キクイタダキ  06.03.27    
君はやっぱり金メダル!?



 荒川静香選手が、トリノオリンピックで金メダルを獲得したのは記憶に新しいですね。荒川選手と言えば“魅惑のイナバウアー”ですが、高知県のある動物園ではイナバウアーを演じるカワウソがいるとかで、テレビで取り上げられていました。テレビを見ていた私は「あの程度なら、南但馬自然学校にもいるぞ」思わずつぶやきました。

 では、紹介しましょう。南但馬自然学校選出、キクイタダキ選手のイナバウアー!
 どうですか・・・なかなかのものでしょ?

 このキクイタダキがイナバウアーで一等賞の金メダルが捕れるかわかりませんが、既に一等賞の栄誉に輝いていることがあります。それは、日本の野鳥の中で“体が小さい一等賞”です。その体長は10p、体重は1円玉5枚分の5gしかありません。お財布に1円玉が5枚ある方は手のひらにのせて、重さ(軽さ)を感じてみてください。
 私たちの身近にいる小鳥と言えばスズメですが、このスズメですら体重は20〜25gですから、いかにキクイタダキが小さいかがよくわかります。

 キクイタダキはスギやヒノキ、モミといった針葉樹の森に暮らし、葉っぱや幹に隠れている虫やクモを食べています。こちらはクモを捕まえたようです。なんだかとっても自慢顔。
 
 ところでキクイタダキって覚えにくい名前ですが、その由来をひも解くと、頭のてっぺん(頂)に菊の花びらを一枚のせたような模様があることからこの名前が付いているようです。えっ、菊の花びらがよく見えませんか・・・?では、頭をアップで。この黄色い花びらの真ん中に、赤色の細い線があるのが♂、ないのは♀です。写真のキクイタダキは♀ですね。

 春になると、本州中部より北の地方や北海道に移り、子育てをします。南但馬自然学校で見られるのもあとわずかです。さあさあ、今のうち今のうち、キクイタダキのイナバウアーを見に来ませんか。

文責 増田 克也

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