化学教育兵庫サークル 第11号


研究会の内容

  1. 期日・場所・参加者

    期 日:平成8年4月13日(土)13時30分〜17時00分
    場 所:神戸大学 発達科学部(旧教育学部)
    参加者:北川(御影),谷口(鳴尾),小西(小野),栗岡(加古川北),中澤(兵
        庫),水野(明石城西),浅井(東播磨),土居(小野),瀧川(市神戸工
        ),安岡(尼崎稲園),高田(舞子),神戸大学大学院2名
    
                             〔順不同,敬称略〕

  2. 巻頭言

    『縁』
                            市立神戸工業高等学校 瀧川 勝三
     昨年,縁あって青少年のための科学の祭典準備委員会で本サークルを知った。教職
    9年目になる。初任校は定時制(午前中は講師として某女子校(一応進学校)他に勤
    務),現在は2校目で工業高校。近年,学校も落ち着き,授業内容も新課程と相まっ
    て変わりつつある。初参加当初,痛感したのはカリキュラムの違いもさることながら
    自分自身の無知。しかし,そんな自分でも居づらいどころか,毎回ほんとうに楽しく
    勉強になっている。こういう場を望んでいた。有り難い。多忙な毎日,時間との闘い
    の中からこんな素晴らしい集まりが生まれたなんて・・・・・。私なんかが知らない
    ところでの苦労を拝察する。
     本サークルも2年目を迎え,メンバーの先生方の転勤,海外派遣,神戸大学院生の
    就職など新しい要素が加わった。私自身も他の先生方とともに一歩づつ前進できるよ
    う次回の集まりを心待ちにしている。そして,改めてこの有り難い「縁」を大切にし
    たいと思う。
    
  3. 栗岡先生あいさつ

     前回にお知らせしたように,この会の発足者でもあり,代表者でもあった栗岡先生
    (加古川北)が,4月からマレーシア,クアラルンプールにある国立マラヤ大学へ2
    年間の予定で文部省派遣により行かれることになりました。
     先生はこの会の発足に当たり,活動場所の確保,活動資金の確保,レターの発行な
    どサークルの土台を築くとともに,その知識の豊富さと指導力で1年間,サークルを
    引っ張ってこられました。サークルとしては非常に残念ですが,先生のご健康とご活
    躍をお祈りしたいと思います。
     今後は,マレーシア海外レポートにより,継続して参加いただけることになってい
    ます。
  4. 平成8年度 係および活動方針

     【係】
      代表 北川(御影)
      代表補佐:中澤(兵庫),水野(明石城西)
      書記(レター):高田(舞子),瀧川(市立神戸工)
      広報(インターネット):安岡(尼崎稲園)
      会計:小西(小野),土居(小野)
      事務局:兵庫高校 中澤(兵庫)
     【方針】(前年度と同様)
      @知の共有 A継続的活動
      B誰でも参加 C幅広い内容
     【内容】(前年度と同様)
     それぞれが持っている授業に直結した教材の工夫,内容等の情報交換の場とする。
       ・演示実験の工夫
       ・生徒実験の工夫
       ・教え方のの工夫(含受験)
       ・授業で使える話題
       ・新聞記事,書籍の紹介
       ・STS的な教材の研究
       ・海外の教材の研究
       ・教科書,参考書の検討
       ・機関誌(ニュースレター)の発行
       ・講師による講演や施設見学
       ・理化学会(12月)での発表
       ・演示実験集や話題集の作成
       ・参考書や問題集の編成
     などが柱となるが,これらを中心として,自由な話(「雑談の効果」)ができるよう
     にする。
      ※今年は
       ・実験ビデオの作成(笹川財団援助金に申請)
       ・2年間の活動のまとめ
         実験集,話題集
       を行う。
  5. 研究協議

    @ 消えたアルコールの謎(中澤)

     水50(ml)にアルコール50(ml)を加えたとしても100(ml)にはならない。何故な
    のか。参考書によると,「水の分子と分子の間には隙間があるため。」と説明してい
    るがこれは具体的にはどういうことかを協議した。結果的には水の中に残っているク
    ラスターが崩れ,アルコール分子に水和したために体積が減少したという結論にいた
    った。(クラスターの大きさは,アルコール分子より大きい) 4頁参考。
    A 湧き上がるサイダー(中澤)
     炭酸飲料に塩の粒を入れると,泡が立つ。この現象について,単に「塩が二酸化炭
    素の泡を押し出した。」という解釈でよいのか。他に,水に溶けない乾いた砂等を使
    い,同様の実験を試みた。結果は,塩と同じ様に泡が出た。これにより,泡が出る原
    因は他にあるのではということになり,協議が行われた。 4頁参考。
    B 「窒素酸化物による化学教育での問題点」(安岡)
     化学1Aの授業において,環境をテーマとし,具体的に窒素酸化物を取り上げた授
    業の実践報告のまとめとそれによる化学教育の問題点についての発表があった。
                                    5頁参照。
    C 「化学教育兵庫サークル」のインターネット活用の実践(安岡)
     化学教育兵庫サークルの活動をインターネットのホームページに載せることは以前
    から報告していた。今回は実際にそのページを見ながらの実演があった。なかなか,
    このサークルもメジャーになってきたのかなといった感じのうれしい発表だった。
                                  10頁参照。
  6. 次回研究会の案内

    期 日:平成8年5月11日(第二土曜日)13時30分より
    場 所:神戸大学発達科学部(旧教育学部)(教室については当日正門を入ったとこ
        ろに案内板を置き連絡します。)
        【住所】神戸市灘区鶴甲3丁目11番
         阪神御影,JR六甲道,阪急六甲のいずれかより,神戸市バス36系等鶴
         甲団地行きに乗車して発達科学部(旧教育学部)前にて下車(バス代20
         0円)。
     
  7. 編集後記

     サークル発足以来1年が過ぎ,中心になって会を発展させてこられた栗岡先生が,
    4月21日(日)にマレーシアに出発されました。先生の現地でのご活躍を祈念いた
    します。さて,平成8年度の新体制ができました。今年度は,いままでの有意義で楽
    しい会の雰囲気を継続するとともに,新しい試みとしてインターネットによるホーム
    ページの開設,ビデオ教材の作成(危険実験:水と濃硫酸など)を考えています。
    多くの方の参加と協力をお願いいたします。
     今回,担当(高田)の不手際によりレターの発行が遅れましたことを深くお詫びい
    たします。
                                      T&T
    

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