教育プログラムモデル(5) 尊い命を守るために

【テーマ】
尊い命を守るために

【ねらい】
人による命をおびやかす行為に対しては未然に防ぐ対策を、また自然災害に対しては、その被害を最小限にくいとめる知恵を学ぶ。そして、命をおびやかす様々な行為に対して、毅然と立ち向かい、克服していこうとする態度を養う。さらに、このことをとおして、子どもたちと大人が共にかけがえのない命を実感し、自他の命を守っていこうとする姿勢を持つ。

【発達段階についての認識】
小学校段階では、地域の人々との協力によって行われている命を守るための取組を知る。また、いじめ加害・被害を知り、いじめの行為を決して行わない心を育てる。中学校段階では、薬物犯罪に巻き込まれる心理や自殺について学び、命をおびやかす行為を未然に防ぐ知恵を学ぶ。高等学校段階では、児童虐待やDVがなぜ起こるのかを学び、社会人になったとき、自らがその過ちを犯さない知識と知恵を学ぶ。
また、すべての段階をとおして、年齢に応じた防災教育・ストレスマネジメント教育を展開する。防災知識だけでなく、被災後の心の変化やトラウマの心理、心のケアについても学び、困難に立ち向かい生き抜いてきた先人の知恵と対処を学ぶ。

  テーマ ねらい
小学校
低学年
(1) 傷つくことばと元気がでることば
(2) 子どもの命を地域で守る
(1) 言葉によって人を元気づけたり、傷つけたりすることがあることを学ぶ。
(2) ヒヤリハットマップを子どもと一緒につくり、地域で子どもの命を守る。
小学校
中・高
学年
(1) いじめ防止教育・さわやかな自己主張・ストレスの対処法
(2) 防災教育と災害後の心のケア
(1) いじめとけんかの違い、いじめによる心と身体の変化、不快な場面での言い方、いじめをしないための意識、いじめを見たり聞いたりしたときの対処を学ぶ。
(2) 人による行為に対しては未然に防ぐ対策を、また自然災害に対しては、その被害を最小限にくいとめる知恵を学ぶ。また、被災後の心のケアについて知る。
中学校
(1)-a: 少年非行の実態と防止
(1)-b: 暴力の知識と防止
(1)-c: 自殺防止教育
(2) 防災教育と災害後の心のケア
(1)-a: 薬物依存・少年非行に陥る少年の心理を学び、それらが命をおびやかす行為であることを理解し、その兆候を知ることにより未然に防ぐ知恵を学ぶ。
(1)-b: カッとしてふるう暴力と支配のための暴力があることを学び、暴力以外の方法で自分の気持ちを表現することを学ぶ。
(1)-c: 自殺について知り、自殺を避けるためにできることについて考える。
(2) 自然災害に襲われた人々が、その困難をいかに乗りこえてきたかについて学び、災害への対処を身につける。また被災後の心のケアについて学ぶ。
 高等学校 
(1) DV防止教育、児童虐待防止教育
(2) 防災教育と災害後の心のケア
(1) DV、児童虐待がなぜ起こるのかを学び、社会人になったときの望ましい人間関係の築き方を学ぶ。命をおびやかす暴力の連鎖を断ち切る。
(2) 自然災害を乗り越えたり、被害を最小限にくいとめる試みをした実践を学ぶ。