期 日:平成8年6月8日(土)13時30分〜17時00分 場 所:神戸大学 発達科学部(旧教育学部) 参加者:北川(御影),安岡(尼崎稲園),瀧川(市立神戸工業),中澤(兵庫), 中(鈴蘭台),吉田(川西),浅井(東播磨),谷口(鳴尾),高田(舞子 ),宮本(上野台中),小林,山口,長尾,中西(以上神戸大学大学院), 田尾(京都教育大学大学院) 〔順不同,敬称略〕
化学オタクへの道 県立川西高等学校 吉田 英一 僕は,長年,研修会や研究に対して拒否反応を示し,その時間があるなら生徒と汗 を流すか,プリントをつくっていたいと思っていました。 しかし,2年前に定時制に転勤し,暇をもて余して各方面に足を運ぶようになって から,少し考え方が変わりつつあります。 「月1回,化学の教師が集まっている」と話すと,世間には「アブナイ集団」と見ら れるこの会に出席させていただいたのも,「どんな化学オタク・実験オタクがいらし ゃるのだろう」という失礼な好奇心からだったのですが,そこで見た「化学オタク? 」の先生方は,皆さん真打クラスで,毎回,驚きの連続です。 ただ,反面,「実験が理科離れを防ぐのだろうか!?」という疑問は消えていませ ん。実験しても,「遊びの時間が増えた」,「爆竹を鳴らした」というレベルの楽し さであれば,「理科への興味」に結びつかない気がするのです。そして,環境問題を 取り扱おうとすると,「理科」の問題ではなく,「政治経済」,「倫理」の問題だと いう結論に行きついてしまうのです。 そこで,「理科離れを防ぐには,教師が吉本へ修行に行くことだ」などと答えてし まうのですが,毎回,この会で得るものを大切に,「化学オタク」への階段を登って ゆきたいと思っています。
・14回研究会は,7月13日(土)13時30分より神戸大学発達科学部にて 実施。8月はなし。 ・15回研究会は,9月14日(土)の予定。 ・「日本理科教育学会全国大会」案内 期日:1996年8月3日(土)〜4日(日) 会場:兵庫教育大学 ・「’96青少年のための科学の祭典」の協力と依頼 ・インターネットについて 「理科教育メーリングリスト」に登録 ・「大学入試について」の会議より 27大学,50(以上)高校が参加 記述,論述問題の増加 実験に関する問題の増加 ・瀧川 勝三先生(市立神戸工業) ジャイカの依頼よりケニアに派遣されることになりました。 平成8年8月 〜 平成10年1月
@ 曲がる水(高田)
ストローやプラスチック定規を布で擦ると帯電する。これを水道から落ちる水に 近づけると,その方向を鉛直方向から少し曲げることができる。これを教室で行い, 分子の極性の導入に使うことができる。A 熱気球と固形燃料(安岡)
熱気球を製作することによって,気体の法則,アルキメデスの原理を理解させ,併 せて固形燃料についても理解させることを目的とした実験である。ポリエチレン製の ゴミ袋がわずかな固形燃料の熱で膨れ,浮かび上がる。文化祭等でも使える実験であ る。 しかし,実際にやってみると重量に問題があるようで浮力が少し弱いため余り高く まで上がらなかった。 ここで,骨組みのストローを細くしてみたりの工夫をその場でやってみた結果,骨組 みにストローを使うと燃料の熱により溶け出してしまうため,細い軽量のエナメル線 等を使用すればよいのではないかということになった。B ナトリウムと塩素の反応(北川)
教室持参の簡便な演示実験 <実験1> 融解させたナトリウムに,さらし粉と濃塩酸から発生させた塩素を反応させ,そ の反応を観察させるとともに,塩化ナトリウムが生成することを確認させる実験であ る。反応は激しく一瞬にして起こり,生徒の興味を引く。 <実験2>静電気力(クーロン力) 帯電させたストローとガラス棒を用いて,異種の電気が引き合うことを生徒に見せ ,静電気力を理解させる実験である。また,ストロー同士(同種の電気)だと反発す ることも実証できる。 この演示実験をイオン結合の授業で使うと効果があると考えられる。また,参考実 験も一度試してみたくなるものだった。C 各種アルコールによる粒子付着抑制効果(田尾)
大学院での研究発表の一部を発表してもらった。 水にアルコールを添加すると,表面自由エネルギー(表面張力)の非分散力成分が減 少し,付着の自由エネルギー変化の負の値が大きくなり,付着粒子数が減少する。ま た,付着抑制効果は,炭素数の大きいアルコールほど大きいことがわかる。というも のでした。この研究発表において,何故,炭素数が大きくなれば,表面自由エネルギ ーが減少し,付着抑制効果が大きくなるのかについて,システムが解明できればさら におもしろい題材になると思われた。D 防災教育学習ソフトウエア「阪神・淡路大震災に学ぶ(資料編)」(中澤)
阪神・淡路大震災をもとにつくられたソフトウエアの紹介と実演があった。部屋の 家具等の配置を自分で考え,震度を設定して,それによる家具等の倒れ方などのシュ ミレーションはとても興味深かった。
期 日:平成8年7月13日(第二土曜日)13時30分より 場 所:神戸大学発達科学部(旧教育学部)(教室については当日正門を入ったとこ ろに案内板を置き連絡します。) 【住所】神戸市灘区鶴甲3丁目11番 阪神御影,JR六甲道,阪急六甲のいずれかより,神戸市バス36系等鶴 甲団地行きに乗車して発達科学部(旧教育学部)前にて下車(バス代20 0円)。
今回,京都教育大学大学院の田尾さんが研究発表をして下さいました。とてもアカ デミックな雰囲気を感じることができ,自分の大学時代を思い出しました。これから もどしどし,専門的な発表に触れたいと思います。 また,栗岡先生に続いて,瀧川先生が海外に行かれることになりました。知らない 海外の土地で,教育を通して世界へ貢献しようとされる姿勢には頭が下がります。次 回,先生に行かれるにあたっての気持ち等をレターに載せていただく予定です。 T&T