は、3年生からの言葉を聞いて、在校生からもお礼の言葉を言いました。その後、みんなでおやつを食べました。3年生と最後の楽しい思い出を作りました。
・授業で点字の学習をしています。パーキンスで『あ行、か行、さ行』を打つ練習をしています。さ行は難しいですが、あ行は打てるようになりました。読みでは「ま」、「む」を読むことや指を滑らせながら読むことを頑張っています。点字がわかるようになって、点字の絵本を読んでみたいです。また、友だちと手紙のやりとりができるようになりたいです。
写真:修学旅行2枚、送別会2枚
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・国語数学では、絵本を読むことが楽しいです。特に、こぐまちゃんシリーズの本が大好きです。ご褒美にタブレットで音楽を聴いたり、図書館で太鼓絵本を借りたりできるよう、頑張っています。3年生になっても頑張りたいです。 ・私は今年から中学部に入学し、色々と新たなことを知りました。まずは、弁論大会です。この大会では、自分達が主張したいことを書いてまとめて、それを話します。もう一つは、スポーツ大会です。中・高等部全員でフロアバレーボールをします。今回、私はAチームで出場しました。相手チームに逆転された時もありましたが、何とか点数を守って優勝することができました。
・高等部と一緒にスポーツ大会をしました。競技はフロアバレーボールで、4チームに分かれて試合を行いました。サーブを打ったり、レシーブをしたりして、とても楽しかったです。試合の合間の昼休みに、みんなで練習ができたことも嬉しかったです。優勝はできなかったけど、とても良い思い出になりました。
・ぼくは、水泳部に入部しています。今年の7月24日には、和歌山県であった第42回近畿盲学校水泳競技大会に行きました。記録は、中学部弱視男子の25m自由形が27秒66で第3位に、中学部弱視男子の25m背泳ぎが32秒73で第2位になりました。和歌山までは、JRの阪和線に乗って行きました。大会の日は、前日から和歌山へ行きホテルに泊まりました。 ・中学部で歩行の時間に、先生やお友達と並んで学校の周りを歩きに行ったことが楽しかったです。展望公園や平磯海釣り公園に行ったり、学校の近くのお店にお菓子を買いに行ったりしました。公園の滑り台で遊んだことも楽しかったです。これからもみんなと一緒に歩くことを頑張りたいです。
・私は、中学生になって音楽部に入りました。火曜日と木曜日の放課後に練習があります。疲れていても、部活があると思えば、元気になれます。活動の中でも、私が一番楽しいと思っていることは、みんなと一緒に歌を歌うことです。これからも、大きな声で歌を歌って頑張りたいです。
写真:スポーツ大会2枚、歩行1枚、音楽部1枚
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高等部
普通科
高等部通科では、学習はもちろん、行事やクラブ活動、友達との時間など、かけがえのない経験がたくさんあります。一人ひとりの「できた!」が、少しずつ自信につながっていく3年間。先生や仲間に支えられながら、毎日を前向きに歩んでいます。
Q1.いちばん楽しかったことはなんですか?
文化祭や修学旅行、校外学習など、どれもが思い出に残る時間。日常のなかにも、楽しい瞬間がたくさんありました。
・修学旅行でディズニーランドに行き、おいしいものを食べて一日中遊んだことが心に残っています。
・実習先では、知らない人と初めて関わることができて、楽しく感じました。
・文化祭で劇「かぐや姫」をみんなで演じたのがとても楽しかったです。
・昨年度の校外学習で食べたお昼ご飯が、一番印象に残っています。
・スポーツ大会で思いきり体を動かせたことが、楽しい思い出です。
・理科の実験も楽しかったです。 Q2.実話で学んだこと、感じたことを教えてください。
緊張や不安もありましたが、それ以上に多くの学びがありました。社会に出るための第一歩を、確かに踏み出した経験です。
・自分だけでなく、相手のことも考えて行動する大切さを学びました。
・慣れない機械や細かい作業にも工夫しながら取り組み、集中力が身につきました。
・専門用語や作業の難しさから、働くことの大変さを実感しました。
・商品を慎重に扱うこと、しっかり話を聞いて行動することの重要性を実感しました。
・コミュニケーションや、初めての場所で勇気を持って動くことが大切だと感じました。
・「できること」「できないこと」を区別して、自分にできることを探す機会になりました。
写真:点字を打っているところ、スーパーでの職場体験実習、修学旅行(ディズニーランド)、スポーツ大会(フロアバレーボール)、教室の風景
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Q3.将来の夢や目標があれば教えてください。
夢や目標は人それぞれ。進路も進み方も違うけれど、「なりたい自分」へ向かって、一歩ずつ進んでいます。
・保育士の資格を取りたいです。
・卒業後、就職先での生活を頑張りたいと思っています。
・パソコンを使う仕事に就きたいです。
・人気YouTuberになってみたいです!
・日本代表のグラウンドソフトボール選手を目指しています。
・鉄道関係の仕事に就きたいという夢もあります。
Q4.120周年に寄せて、自由にメッセージ!
学校への感謝、自分の気持ち、未来への想い――。生徒たちの率直なメッセージを紹介します。
・入学した頃はとても泣き虫でしたが、苦手を克服し、少しずつ成長してきました。これからもこの学校が続いていきますように。
・この学校に通えてよかったと、心から思います。
・しんどくても、その先には楽しい人生が待っている。だから今を頑張る!
・120周年、おめでとうございます! 200周年も目指しましょう!
・高校生活でしかできないことを、思いきり楽しんでください!
理療科
視覚に障害があっても、あん摩マッサージ指圧・鍼・灸の国家資格取得を目指して、幅広い年齢の学生が日々学んでいます。初めての実技や専門知識に戸惑いながらも、手の感覚を研ぎ澄まし、確かな技術を身につけていく毎日です。
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学校概要
施設の概要
所在地
〒655-0884
神戸市垂水区城が山4丁目2番1号 TEL 078-751-3291(代表)
078-751-6482(寄宿舎)
FAX 078-751-3254
校舍平面図
校地面積 13,386.38u
建物面積 4,076.37u
建物延面積 10,662.31u
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校地及び建物概要図
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沿革 明治38年6月10日  左近允孝之進 神戸市楠町5丁目181番屋敷に私立神戸訓盲院を設立する。
明治42年1月    神戸市加納町2丁目4番屋敷に移転する。
明治42年11月    左近允ますゑ 院長となる。
大正2年12月19日  神戸市再度筋39番屋敷191に移転する。
大正3年2月    今関秀雄 院長となる。
大正6年11月    神戸市野崎通3丁目4番地に校舎新築移転する。
大正7年5月    兵庫県から鍼術、灸術、按摩術、営業資格無試験検定施設に指定される。
大正11年11月    寄宿舎を新築する。
大正13年4月    公立、私立盲学校及び聾唖学校令により、神戸盲学校の設置が許可される。
大正14年4月    神港盲学校を合併して兵庫県立盲学校を新設する。
大正15年11月15日  今関秀雄 校長に任命される。
昭和7年4月    明石郡垂水町東垂水に校舎及び寄宿舎を新築、現在地に移転する。
昭和8年12月14日  密本勝之助 校長に任命される。
昭和15年3月23日  松木永八 校長に補せられる。
昭和17年3月30日  寄宿舎(延237.6u)増築する。
昭和23年4月1日  新学制実施され小学部、中学部、高等部本科理療科、別科あんま科が設置される。
昭和25年4月1日  高等部専攻科理療科が設置される。
昭和26年3月31日  法律に基づくあんま師、はり師、きゅう師養成学校として認定される。
昭和27年8月14日  校舎(延290.4u)、寄宿舎(283.8u)増築する。
昭和28年5月30日  隣接地(4,748.7u)を校地として購入する。
昭和29年3月26日  兵庫県教育委員会規則第1号により学則が公布される。
昭和29年10月30日  寄宿舎(延478.5u)増築する。
昭和31年4月16日  秦攝楞 校長に補せられる。
昭和32年9月23日  初代校長 今関秀雄先生の頌徳碑を建立する。
昭和36年4月1日  印部すゑこ 校長に補せられる。
昭和38年5月16日  竹中清 校長に補せられる。
昭和40年10月15日  創立60周年記念式典を挙行する。
昭和42年3月25日  寄宿舎新築第1期工事(北寮900.24u 食堂345.60u他)完成する。
昭和42年4月1日  吉川吉之助 校長に補せられる。
昭和43年3月31日  寄宿舎新築第2期工事(南寮1,211.82u 六角棟239.43u他)完成する。
昭和43年4月1日  幼稚部を設置する。
昭和44年6月5日  25mプール(5コース)・幼小用プール完成する。
昭和44年7月31日  北校舎第1期工事(1,004.40u)完成する。
昭和45年3月31日  北校舎第2期工事(907.20u)完成する。
昭和45年3月31日  高等部本科普通科を設置する。
昭和46年3月31日  本館第1期工事(校舎改築第3期工事540u)完成する。
昭和46年3月31日  高等部専攻科理療科を高等部専攻科第1部理療科とし、新たに高等部専攻科第2部理療科を設置する。
昭和46年4月1日  視覚障害教育対外センターが発足する。
昭和47年3月25日  本館第2期工事(校舎改築第4期工事2,163.42u)完成する。
昭和47年4月1日  白山治郎 校長に補せられる。
昭和48年3月31日  本館第3期工事(校舎改築第5期工事1,623.90u)完成する。
昭和48年4月1日  高等部本科理療科を高等部本科保健理療科と改称する。
昭和50年3月19日  本館第4期工事(校舎改築第6期工事472.77u)完成する。
21ページ 昭和50年4月1日  横田孝志 校長に補せられる。
昭和51年5月31日  体育館(871.79u)、自家発電室(12u)完成する。
昭和51年10月8日  創立70周年記念式典を挙行する。
昭和52年3月31日  高等部専攻科第1部理療科を廃止する。
昭和54年4月1日  堀俊吉 校長に補せられる。
昭和56年4月1日  波部忠 校長に補せられる。
昭和57年4月1日  視覚障害教育対外センターを視覚障害教育対外サービス室と改称する。
昭和60年4月1日  岡田健一 校長に補せられる。
昭和60年6月14日  創立80周年記念式典を挙行する。
昭和63年3月20日  本館、北校舎受水槽、ポンプ室、高架水槽工事完成する。
平成元年4月1日  上山勝 校長に補せられる。
平成3年3月22日  高等部別科あんま科を廃止し、専攻科保健理療科を設置する。
平成5年4月1日  中尾健二 校長に補せられる。
平成7年3月31日  エレベーター工事完成する。
平成7年6月9日  創立90周年記念式典を挙行する。
平成9年4月1日  桑田良子 校長に補せられる。
平成10年4月1日  校訓「独立、自主、創造」をおこす。
平成12年4月1日  柴原秀樹 校長に補せられる。
平成13年3月30日  LAN整備工事(新本館・北校舎)完成する。
平成14年4月1日  鎌田國夫 校長に補せられる。
平成17年3月30日  本校発祥の地に記念碑を建立する。(神戸市中央区楠町4丁目 神戸市立湊川多聞小学校(平成26年度閉校))
平成17年4月1日  大林惠子 校長に補せられる。
平成17年6月10日  創立100周年記念式典を挙行する。
平成18年4月1日  十名立己 校長に補せられる。
平成18年4月1日  視覚障害教育対外サービス室を支援相談室と改称する。
平成19年4月1日  「兵庫県立盲学校、兵庫県立聾学校及び兵庫県立養護学校の設置及び管理に関する条例」等の一部改正により、「兵庫県立視覚特別支援学校」と校名変更する。
平成20年4月1日  開延子 校長に補せられる。
平成21年10月9日  食堂棟耐震補強その他工事完成する。
平成22年3月25日  第1期耐震補強その他工事(北校舎)完成する。
平成22年4月1日  中塚昌男 校長に補せられる。
平成23年3月14日  第2期耐震補強その他工事完成する。
平成24年4月1日  小松原知子 校長に補せられる。
平成27年4月1日  野田泰宏 校長に補せられる。
平成29年4月1日  仲山惠博 校長に補せられる。
平成30年10月1日  普通教室他空調設備工事完成する。
平成31年4月1日  長谷川啓輔 校長に補せられる。
令和元年5月23日  太陽光発電設備その他工事完成する。
令和3年4月1日  上井昌好 校長に補せられる。
令和5年4月1日  坂井啓太郎 校長に補せられる。
令和6年4月30日  体育館空調設備設置工事完成する。
令和7年4月1日  橋本文子 校長に補せられる。
22ページ
校歌
兵庫県立盲学校 第二校歌
鎌田國夫 作詞
伊神ひろみ 作曲
1.白砂輝く舞子浜 垂水の丘の学び舎で 大きな夢の語り合い 心と心が結び合い みんな元気に学んでる ああ 兵庫県立盲学校
2.青く広がる瀬戸の海 神戸の街の学び舎で 高い誇りの六つの星 友と友とが高め合い みんな仲良く育ってる ああ 兵庫県立盲学校
3. 緑連なる須磨の峰 兵庫の郷の学び舎で あつい情熱磨く技 人と人とが深め合い みんな明るく励んでる ああ 兵庫県立盲学校
23ページ
学校案内図
アクセス方法
電車での行き方
山陽電鉄滝の茶屋駅下車、徒歩約7分。 点字ブロックに沿って、北西へ500m。 車での行き方
第二神明道路名谷ICより、4 km。 24ページ
編集後記
創立120周年という節目にあたり、本記念誌を皆様にお届けできることを心より嬉しく思います。 本校は、視覚障害教育の専門機関として、子どもたち一人ひとりの可能性を信じ、120年の長きにわたり、その成長を支えてまいりました。本誌には、日々の学校生活の中で。 子どもたちが仲間とともに学び合う姿を中心に、現在の本校の様子を収めています。また、学校の歩みをたどることで、教職員が受け継いできた専門性や、教育にかける思いを感じていただければ幸いです。これからも、子どもたちが安心して学び、夢を育むことのできる環境づくりに努めてまいります。 本誌の制作にご協力いただいた皆様に深く感謝申し上げますとともに、今後とも本校への温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
創立120周年記念誌
発行日
令和7年11月1日
発行
兵庫県立視覚特別支援学校
〒655-0884
神戸市垂水区城が山4丁目2番1号
TEL 078-751-3291
FAX 078-751-3254
URL https://www.hyogo-c.ed.jp/-kenritsu-svn/
印刷
株式会社プリントパック

バナースペース

兵庫県立視覚特別支援学校

〒655-0884
兵庫県神戸市垂水区城が山4丁目2番1号

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FAX 078-751-3254