県立神戸高等学校
※ 総合理学科は,「普通科総合理学コース」が発展した新しい学科です。
〒657-0804
神戸市灘区城の下通
1丁目5番1号
サイエンスツアーとは「先端科学の現状や研究の様子を体験的に学びながら,科学や科学技術に対する関心と理解を深めること」をねらいとする,総合理学科の活動です。
具体的には,以下の点を考慮して学習内容を決定して実施します。
平成19年度のサイエンスツアーⅠは,「情報通信研究機構 未来ICT研究センター」にて6分野の実習項目を準備していただいて,上記のねらいの実現をめざしました。
概要:細胞の中で起こっていることをあるがままに見たいというテーマで講義と実習。蛍光タンパク質,遺伝子組み換え等の内容を含む講義の後,実習ではあらかじめ作製した光るヒト細胞を用いて,生きている細胞で蛍光タンパク質が動く様子を蛍光顕微鏡で観察する。担当:生物情報プロジェクト
概要:最新鋭の光学顕微鏡を使って生きている細胞の中を覗き,驚くようなスピードで動く細胞質や細胞小器官を観察。光学顕微鏡を使った実習を通して,細胞質の運動の仕組み・細胞内の活発な運動を司っているタンパク質モータの働きを理解し,生命の本質「動き」を体感する。担当:生体物性プロジェクト
概要:現在の脳科学では,人間の脳を外側から測定して,はたらいている脳の様子を観察することができるようになった。ものを見ているとき(視覚)の脳の活動を,MEG(脳磁波測定装置)とMRI(磁気共鳴画像装置)を用いて測定し,脳が活動することと心の中で感じることとの関係を考察する。担当:脳情報プロジェクト
概要:ミラーを調整して自分でレーザーを発振させる。偏光や干渉などの光の性質を実感する。人工オパール(光学結晶)を作ってナノ構造を観察する。オパールが虹色に光る訳,モルフォ蝶やコガネムシが光る訳を理解し,自然が生み出す感動的なナノテクアートと接する。担当:分子フォトニックプロジェクト
概要:光の色が何なのかを分光光度計を用いて光の波長から体感し,半導体レーザーのスペクトルを観測することによって,光の波長について学ぶ。次に,光ファイバーを用いて光の速度を実際に測定する。これらの結果から光が電波より情報がたくさん送れるのは何故かを考察する。担当:光波量子・ミリ波ICTグループ
概要:クリーンルームにおいて,超高真空装置による超伝導薄膜の作製やフォトリソグラフィによるミクロンオーダーの微細加工などを行う。実際に操作し,電気特性の測定によって超伝導の不思議な現象の一部を体験する。担当:超伝導プロジェクト
施設を十分に使用させていただいて,多くの研究者に協力をしていただいた結果,生徒は広範な分野について,少人数グループでの体験学習ができました。先端研究に触れた生徒たちの感想の一部を紹介します。
「学校では絶対に習わないような深いことまで知れて,とてもよかったです。」
「すごく専門的で,予備知識がないとついていけない話ばかりだった。生体物性に興味の割合が大きいかなあと思う(体験した他分野と比較)。」
「新たな世界が広がった気がする。理科のおもしろさをあらためて実感した1日だった。」
「前の理研見学のときに覚えた言葉が出てきて,一層深い知識となった。理科の講習や実習を重ねて,知識が身についているんだなと実感,感動した。6コースも用意していただき,充実していた。」
また,生徒のレポートの記述から,次の効果があったと考えられます。
2008年1月 公開
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