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館長室へようこそ!

兵庫県立歴史博物館
館長 藪田 貫
【プロフィール】
 2014年4月1日に、端信行前館長の後任として歴史博物館長に就任しました藪田 貫です。端館長とは年齢は違いますが、大阪生まれ、京都橘女子大学教授を勤めたことなど共通点があり、初対面の時に話が盛り上りました。
 専門は歴史学、とくに日本近世史(江戸時代史)の社会史・女性史です。大阪大学大学院修士課程を終え、大阪大学助手・京都橘女子大学助教授を経て、1990年から2015年3月まで関西大学文学部教授を勤めておりました。館長となって二年目に入ります。4月に開設されたひょうご歴史研究室室長を兼ねています。25名のスタッフと力を合わせ、ちょっと立ち寄ってみたくなる博物館を目指したいと思います。
【「館長室へようこそ」について】
 「館長室へようこそ」では、歴史博物館に関する話題や、兵庫県の歴史・文化のニュース、私が折に触れて感じたことなどを、皆さんにお伝えしたいと思っています。「歴史ステーション」にお越しになった時に、気楽に立ち寄って、おくつろぎ下さい。  みなさんのお便りなども、お待ちしています。
あて先 : Rekishihakubutsu@pref.hyogo.lg.jp
 

  ベルギーの大学で姫路の話をする  2015年11月15日

 1週間ほど前に、出張先ベルギーから帰国しました。パリに立ち寄り、エアーフランス便で帰ったこともあり、13日のテロ事件には絶句。枯れ葉が舞い、温かな秋の日を浴びる美しい光景が、爆発音で切り刻まれたかと思うといたたまれない気持ちです。もし1週間遅い日程あれば、大惨事を現地で見聞きしていたかもしれません。深い哀悼の意を捧げたいと思います。

 

 今回の出張は、来年150年を迎える日本とベルギーの友好関係を祝って企画された国際シンポジウムへの出席が主でした。主催したのは4月まで在籍していた関西大学日本・EU研究センターで、開催地はベルギーのルーヴェン・カトリック大学。同センターの特別顧問を勤めている関係から、お鉢が回ってきました。

 

 ルーヴェンは、ブリュッセルから鉄道で30分の所にある古都です。市内にある修道院ベギンホフは、世界遺産に指定されています。大学の創設は1425年、ヨーロッパでも有数の歴史を誇る大学です。とりわけ有名なのは、第1次世界大戦時にドイツ軍に焼かれ、その後、アメリカ・日本などの支援で建てられた図書館です。広場から見上げる擬洋風の図書館の尖塔には、教会になくてはならない楽器カリオンが据え付けられ、定時には、美しい音色を町中に響かせます(写真1)。カトリックの色濃い世界にいることが実感されます。

写真1

  国際シンポは人文学部棟の最上階で開催され、日本とベルギー双方から報告がありました。幕末に日本とベルギーが国交を結んで以降の歴史の中からのトピックを取り上げた報告があり、わたしは「地方都市姫路における日本・ベルギー関係史」と題して、第2次世界大戦後のアメリカ占領軍期における姫路を舞台とするカトリック宣教と教育・文化交流について報告しました(写真2)。

写真2

 世界遺産姫路城の周辺に、ベルギー国王が訪問するという大きな出来事が少し前にあったことに学生諸君は驚いて聞いていました。

   
 
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