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館長室へようこそ!

兵庫県立歴史博物館
館長 端 信行
【プロフィール】
 私は2002年から、兵庫県立歴史博物館で館長をつとめています。
 大阪府に生まれました。専門は文化人類学と比較文明論です。京都大学文学部を経て、1974年に国立民族学博物館助教授となり、1992年からは同館の教授を、2001〜2007年には、京都橘大学で教授をつとめました。
 
 ※端館長は2014年3月末日に退任し、現在は名誉館長です。このページは過去ページを表示しています。
【「館長室へようこそ」について】
 「館長室へようこそ」では、歴史博物館に関する話題や、兵庫県の歴史・文化のニュース、私が折に触れて感じたことなどを、皆さんにお伝えしたいと思っています。「歴史ステーション」にお越しになった時に、気楽に立ち寄って、おくつろぎ下さい。  みなさんのお便りなども、お待ちしています。
あて先 : Rekishihakubutsu@pref.hyogo.lg.jp
 

  春、待ちのぞむ 2012年2月15日

 新聞やテレビの報道によると、ヨーロッパでもたいへんな寒波のようで、わが国でも日本海側の多雪地方は例年にない大雪に見舞われている。もう暦のうえでは立春も過ぎたというのに、まだまだ寒さとのたたかいがつづくようである。

 昨年の東日本大震災から早くも一年がたとうとしている。あとひと月ほどで、大震災の一周年を迎える。肉親や住まいや仕事場や賑わったまちすらも奪いさった、あの巨大津浪の残影は消えることがない。仮設住宅での生活にも寒波が襲っているという。春を待ちのぞむ気持ちは、被災者の人びとの悲痛な叫びとして聞こえてきそうだ。

 東京電力の原子炉事故は、わたしたちの放射能への関心を一挙に高めたが、いまだに明確なことがわからない。広島や長崎の被爆体験がありながらも、なおこの不明瞭な事態はどういうことなのだろうか。明確な現状分析から未来へのビジョンづくりが大きな課題となっている。

 3月11日の東日本大震災から一周年を機に、日本の未来に向けた“春”がおとずれることを期待したい。

   
 
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