思春期にある中学生は、心身ともに大きく成長する時期であり、とりわけ自分自身を内側から強く揺り動かす性衝動や攻撃性などの葛藤が旺盛な時期である。また、将来に対する不安や、否応なく迫られる進路決定への複雑な思いの中で、目的や目標を見いだせずにいる生徒も少なくない。
そこで、本事業により、生徒たちに時間的、空間的なゆとりを確保し、地域や自然の中で、生徒の主体性を尊重した様々な活動や体験を通して、豊かな感性や創造性などを自ら高めることができるよう支援するなど、「教」より「育」を中心にすえた「心の教育」を確実に推進する。また、他者と協力・協働して社会に参画する態度や自ら考え主体的に行動し問題を解決する能力等を育成するため、多様な社会体験活動を通じ、生徒のキャリア発達を支援することが重要である。これらの取組により、ともすれば知育に偏りがちな教育を是正するとともに、地域に学び、共に生きる心や感謝の心を育み、自律性を高めるなど、「生きる力」の育成を図っていくことが肝要である。
また、活動の充実を図るため、目的意識を明らかにする事前指導、体験で学んだことをその後の生活に生かすための事後指導の創意工夫が期待される。
さらに、この体験活動の推進にあたっては、保護者・地域社会・関係機関等の十分な理解を得ると ともに、校区推進委員会のより一層の充実を図り、新たな教育の創造へとつなげていくことが大切である。
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