1.期日・場所・参加者
参加者 北川(御影),安岡(御影),谷口(尼崎稲園),東田(舞子)
吉田(宝塚東),浅井(尼崎西),中西,高田(神戸高塚)
(送別会 栗岡)
時 間 平成14年1月12日(土) 14:00〜18:15
場 所 兵庫県立御影高等学校
2.巻頭言
兵庫県立芦屋高等学校
太 田 徹 次
新年が明けて早々、1ヶ月が過ぎセンターテストの本試験60万人と追試験も250名ほどが受験し、いよいよ進路指導の醍醐味といえる時期になってきました。今年のセンターテストの問題が、組み合わせだけで、思考力を問う骨のある内容ではなかっただけに、各大学の二次試験が楽しみです。
教育界も@明治5年の学制発布A終戦後、昭和20年の教育基本法B平成の教育改革(元中曽根総理の臨教審から始まる改革)と大きく三度の改革を行ってきましたが、今回の改革ほど、諸外国と比べて教育内容の量・質ともに劣るものは無いといっても過言では有りません。これでは、日本の公教育の量・質の低下が、生徒の学力低下に現れる事は、はっきりしています。学力低下は私達の責任でもあり、過去の教育課程で理科氓ニ生物氓セけで理科の履修を終わらせ、進学率だけに精力をつぎ込んだ結果、中心となる30代の教員の学力低下が教育の再生産を生んでいるからです。また、1960年代に米国で総合的な学習(integrated
study)が実施されましたが、学力の低下から「危機に立つアメリカ」の本が出版され、それ以降、米国はテスト付けの学習に力を注いでいます。
日本の場合も、小学校の生活科の導入から学力の低下が起こっている事実は、1999年のTIMSS-RやIEA等の報告から指摘されています。
この現状から教育を回復させる為には、@夏期や冬期の自主研修を、行政が実践的な研修の場として用意する事、A生徒の自主性・自発的学習意欲を育てる工夫、例えば、原体験学習、ものづくり、D.スーパーの理論による習熟度別学習等、B休みの土曜日に生徒同士が教え合う地域別またはクラブ別・縦割り集団グループ別学習など色々実践する必要があると考えています。AとBについては機会が有れば報告したいと思います。
それから小・中・高の系統的カリキュラム及び経験的カリキュラムの確立と評価も研究しなければなりません。
以上、私の私見を述べましたが、まだまだ未熟者ですので諸先生方から教えを請いたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
3.連絡など
1.次回研究会は
2月23日(第4土曜日) 江田先生の講演会に変えさせていただきます。講演会への出席をお願いいたしま お知り合いの方へも勧めていただければありがたいです。
県内の高校の理科担当の先生方へ案内状を送付する予定です。
2.5月11、12日(土,日)に 1泊2日で猪名川のフェールドワークを計画しています。水生昆虫や野鳥を出かけに行きませんか?日程は予定の段階です。
3.平成14年度 奨励研究(科研費)に申請しました。
研究課題 「高等学校間の連携による生物・化学的な手法に基づいた河川の水質調査」
東田先生(舞子),安岡先生(御影)を中心に計画していただきました。申請が通ったならば、みんなでフィールドワークを楽しみながら、協力してやっていきたいと思います。ご協力をお願いたします。
4.内容
1.おもしろ実験ビデオ「濃硫酸の性質」の編集完了・・・浅井
濃硫酸の性質のビデオが12分に編集されよくまとめられていた。
次回は、黄リンの発火のビデオ編集に取りかかる予定。
濃硫酸の脱水反応を以下の3種類について行いました。
@トイレットペーパーノ明らかに炭化が見られる
Aキムワイプノ少しだけ炭化が見られ、後は溶けるような感じ
B脱脂綿ノ炭化が見られず、溶ける
2.安価で手に入る液晶材料
これを使ったアクセサリーつくり・・・浅井
液晶材料 HPC‐SL
単価:4000円/500g 6000円/1kg
連絡先 日曹商事(株) 化学品部 精密化学品課
薦田(こもだ)達也 さん
〒541‐0041 大阪市中央区北浜2丁目6‐26
TEL06-6202-6253 FAX06-6229-0924水:HPCの比を 2:3 または 1:4 に変えることにより常温での色が違ってくる。アクリルチューブなどを使って、キーホルダーをつくるといいものができる。科学の祭典や学校の文化祭にもってこいです。
3.昨年実施した「環境科学」授業経過の報告・・・北川
御影高校で昨年行った環境科学授業の経過の報告と今後の展望の説明。色々なところでのご苦労と新しい発見の話があった。4.国際教育到達度評価学会(IEA)の調査結果にみる子供の学力 ノ北川
中学の数学の国際教育到達度テストや校外学習時間のデータをもとにした意見交換を行った。
(佐藤学「学力を問い直す」岩波ブックレットNO548より)
5.(生徒実験)反応する量の関係を調べよう・・・北川
以前に報告があった、化学反応式の量的関係を理解するための生徒実験の完結編
亜鉛と酢酸鉛を使った実験をもとに、物質量を中心とした量的関係を理解させるもので、1時間以内で完了することが少し難しいが、是非やってみたい実験です。生徒の反応もよかったとのことです。
6.水生昆虫による猪名川水質調査の報告・・・東田
以前から行っておられた猪名川の水生昆虫によるの水質調査をもとに水生昆虫の種類、生息場所と水質等の環境についての説明があった。
とても興味深く、5月のフィールドワークが楽しみになった。
送別会 19:00〜23:00すぎまで楽しくみんなでワイワイやりました。
5.研究会詳細試料
1.平成14年度 奨励建久研究計画調書
2.平成13年度実施の「環境科学」授業経過報告
3.国際教育到達度評価学会(IEA)の調査結果
4.生徒実験「反応する量の関係を調べよう」
5.水生昆虫による猪名川水質量差の報告
6.報告その他
理科と情報数理の教育セミナー
−21世紀の理数科教育を考える− (化学分科会)より
そのA 「教える」から「学ぶ」教育へ−「学育」のすすめ