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館長室へようこそ!

兵庫県立歴史博物館
館長 藪田 貫
【プロフィール】
 2014年4月1日に、端信行前館長の後任として歴史博物館長に就任しました藪田 貫です。端館長とは年齢は違いますが、大阪生まれ、京都橘女子大学教授を勤めたことなど共通点があり、初対面の時に話が盛り上りました。
 専門は歴史学、とくに日本近世史(江戸時代史)の社会史・女性史です。大阪大学大学院修士課程を終え、大阪大学助手・京都橘女子大学助教授を経て、1990年から関西大学文学部教授を勤めており、今年1年は、館長との兼務となります。
【「館長室へようこそ」について】
 「館長室へようこそ」では、歴史博物館に関する話題や、兵庫県の歴史・文化のニュース、私が折に触れて感じたことなどを、皆さんにお伝えしたいと思っています。「歴史ステーション」にお越しになった時に、気楽に立ち寄って、おくつろぎ下さい。  みなさんのお便りなども、お待ちしています。
あて先 : Rekishihakubutsu@pref.hyogo.lg.jp
 

  学生と京都を歩く  2015年3月1日

  春近し 美しさます 姫路城

 ――最近、詠んだ俳句ですが、通勤の車中から見える野梅が、白・紅と目立つようになりました。心も浮き立ちます。

 昨年4月に館長となり、関西大学文学部教授と二足の草鞋を履いておりましたが、いよいよ3月末で定年退職となります。博物館へは週二日の出勤と言え、大学に週四日ほど出ており、残る日は一日。その日に講演や調査、文化財関係の会議などが入ると、一週間休みなしという事態を招くことがしばしばで、3月末まで身体が持つかと不安に思った時は、一再ならずありました。博物館スタッフの配慮とワイフの協力を得て、なんとかここまで辿り着いた、というのが正直な感想です。

 そんなゴールの見えだした2月末、卒業予定のゼミ生10名と京都を歩きました。大阪は何回か歩いたので、卒業記念は京都にしようと提案、実現した次第です。四回生といえども、それほど京都を歩いていないのです、今時の学生は。

四条大橋の上で待ち合わせ、まずは七条の三十三間堂へ。1001体の観音菩薩や国宝の風神雷神像をそれぞれに見学。その存在感に圧倒されます。ついで向かいの京都国立博物館へ。国立博物館と大学が提携するキャンパスミュージアムという制度ができており、所属する大学がそのメンバーならば、学生証を提示すれば無料で入館できます。昨年に竣工なった平成知新館では陶磁器・考古遺物・絵画などの名品が並び、若冲の作品を久しぶりに見ました。その後はバスに乗って一路北上し、「おめん」で京都うどんを賞味し、学生の希望である鹿苑院銀閣へ。金閣には行ったことはあるが、銀閣は初めてという学生の多いこと。折しも春節の長期休暇中で、バスの中も銀閣の中も、中国語が飛び交っています。静かな銀閣はどこかに行ってしまったようです。

 四条寺町での打ち上げ前に入ったのが熊谷鳩居堂。扉を開けると、お香の匂いが身体を包みます。店内には折しも紙製の雛人形が展示されていたので、衝動的に購入してしまいました。家に帰って、仕舞い込んであった雛人形を勢揃いさせると、四セットもあることが判明し、ワイフからは小言が。三月は誕生月なので、つい雛人形に目が行ってしまったようです。

  

   
 
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